千盤一夜物語(2)

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手に取ったのは、たまたまバーンスタイン。一時、ご多分に漏れず、バーンスタインの「姿」とマーラーに衝撃を受けて、熱にうなされた時期もあった。今となっては、バーンスタインとは何だったんだろう?という気がする。

ということで、バーンスタインによる比較的メジャーなアメリカ音楽を集めたロス・フィルとの1枚。

ほんとに、久しぶりに聴いてみると、私の中ではバーバーの「アダージョ」は単独で聴くと映画「プラトーン」と完全に一体化してしまっている。ウィレム・デフォーが脳裏をよぎるから、当時はコッポラといいオリバー・ストーンといい、キューブリックといい音と映像の強烈な表現者というのがいたってことになる。演奏はバーンスタイン・スタイル。

しかし、コープランドはちょっと苦手なのかもしれない。「アパラチアの春」は何度聴いてもピンとこない。「エル・サロン・メヒコ」とかも、代表曲だから<カタログを埋める>的に聴いたけど、何度も手に取るかと言われればNOだ。

W.シューマンの「アメリカ祝典序曲」はわかりやすいからまだいい。さすが、校長先生。保守的である。アイブズまでいくと、?が先行して楽しめないのである。

結局、「キャンディード序曲」が1番になってしまう。演奏会の挨拶代わりの曲としてこれからも重宝がられるのは間違いない。組曲「キャンディード」と「シンフォニック・ダンス」だけでバーンスタインの名前は永遠に残ったろう。ただ、本人は嫌だろうが。

演奏のロス・フィルはほとんどCDを持っていないと思う。特に、ピンとこなかったオーケストラ。明るい音がするのは西海岸だからか?うまいはうまいんでしょうが、癖がないので、癖が好きな人はスルーとなるということでしょう。

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