暗い廊下

愛のことを誰だって
本当は理解したくはないんだ
どの掌の上にも違う天秤が乗っていて
「もしもしその定義は如何ほどのものですか?」
いちいち聴くのも面倒で
あーあ、
僕たちに言葉なんてなければ良かったかな
僕たちに脳なんて
心なんて
何もかも
手も脚も
なかったら
こんなに悩むことなんてなかったのかな

君に

すべてをあげたいだなんて
それが不可能だなんて
喰べて欲しいって
それだって無理だって
許されないって
そんなふうに突きつけられるだけの世界なら
最初からない方がマシだった

一生一緒にはなれないけれど
隣にいても良いかな
君を満たしてあげられない僕だけど
傍にいても良いかな
そんなことを言ったら
君は笑って僕を許すから
絶対にこの口が裂けても言わないよ

▼詩集「ヘブンリーブルー」
 https://nikumaru-shobou.booth.pm/items/841246

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