マッチ売りの少女に営業コンサルしてみた
なぜマッチ売りの少女をモチーフににしたのか
営業戦略や理論を学ぶうえで、少しでも想像しやすいように「マッチ売りの少女」という童話をモチーフに解説すると決めました。
また過去に、童話の世界にセレブリックスが存在していたとしたら…というパロディCMを作ったことがあり、身近な話題だったこともあります。
しかしこのnoteの本質は、「商品がイケてないんだよな…」とか「お客さんにニーズがない」といった自分にとって都合のよい「失注理由」を掲げて、自分を納得させようとしている人への「喝ッ」です。愛のある「喝」。
ということで・・・
さあ、マッチ売りの少女よ、諦めるのはまだ早い。立ち上がれ!!!
セレブリックスと営業コンサルティング
「はじめまして」の人もいるので、マッチ売りの少女に営業コンサルティングするのが、どんな奴で、どんな会社なのか自己紹介します。
セレブリックスはビジネスプロセストランスフォーマーです。
私が所属するセールスカンパニーは、セールスエージェンシーとして、BtoBの顧客開拓や営業プロセスの改革をお手伝いしています。
例えば、
・誰でも”売れる”を体現するプロセスをつくったり
・デジタルや生成AIをつかい、売れるメカニズムを構築したり
・営業活動を代わりに行なったり
他にも、営業に特化した人材紹介、研修、コンテンツ開発など、法人営業の困りごとを解決する必殺仕事人みたいな感じです。
これまで26年間、企業数で1200社、商品数で12000点と数多くの様々なジャンルの商品を代わりに売ったり、売り方を考えてきた“営業サイボーグ“的な、プロフェッショナルを目指す集団です。
そんなセレブリックスが「他の会社には到底真似できないよね!」と自信を持っているのが #顧客開拓メソッド ™️という、法人営業×新規営業のレシピです。
26年間の営業代行実績とセレブリックス営業総合研究所で調査した
①成功体験、失敗体験のデータ
②様々な属性やカテゴリ別の営業データ
を継続的に収集と改定を繰り返すことで、このメソッドを時代に選ばれ続ける秘伝のタレとして継承し続けています。
ちなみにこの顧客開拓メソッドを一般の方でもお買い求めやすくカジュアルにまとめたものが Sales is 科学的に成果をコントロールする営業術 という書籍です。
営業本のベストセラーとして、多くの方に親しまれていますので、是非ご覧になってみてください。いえ、見るというか買ってください。
あ、!!そうでした!!
ちなみに2024年4月25日には記念すべき3冊目の書籍も発売です。
生成AI×営業をテーマにした、新時代の「ニューヒーロー」になるためのノウハウやあり方を綴っているので是非見てくださいね!
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なお、私はそんなセレブリックスに在籍16年(2024現在)、CMOとしてマーケティングの責任者を行っています。その一方で営総研のセールスエバンジェリストという「研究者×発信者」という顔も持ってます。
よく、SNSのタイムラインに広告が流れるので、「タイムライン芸人」と愛のあるディスをいただきます。また営業についてはまだまだAIに負けん!という不屈の精神から、自分のことを「GPT-7」と呼んでいます。
アンダスタン?(英検5級)
マッチ売りの少女 とは
マッチ売りの少女を超訳します。
おい、この○ソ親父。
お前のせいじゃねえか。
という気持ちは一旦置いといて、とはいえマッチ・セリング・ガールよ。
闇雲にバラマキ営業したって、そりゃ買って貰えないよね。って話です。
マッチ売りの少女 THE 現代
あくまでパロディなので、今回はマッチ売りの少女にはタイムリープしていただき、現代社会でマッチを売ることにしていただきます。
セレブリックスの基本方針は、「売り方を考えるのではなく、買われない理由をなくす」アプローチで考えることです。
営業はこれをやったら絶対上手くいく…という一撃必殺の究極魔法はありません。買う人のエピソードは千差万別です。
しかし、買わないと決断された背景には、改善可能な「原因」が存在するものです。その「買わない理由を作る原因」を商談の中で抑止できたり、発生時にすぐに是正できれば、買われない確率を減らし、結果として売れる可能性を高めることができるのです。この「買わない理由を無くす」というアプローチは、再現性を発揮しやすく科学的な営業活動を推進するための原理原則だと考えます。
なので今回は、まずマッチ・セリング・ガールがとった、営業活動の間違ったスタンスと行動を整理することから始めます。
ざっくり読む限り、マッチ・セリング・ガールの間違った営業は上記です。
このプロジェクトは間違った営業活動を是正し、正しい理論を少女に装着し、マッチ・セリング・ガールをバブリーにする使命があります。
そこでこれらの情報、現代社会の外部環境や内部環境を踏まえ、
営業戦略を立てるところからはじめることにしました。
営業戦略を考える上で大切なのは次の4点です。
A)勝つために(競合に)
B)誰に
C)何を
D)どのように
を決めて行くことです。
売るものが決まっている営業戦略の枠組みとしては、
A)勝つために(競合に)
B)誰の
C)どのようなニーズに
D)どうやって
としてもいいでしょう。
こうしたフレームはあくまで思考整理の枠組みなのでルールも唯一解もないと思います。しかし少なくとも、勝つために戦略というものを考える訳で、「誰に」を不在にした優れた営業戦略というのを私は知りません。
さらに、最近私が強く思うのが、ニーズは「誰」だけでなく「シチュエーション」によって生まれるということです。
例えば「家を建てる」というテーマで見た時に、年齢や年収など、私、今井晶也がターゲットセグメントにマッチしていたとします。
しかし、同じ人物でも
(A)既に家を購入している。というシチュエーションと
(B)最近2人目の子供が産まれてライフイベントの変化があった…
というシチュエーションでは、Bのシチュエーションの方が、家を購入する価値観やニーズを想像しやすいのではないでしょうか?
ニーズを想定できれば訴求方法や接触する方法、ご紹介する事例なども異なりますよね。
したがって、営業戦略を考える上で
A)勝つために(競合に)
B)誰の
C)どのようなシチュエーションで発生する 🆕
D)どんなニーズに
E)どうやって
という骨組みで整理していくといいでしょう。
さて、ここで今一度、マッチ・セリング・ガールの営業活動における問題点に着目してみましょう。
この並びで見ると、
1-3が「誰の」「どのようなシチュエーションに」というターゲットに関することが関係しており、
4-6が「どんなニーズに」という価値の持たせ方について
8-9が「どうやって」という手法について関連します。
10-13は活動を行う上での、チャネル戦略やデータ活用、目標設計などの問題提起をしていることになります。
この後の章からは、上記の間違った営業戦略・戦術をもとに、「競合に勝つために」「何を(提供価値)」「誰のどのようなシチュエーションに」「どうやって・どのように」「そもそもの前提」についてアイデアを出していきましょう。
競合に勝つために(競合は誰)
現代社会で「マッチを売る」なら競合の存在を忘れてはいけません。
そうです、アイツです。
現代文明が与えた意図も簡単に火を起こすあのツールです。
ライター。
いえ、もっというと紙タバコを吸う方も減り「火をつけることが減った」という潮流やカルチャー自体が競合なのかもしれません。
わたし達はこうした、現代文明の中で、いとも簡単に火をつけることができる競合達(ライター・チャッカマン)を相手に戦わなければいけないのです。もちろん、他社製品のマッチも無視できないライバルです。
何を(提供価値)
そもそも、マッチは何のために存在するのか?
わたし達のように「法人営業」を行っている人たちは、購買企業の投資活動から逆算して、困りごとを解決する(ペインをなくす)というアプローチで提供価値を見出していきます。
しかしターゲットを「個人」とした場合、モノやコトを買うという行為は必ずしも問題解決のためだけではありません。娯楽や快楽、気晴らしや心の豊かさを求めた芸術など、楽しみや興奮、癒しなどにお金を使ったりしますよね。
法人にマッチを卸す、という「マッチ売りの少女the専門商社」になる可能性も残しつつ、ここでは一旦、個人ユーザーに対するマッチの営業を考えてみます。
もし仮にマッチ売りの少女が、
ターゲットの「火をつけたい」という要望に対して、「火を起こすのは技術と知識と素材が必要だから難しい」という問題意識に対して商談を仕掛けるのは、あまりに分が悪い。
機能・性能勝負でライターに勝てるわけがないのです。
こうしたケース、マッチ売りの少女の世界だけでなく、現実世界でも起こっているのではないでしょうか。
こうした時に必要なのが概念化能力です。
事象を抽象化して、まるで鳥のように広い視点で大きく捉えて見て欲しいのです。
マッチガールよ、飛べ。鳥になれ。ホレッ!
マッチで与えられる魅力・便益には何があるのか?むしろマッチでないといけない理由は何なのかを想像してみるのです。
私がひとつ思いついたのは、「火をつけるという体験」です。人は常に効率的で機能的なものを買うかというと、そうではない筈です。
キャンパーはあえて寒い中でテントで寝たりしますよね。
家のベッドの方が絶対快適に睡眠できるはずなのに、、、
身体に悪いとわかっていてファーストフードを食べるのはなぜ?
その瞬間の快楽や体験にお金を使う生き物だからではないでしょうか。
あぁ…人間とはなんと不完全な完全なのだろうか…っ!!
(キモいですか?)
とにかく、こうした非日常性や、アクティビティ、体験を楽しむのも人間なのです。
同じように、この火をつけるという行為を、作業的にライターでつけるよりも「手間ひまかけて」とか「一緒につける」という体験の方がハマるケースもあるはずです。
ということで、私はマッチガールに次のようにアドバイスをしました。
誰の・どのようなニーズに(ターゲットの選定)
さて、マッチで火を起こし、「手間ひまかけて行う“体験”」を欲するモノ好きはどこにいるんだっ!!という、「誰の」「どのようなシチュエーション」を想像していきましょう。
例えば、小さな子供の誕生日に電気を暗くしてケーキのろうそくに火をつけるという体験はどうでしょうか?
ライターで火をつけるよりも、マッチの方が風情があるし、非日常感を演出できますよね。
<妄想シーン>
いつもと違う食卓には、ちょっぴり贅沢な大きなホールケーキ。食事が終わった後は、ドキドキワクワクの演出が始まります。
電気を落として真っ暗闇のなか、「シュポッ」というマッチを擦る音をきっかけに明るく、そして やわらかく 光ります。
子供の誕生日の数だけ灯されるロウソクの火。ロウソクの火から薄ら見える子供の期待とドキドキに溢れた表情。そしてマッチの火が消えた刹那に、鼻にツーンとつく香りがするのも、何だか味わい深いものがあります。
何とも幸せそうなワンシーンです。
…おやおや、皆さんちょっとシチュエーションを連想したんじゃありませんか?
また煙草を吸わない家庭では、家にライターやチャッカマンを持っていないということもあるかもしれません。せっかく豪華なホールケーキを買ったにも関わらず、家に帰ってから「火をつけられない」とあたふたするのでは、「台無し」ですよね。これは避けたいっ!!
このように抽象度をあげて、別の用途や情景を想像してみます。
その新しい分岐の中で、シチュエーションを具体化をしていくと、当初の想定とは異なる「提供価値」と「誰の」「どのようなシチュエーションの」「どんなニーズに」が生み出されることがあります。
そして、誰のどのようなシチュエーションから生まれる、どんなニーズに…が決まってくると、いつ、どこで、どんな方法で訴求・プロモートするかが決めやすくなります。
結果として、それらがまとまるとどうやって競合に勝つかを記す戦略の骨組みとなるのです。
さて、では今回のケースをまとめましょう。
さあ、ターゲットとシチュエーションを仮設定した後は、このターゲットとのタッチポイント(接点)をどう作るかを考えます。
当然、既に家に帰宅した人をターゲットにしても意味がない訳です。
ということで 営業の間違っていることの上段3つをクリアしました。
ここから先は「どのように」で解説します。
どのように(接触方法・訴求方法)
まず、接点の作り方です。
私なら仕事帰りにケーキ屋に寄るサラリーマンを狙うでしょう。
なので、夕方以降にケーキ屋の前で張り込む。
そこでケーキを買った方々に、マッチの提案をします。
ここからは「どんな方法で」…を決めていきます。
訴求方法や営業ツールなどを検討しましょう。
営業ツールの代表例のひとつが「サンプル」ですが、マッチのサンプルを渡したところで購買意欲は高まりませんし、マッチのサンプルを持ち帰られてしまっては、それでロウソクに火を灯せてしまいます。
今回のケースではキャンペーンや試供品提供は意味をなしません。
今回は「タイミング」と「営業トーク」で勝負。
インパクトのあるアプローチでとにかく足を止め、話を聞いてもらう環境を作りましょう。
その上で、「マッチを買う意味」を想像してもらうのです。
私ならこんなアプローチを試してみるでしょう。
ホールケーキを思わすものを持ってケーキ屋さんから出てお客様に対して、タイミングよく・・・
👧突然すみません、わたくしマッチ商事のマッチガールと申します。
(名刺を見せる)
実は今、ケーキをお買い求めのお客様に、特別な思い出づくりをご提案しております。
👨…はぁ?思い出作り?ですか。
👧はい、そうです!失礼ですが、もしかしたら誕生日かお祝い毎でケーキを買われましたか?
👨はい、まあ誕生日ですけど…。
👧ちなみにどなた様かのお誕生日ですか?
👨あー、娘ですけど
👧わぁ!それはおめでとうございます!
娘さんはおいくつですか??
👨3歳になりました。
👧3歳ですか!それは”可愛いざかり”ですね!(最高の笑顔で)
是非、3歳のお誕生日を一生モノの思い出にするお手伝いしたいのですが、1分、私の話を聞いてください!
👨1分?!あぁでも忙しいしなぁ。
👧そうですよね、お子さまも待っていると思うので1分で済ませます。
話を聴いている途中で、興味がなければ どうぞお帰りください。
👨はあ・・・
👧私がご提案したいのが、「誕生日ケーキのロウソクをマッチでつけませんか」というものです。(いっぱいしゃべりたいのをグッと我慢)
👨ん?マッチ?ライターではなくて?
👧はい、あえて「手間ひまかけてお子様と一緒に火をともし、蝋燭(ろうそく)の火を消す」という特別な演出をしてみるのはいかがでしょうか。ライターで火をつけるのは簡単ですが、記憶には残りにくいのかなと思いまして。
👨まあ、確かにそうかもしれない。
👧はい。2度とこない3歳という誕生日を、ぜひこちらのマッチでかけがえのない思い出に変えてください。おひとついかがでしょうか…?
このようなご提案をするのはいかがでしょうか?
基本的に、お客様と接触する際にポイントとしたいことは、
これらを意識してみると、先ほどのようなアプローチが実施できます。
さて、マッチ売りの少女がセールストークを学んだことによって、お客様が真剣に購買検討のフェーズに進みました。
その結果、先述した下記の「営業活動での間違っていることリスト」を解消できたようです。
しかし、これだけで売れるか?と言えばそうではありません。
相手は百戦錬磨のビジネスパーソンです。
魅力的な訴求や提案をしたくらいじゃ、そう簡単には購入に至りません。
恐らく、それ相応の「断り理由」を述べてくるはずです。
さぁ、ここからは反論対策(オブジェクションハンドリング)の出番です。
反論対策は、FAQ(良くある質問)と共に事前にどれだけ想定問答を予想して準備できるかがカギとなります。
どのように【その2】(反論対策と追加質問)
反論対策は本来、反論が出ないように商談を進めるのがベストです。
反論を対策する時点で、ある種のお客様のお言葉を是正・くつがえす構図になります。反論されてうれしい人はあまりいません。
従いまして「反論が生まれず進むのが理想」なのです。
しかしながら私たち営業は、「買おうと思っていたお客様」と商談できることばかりではありません。
バブリーなマッチ売りの少女へトランスフォーメーションしたいのであれば、買おうと思っていないお客様への態度変容が必要です。
そのために、お客様の購買における、不安や不満に対する想定問答や反論対策を用意しておく必要があるのです。
ただし、反論対策が=お客様を否定することになってはいけません。
次の例は、よくない反論対策のケースです。
👧いかがでしょうか・・・
👨うーーん、でもねぇ、マッチを買っても使い切らないしなぁ
👧それは全然違います。なぜなら・・・
いかがでしょうか?間違ってはいないのです。
間違っていないのですが、営業に否定されて気持ちのいいお客様はいませんよね。ここで大切なことは、対話を通して別の気づきを導き出すです。
さあ、やってみましょう。
👧いかがでしょうか・・・
👨うーーん、でもねぇ、マッチを買っても使い切らないしなぁ
👧そうですよね、確かに3歳のお誕生日でマッチを使い切る分のロウソクには火をつけませんよね。
👨そうなんだよ・・!
👧ところでお客様は、普段はおタバコを吸われたり、ライターなどを日常的に使ったりはするのでしょうか?
👨いやぁ、僕はたばこはさっぱり吸わないですね。ライターも日ごろから使うことはないんですよ。
👧そうでしたか!しかし、そうであればマッチであってもライターであっても使いきれないのは変わらないかもしれませんね。
👨んん、まぁ確かに…。
👧お誕生日後の利用予定がないという条件が一緒であれば、お子様と一緒に火をつける思い出作りのために、マッチをお選びいただくのはいかがでしょうか?
👨なるほどねぇ。マッチかぁ。
👧ハイ。きっとお子さまも喜んでいただけると思います。素敵なお誕生日をお過ごしいただきたいです。ぜひいかがでしょうか?
👨では、ひと箱いただけますか??
おっ・・・・
これは・・・
Congratulations!
やりました!!やりましたよ!!!
マッチ・セリング・ガールよ、本当に本当に・・・おめでとうございます!!!
マッチ売りの少女によるカスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)
無事初受注を獲得したマッチ・セリング・ガール。
しかし、仮にこの日売れたとしても翌日売れなければ元も子もありません。
そして悲しいかな、営業という仕事は売れれば売れるほど、期待とセットで目標金額も上がっていきます。
高まる受注目標を達成しなければ、ク○親父殿に何をされるかわかりません。そこで営業コンサルタントの今井は、マッチ・セリング・ガールに対して「顧客管理」と「営業管理」について教えることにしました。
CRMとは顧客関係管理のことですが、便宜上、顧客関係の管理を記録するシステムをCRMと呼びます。営業活動で継続的に受注を得るためには「見込み顧客」を管理し、適切にフォローすることはとても重要です。
なぜなら、縁もゆかりもない新規のお客様に話を聞いてもらうより、関係性が出来ている既存のお客様とのコミュニケーションのほうが商談が円滑に進みやすいからです。
何よりも、「マッチを買うシチュエーション」を把握できているというアドバンテージがあります。顧客情報を把握し、適切に管理できれば、お子様が翌年の誕生日の1ヶ月前あたりに、お手紙や電話、メールなどで「今年もマッチとロウソクで思い出づくりをしませんか?」とアプローチすることが可能です。
また、SFAという営業支援システムを活用し、マッチを提案したが「今すぐ買ってくれなかったお客様」を案件として管理することで、見込み顧客を把握できたり、適切に定期アプローチを実行することが可能になります。
また、こうした商談や案件の情報が増えていき、受注や失注という結果が溜まっていけば、営業活動の分析や営業改善が図れるようになっていきます。
このようにファクトデータを元にした営業活動に是正していくことで、数字にマッチョな、データドリブン・マッチ・セリング・ガールが誕生していくのです。
販売チャネルは、直販だけではない
マッチ売りの少女が継続的に成果を出し続けるなら、必ずしも販売チャネルを「直販」に限定する必要はありません。
ある一定の実績をひっさげ、
・代理店やパートナーに代わりに売ってもらったり (代理店渉外)
・顧客を紹介してもらったり (紹介取次契約)
・取り扱い店舗を開拓しマッチを卸す(卸先・流通先開拓)
といった方法も考えられます
ただし、自分が売れないから売るのが得意な人にあやかりたい。という駄々っ子思想でコトが進むほど、世の中スウィートロマンスはありません。
「なんでチミらが売れない商品をワシらが売らなきゃアカンのや」
という気持ちになるに違いありません。え?なりますよね普通に。
ともかく、「手間ひまかけた思い出づくりのために、誕生日ケーキにマッチで火をつけたい人がいる」という実績がある程度できたら、
・ケーキ屋さんにマッチを置いて販売して貰う
・ケーキ屋さんに出入りする問屋の取扱い商品に加えてもらう
などのパートナー開拓やパートナー連携を図ることを検討してもよいかもしれません。
さらに言えば、ケーキは必ずしも家で食べるものとは限らないですよね?
そこで小さなお子様の、思い出づくりや誕生祝いとして訪れる場所を想像してみましょう。
例えばテーマパーク。
テーマパーク内のレストランで、子供の誕生日を祝い、ケーキに火を灯して記念写真を撮影する…というシーンはイメージが湧きます。
例えばこのシーン。
テーマパークのオリジナルキャラクターやロゴをあしらった、オリジナルマッチをOEM(※)として受注し、オリジナルマッチを製造するという方法はいかがでしょうか?
また、今の時代、多くの人がスマホを持っています。
誕生日のお祝いとして、オリジナルマッチで家族みんなでマッチに火をつけて、バースデーソングを歌う。そしてロウソクの火を精一杯消す姿。
こうした一連の流れを、スタッフがお客様のスマホで動画撮影するのはいかがでしょうか。
きっと素晴らしい演出になることでしょう。
テーマパークとしては、他では味わえない特別感の提供やホスピタリティの提供が可能になり、リピーターやファン獲得に繋がります。
このような一連のストーリーとベネフィットをテーマパークに感じ取っていただけたなら、オリジナルマッチの製造を大量ロットで発注貰えるかもしれません。
※OEM
メーカーが他企業の依頼を受けて製品を代わりに製造すること。今回でいえば、テーマパークのキャラクターが描かれたオリジナルマッチを、マッチガールの会社で代わりに製造する
ということで…。
直接売ることにこだわりすぎているというテーマも。。。
目標をしっかりにぎる
さて、かなり重要なテーマである目標のコミットメント、および双方の「握り」について解説します。
本来はこのテーマこそ最初にやるべきことかもしれません。
現段階でひじょーーーに危ういのは、マッチ売りの少女が、自分の父親はマッチを何箱売ったら満足して貰えるのかわかっていない、ということです。
また、約束している目標数値がないため、マッチ売りの少女が売れるとわかった途端に、
なんて、要望を強くしたり無理難題を要求してくるかもしれません。
そうなるとマッチ売りの少女がバブリーになる道のりは途絶えます。従いまして、目標は上司としっかり握るのはとても大切なことです。
なお、目標および重要指標の設定は、営業活動改善のためのセルフマネジメントとしても役立ちます。
・目標売上
・必要商談数
・アタック件数
これらの数字の目安ができれば、自分のセルフコントロールが効きやすくなりますし、何を改善すべきか「あたり」がつけやすくなります。
受注までのプロセスを構成する要素を画像で貼り付けておくので参考にしてください。
なお、営業パーソンにとって目標達成は「使命・役割」です。
会社経営、会社存続において目標達成は最重要事項のひとつであり、目標達成を実現するために、様々な戦略・戦術・体制作りが練られて行きます。会社の目標は組織毎にブレイクダウンされていき、最終的にはチーム、個人の目標へと細分化されていく訳です。
言い方を変えれば、個人の目標達成が実現できていない組織の目標達成は、誰かの業績に頼りすぎているので健全とは言えません。
最近の営業組織でよく耳にする「チームで勝つ!」の意味は、本来、それぞれの個人の目標や役割を全うすることで、結果としてチームが勝つ、ということが求められます。
営業個人の目標やノルマがなくなったり、自分に任せられる責任が緩むだけでは傷の舐め合い組織になり、逆に成果を引っ張っていってる人は納得が行きません。
マッチ売りの少女2.0へ
さあ、ここで最後の「間違った活動」を是正していこう。
3k営業とは、勘・経験・根性と呼ばれる、泥臭いステレオタイプの営業です。営業が嫌われる要因の1つにもなっていますよね。
とはいえ、「勘・経験・根性」がすべて悪かというと、そんなことないと私は思います。
むしろ、大AI時代に突入すればするほど、人の感性やその人ならではの経験・情報があるからこそ、人が営業する意味が出てくると思いますし、新しいテクノロジーに対応するのにも「根性」は絶対必要です。
無計画の3k営業が悪いだけなのです。
さて、話を戻しますが今の時代であれば、マッチ売りの少女が生成AIを使いこなすことができれば、さらに知的でスマートな営業活動を推進できる可能性があります。
例えば、マッチ売りの少女が営業戦略を考えたり、販路を策定する上で、生成AIに相談することで様々なアイディアも生まれてきそうです。
<生成AIに営業戦略・戦術のアイディアを考えさせる>
なるほど。
一回でこのアウトプットが出ますか。
もう少しやりとりしたら、さらに精度は高まりそうですね。
これだと見にくいので少し整理してもらいました。
次はAIに営業トレーニング相手になっていただきましょうか。
<生成AIで営業ロープレをする>
次は生成AIにマッチ売りの少女のトレーニング相手になって貰うことにしました。
さてさて・・・途中ではございますが。
いかがでしょうか、生成AIの破壊力。ハンパないですよね。
こんなに便利なのに使わないなんてもったいない。
セキュリティの問題や使い方の問題など色々ありますが、コンプライアンスや節度を保って運用する方法もあります。
このような営業のための、生成AI活用方法を、恐らく日本で1番わかりやすく書いた私の本(今井調べ、保証なし)が4/25に発売となります。
繰り返しになりますが予約はすでにスタートしてます。
がっかりさせません、AIを使ってる人も使ってない人も是非、お勉強や情報収集に使ってください。遅かれ早かれ、いずれは皆さん使うことになると思います。
さあ、話を戻しましょう。これでマッチ売りの少女の営業活動において、全ての問題点をクリアしました。
長い道のりでした。
がここまで乗り越えたマッチ売りの少女は、
・目標も達成でき
・お客様にも喜んでもらい
・報酬も増え
営業という仕事がなんだか楽しくなってきた様子です。
そうなんです、営業を毛嫌いする人は多いですが、
正しい営業活動を覚え、成果が出るようになれば非常にやりがいのある仕事なのです。
さて・・・皆さん。
今回の営業コンサルタントの今井は、マッチ売りの少女に正しい戦略と理論に基づいた営業手法や技術を伝えることで、死ななくても済む状態をつくるためにサポートしてきました。
さらにいえば、この営業メソッドを授けることでメキメキ腕をあげたマッチ売りの少女を「バブリーにする」という野望も持っていたはずです。
果たして、マッチ・セリング・ガールはどうなったのか…?
5年後の彼女の様子を見てみましょう!!
はたして…
彼女は…
報われたのか…
その結末はいかに…
・
・
・
まとめとメッセージ
気が付けば16,000文字をこえる超大作となりました。
楽しく・学びになりましたか?
こうした「 誰もが知る物語 × 営業解説 」はとても相性がいいなと思ったので、書籍にでもしようかなと企んでおります。
皆さまの「シェア」と「スキ」の数が証明となります。
見るだけで見て、何もせず去っていくなんて、悲しい コンテンツ通り魔 のようなことはしないでね。😢 泣いちゃう。どうか愛をください。
さて、今回のnoteで1番伝えたかったのは、
という売れない理由を正当化して、出来ない自分を納得させるのは違うぞ?ということです。
勿論、お客様に選ばれるプロダクトやサービスを磨くのが商売のメインストリートではあるのですが、ちょっと⚠️STOP⚠️
本当に提供価値を考え抜きましたか?
お客様の買う「意味」を提案しましたか?
自分の胸に手をあててみてください。
ということで
マッチ売りの少女を営業コンサルしてみた
はこれでおしまい。
そりゃね、もっと深く、鋭く書いてよって言われたらやれますよ?
でもね。
それでは僕らの営業コンサルティングの本業の邪魔をしちゃうので、これくらいで許してくださいよ。
最後にお願いがあるよ。
このnoteを見て役に立ったよと思ったら、次の3つのことに協力いただけませんか?
これは、寝る間を惜しんでこのnoteを書いた、(まあ勝手に書いたんですけど)私からの個人的なお願いです。
①「スキ」ボタン押してください。
あなたにとってデメリットは1つもない筈です。
②このnoteをSNSでシェアいただきたいです。
私のSNS投稿をリポスト・シェアでもいいし、このnoteを直接SNSにアップいただいても構いません
③新作、買ってください。
営業が、カッコよくて市場価値の高い仕事になったらいいなと心から思っています。そのために、営業という職業・技術・活動を研究して、バージョンアップの術を考え抜く日々を送ってます。
この「 The Intelligent Sales AIを活用した最速・最良でクリエイティブな営業プロセス」は、生成AIを活用した次世代型の、かしこく・スマートな営業のヒントと方法が網羅された攻略本になるはずです。
ぜひ、よろしくお願いします!
エピローグ
著者
㈱セレブリックス セールスカンパニー 今井晶也
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