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ささやかな日々。17日目
おかあさんが当たり前のように料理とか裁縫をやってくれてたから、
大人になったら勝手にできるようになるもんだと思ってた。
もちろんそんなわけなくて、
歳を重ねるにつれ、
おかあさんがやっていたことや
おとうさんが毎日早起きして働いていたことのすごさを知る。
世の中はなかなか難しいことばかりだ。
そんな
大変なこともそう感じさせないおかあさんが、
クリスマス目前で言い放った渾身の
「もうそろそろいいやろ」
思えば布石は打たれていた。
1年前のクリスマスの朝、
枕元に置かれたサンタさんからのプレゼントは
わたしが欲しいと言っていた懐中時計だった。
「わたしの最新情報知ってくれてるんや!!」
そう思った。
箱の中に近所のショッピングモールの印が押された保証書が入っていたが、
それすら
「うわぁ!近所で買ったんやなぁ。そこしか売ってへんかったんかも!」
と思った。
いや、気付かないフリをしていた。
おかあさんの
「もうそろそろいいやろ」には
1年分の優しさが詰まってた。
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