嘘ばかりの君との会話は
毎日まいにち ああ 疲れてしまうな
春の下り坂
いつかの夢を見ていた
君は美しい

転がるような言葉たちが
何処までも行ってしまう
後ろ姿ばかりが
目に灼きついて仕方ない

旅をしていく
行く宛も分からないまま
僕らは頭上の星を探す
愚かなメトロノーム

砂浜に
ついた足跡

嘘ばかりの君が笑って
繰り返しくりかえし ああ 飽きてもこないな
思い出ばかりだ
いつか愛せるように

物語の主人公に
重ねてかさねて ああ なりたかったくせに
忘れないでよって
たった一言いうだけだ

臆病者の僕

次に何が起こるかなんて
誰にも分かりはしないんだ
少しくらいは
前を行かせてくれたって良いのに

旅をしていく
友の名も分からないまま
僕らはそれでももぐっていく
深い水の底まで

きらめいた
春の彩々(いろいろ)

嘘ばかりの君との会話は
毎日まいにち ああ いろづいていて
白と黒との世界
僕らは夢を見ている

物語の主人公を
なぞってなぞって ああ 羨んでくれよ
忘れるわけないだろ
直接伝えたかった

大馬鹿者だよ

愛してるとも言えなかった
僕らはきっと幼いね
「ねえ」
「なに」
「おやすみのキスをして」

嘘ばかりの君との会話は
毎日まいにち ああ 疲れてしまうな
春の下り坂
いつかの夢を見ていた

物語の主人公は
全部ぜんぶ ほら 君だったよ
忘れないよ
忘れはしないよ

たった一つの
僕の物語

おやすみのキスは
まだ少し先にとっておいて

君は美しい

君は本当に美しい

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