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【読んだ】犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉

おすすめ度 ★★★☆☆

良い意味で、タイトルほどインパクトがない本。

この一言が危険!絶対ダメ!みたいな煽りではなく、親子の信頼関係を構築することの大事さを切々と説いている。
言葉が先行するんじゃなくて、もっと根本的な話だった。

たとえば、「みんな仲良く」という言葉。
押し付けると周りの顔色を伺いすぎる子になってしまうけど、言葉自体が悪ではない。
仲良くできない子がいたらどうするとか、自己主張もできるようにとか、うまいことフォローしていくことが大事だ。
そんな時、どう考えてどんな声掛けをすればいいのかが書いてある。
説得力がある。

犯罪心理学の用語もでてくるのだが、特に興味深かったものを残しておく↓


内観療法

非行少年の更生プログラムで、よく行われる心理療法。
「内観」とは自分についてよく考えること。ありのままの感情や思考を見つめるものだそうだ。
やりかたはこう。

まず、テーマを決める(例、お母さん)。
次に、お母さんに「してもらったこと」「してあげたこと」「迷惑をかけたこと」の3つについて考える。
これを暗い部屋で、壁に向かって行う。

書き出したり、人に話す必要もなく、ひたすら自分の中に沸き起こる思考や感情を見つめるだけでよいのだそう。

もちろんまわりからは、どんな気付きや感情の変化があったのかはわかりません。ただ、内観後に感想を聞いてみると、「自分に対する認識が深まった」「こんなに人に支えられてきたんだということを感じた」といいます。

これはやってみたいと思った。
自分でも気づかない感情の整理によさそう。

ロールレタリング

共感性が低く、自己中心的な子は「反省」は上手いが「内省」を深めるのが苦手だという。
「反省」は、ネガティブな行いを振り返り改めようとする行動だが、「内省」は自分を客観的に分析することで、気づきを得ることが目的だ。

「ロールレタリング」は内省を促す手法で、「役割を演じながら手紙を書く」というもの。
例えば、母と自分の手紙のやり取りを、一人でやる。誰かに見せたり、発表したりすることはない。

本には、実際のロールレタリング事例が載っているのだが、本当に一人で書いているのかというほどリアルな手紙だった。
手紙のやり取りを何度も(一人で)繰り返すことで、自分のことも相手のことも客観視できるようになるという。

実際の子育てでも、「〇〇しちゃ駄目」とルールを教えるだけじゃなくて、「〇〇したら相手がどういう気持になる?」と子どもに考えさせることが大事なんだと思う。

子育てに成功法則はない

最終章で、著者は「結局のところ、私は子育てにおいて『これをやれば必ず上手くいく』という成功法則のようなものはないと思っています」と言っている。全力で同意する。

非行少年の事例がベースなので、家庭の問題もわかりやすい。こらあかんやろ、そらグレるわ、みたいなの。

だけど、実際子育てしてると、余裕がなくてやらかしてしまう。
子供の態度にイライラしてぶつかることも多い。
たとえば小2の娘は結構自己中心的で、めちゃイラッとする。
「ほんっっとにワガママやなアンタは!」
といいながら、あーこういう否定的な決めつけはしちゃいけないんだよな、わかってる、けど言ってしまった…と落ち込む。

どうすれば上手くいくのか、正解を求めちゃう気持ちは常にある。
だけど同時に、正解があるほど簡単な話じゃないわ、とも思う。
たとえ正解があったとしても、常に正しい行動がとれるわけではない、とも思う。

最初から完璧な親なんていないのですから、失敗しながらより良い親になっていくしかありません。子供の成長とともに、親も成長するものです。(中略)
うまくいかないことがあっても、愛情を持って真剣に向き合っていればなんとかなります。
修正を恐れずにいきましょう。
これが、本書で一番お伝えしたかったことです。

ありがとう、そうだよね。
たまにこういう本読みながら、振り返って修正していこ。

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