Shigenari_Arakawa

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最近の記事

千盤一夜物語(7)

今日はセル。基本的に、何を聴くかは決めず、ラックにあるものを手に取るという形で進める中で、セルの1枚目であるのにもかかわらず、地味な1枚。筋金入りのセル・ファンからは、これじゃないだろうとお叱りを受けそうであるが、仕方ない。手に取ったから。 ヒンデミット⇒ウォルトンのヒンデミットの主題による変奏曲⇒で、ウォルトンの第2交響曲というコンセプトの1枚ながら、とても地味。しかし、このヒンデミットは良い。 高校生の頃だったか、ブロムシュテットが好きで、ブロムシュテットのヒンデ

    • 千盤一夜物語(6)

      本日はプロコフィエフ作品集。なんとなく手に取ったら、ライナーとかストコフスキーって見えて、買った1枚という記憶がある。もちろん、偉大なテミルカーノフ先生の名前は目に入ったものの、テミルカーノフ先生のRCAでプロコフィエフっていうと、持っている「アレ」だなと思い、これは別の機会に譲ることにする。 プロコフィエフはいまだによくわからない作曲家の一人で、妙にリリカルな面を示すかと思えば、メカニカルにスコアに音にしてみたような音をさせてみたり、デモーニッシュな面も垣間見せたり。

      • 千盤一夜物語(5)

        今夜はマルティノン&パリ音楽院管のフランス音楽集。「おっ、よさげ!」と思って買った記憶がある1枚。「ル・シッド」はイスラエル・フィル。 まず、最初のイベールの「ディベルティメント」に感じ入るところ大である。ご多聞に漏れず、フランス音楽はデュトワ&モントリオール響がもてはやされていた時代で、このコンビのフランス音楽集を持っていた気がする。鮮やかで、デッカロンドンの華やかな録音とCD的な音がマッチしていてよく聴いた。しかし、デュトワ&モントリオール響の来日公演(名古屋)の「

        • 千盤一夜物語(4)

          今晩、ラックから手にしたのは、ロッシーニの序曲集。セラフィン指揮のもの。オペラ指揮者としてのセラフィンは全く分からない。かつて、カラヤンが弟子の小澤征爾に、「オペラを知らないと音楽の半分も知ったことにならない」旨のことを教示していた話を聞いた?読んだことがある。私は、オペラはほとんど知らないし、室内楽も知らない。音楽の森はかくも深遠な世界であると実感する。 さて、久し振りに聴くと、少々乾いた音ながら、手慣れた感じで各曲の演奏が始まる。たぶん、どの曲もオケのメンバーはよく知っ

        千盤一夜物語(7)

          千盤一夜物語(3)

          今日、手に取ったのはバティス。爆演系・ラテンの血が騒ぐぜ!!!的な指揮者として知られるが、この「ローマ三部作」は至って普通。というか、もともとの曲が血が騒ぐ状態で書かれている部分が多いので、そう聴こえるだけのように思える。 しかし、よく聴くと、レスピーギの筆は冴えていて、いろんな楽器に詳しくない私からしても、随所に様々な工夫があることに気がつく。そして、鳥の声などの採用についても、おそらく「音を描く」ことに興味があったというより、「耳に届く音のすべてが音楽なのだ」という

          千盤一夜物語(3)

          千盤一夜物語(2)

          手に取ったのは、たまたまバーンスタイン。一時、ご多分に漏れず、バーンスタインの「姿」とマーラーに衝撃を受けて、熱にうなされた時期もあった。今となっては、バーンスタインとは何だったんだろう?という気がする。 ということで、バーンスタインによる比較的メジャーなアメリカ音楽を集めたロス・フィルとの1枚。 ほんとに、久しぶりに聴いてみると、私の中ではバーバーの「アダージョ」は単独で聴くと映画「プラトーン」と完全に一体化してしまっている。ウィレム・デフォーが脳裏をよぎるから、当

          千盤一夜物語(2)

          千盤一夜物語(1)

          あれは中学生の頃だったか、CDなるものがこの世にあらわれ、レコードとは違い、音質劣化もない夢のようなものだと言われていた。 私のような田舎の者は、「こりゃあ、凄そうだ」と憧れた。FMは雑音交じりで、大好きな中日ドラゴンズの試合は必ず北朝鮮の怪しげな放送に交じって聞こえるCBCの久野誠アナウンサーの実況にかじりついていた私にとっては憧れ以外なかった。 中学校で吹奏楽部に入り、なんとなくトロンボーンを始めて、当時の顧問の先生から、「かっこいいだろ」と聴かせてもらったのが、ワー

          千盤一夜物語(1)