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【読んだ】きみが世界を変えるなら

おすすめ度 ★★☆☆☆

図書館の児童書コーナーで、ちょいキモな表紙が気になったので借りた。
小6息子向け。最初は興味なさげだったが、読み始めたら割と集中して読んでいる。

本の副題は「言葉を武器に変えて」。
自分の気持ちを言葉にすることで、親や先生、ひいては社会を変えることができると言った内容だ。

いじめに黙って耐えたけどどうしようもなくなり不登校になった少年や、
プログラマーを夢見ていたのに、遊んでないで勉強しろ!と親にパソコンを取り上げられた少年など、小6息子にもイメージしやすいストーリーがたくさん載っている。
「お母さんはわかってくれない」「先生に行っても無駄だ」など思春期っぽい悩みも多く、共感しながら読んだんじゃなかろうか。

また、息子は自分の気持ちを言葉にするのが得意じゃない(あまり必要を感じてない)ので、「言葉は武器になる」ってのがちょっと響いてくれたら嬉しい。
別に武器にして戦わなくてもいいけど、処世術として言葉をうまく使えるといい。


イマイチだなと思ったところは2つ。
1つは、ストーリーがあまりリアルじゃなくて「そこまでひどい親おる?」ってパターンが多いこと。

優秀な姉と何かに付けて比較して「お姉ちゃんみたいに頑張りなさい!」と無理やり進学校を受験させた母親の話など、いや、まあいるかもしれんけど、あんまいないよねと思ってしまう。
平成初期のマンガっぽい。
言葉にしてわかってもらおう、という話が続くのだが、そのお母さんだと、どんだけ言葉を尽くしてもわかってくれないと思いますよ…。

2つめは後半、話は沖縄の基地問題やヘイトスピーチなど政治的な話にも広がるのだけど、これがなかなかに偏っていること。
別に悪いことが書いてあるわけじゃないけど、一方的というか視野の狭さを感じる。2016年と少し古い本だし、作者のイデオロギーを否定支度はないんだけど。

子ども向けだから、わかりやすいほうがいいのはわかるんだけどね。
そんな単純な話じゃないよってのは、伝えたいなぁ。


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