〇〇さんに訊いてみた!♯02|現場関係者の礎となる監理者のコミュニケーションスキル
新出 真也、小大塚 陽平、尾崎 綾(元職員)
日建設計 設計監理部門 監理グループ
── 猪俣さんはリーダーシップが強いイメージがありますが、今の猪俣さんを形成したエピソードはありますか?
一番影響を受けた先輩がいました。
その方からは「筋を通すこと」と「他人事にしない」ということを教えてもらいました。
自分が正しいと思ったことは、それが発注者であれ施工者であれ、社内の人間であれ意見を交わすようにしています。
皆、良い建物をつくりたい!という目標は同じですからね。
あとは「俺の現場だ!」という使命感と責任感をもって挑むことを叩き込まれました。
── 設計時や現場着工時でのリスク察知・回避能力を身につけるコツはありますか?
そこはやはり経験が必要ですね。
基本設計時など早い段階でリスクを見つけること。設計図に潜むリスクを事前に把握することは常に心掛けています。
現場に行くときは毎回最初に現場の敷地外を一周して周辺を見ます。
そのあと事務所に行き、建築・電気・機械の設計図に目を通してリスクとなりそうなところをメモするようにしています。
── 猪俣さんが考える「設計事務所の監理」とは?
発注者の意向を受けた設計者の気持ち・考えを理解して、品質や施工も管理できることですね。
それと設計図を読み解く能力、設計図の内容が合理的かどうかなどを判断する「監理エンジニアリング力」を発揮できるのは設計事務所の強みだと思います。
~俺の監理~
── 猪俣さんにとってプロジェクトの「成功」とはなんですか?
建物を中心とした良好な人間関係の構築ができたかどうかです。
苦楽を共にしたという共有感が大切で、特に竣工1年目検査の時に苦労話や思い出話ができる関係でいるか。
あとは発注者から「にっけん!」と呼び捨てではなく、「日建さん」と
呼ばれる関係性をつくることですね。
そのためにも監理者が現場関係者の中心となって関係者を動かすこと、監理者がなんでも前面にたって直接受け答えできるような姿勢で会議などに臨むことが非常に重要だと思います。
── 日々の業務で「これだけは見逃さない」と注意していることはありますか?
社内外を含めて、それぞれが自らの立場で、自らの責任で業務を全うしているか。
各担当が今何をやるべきかを理解しているかは注意して見るようにしています。
── 関係者との良好な関係を構築するために「意識していること」や「信頼を得るための手法」を教えてください
嘘をつかない、ごまかさない、自分の間違いは潔く謝る。
現場においては一担当であっても、会社の代表として業務を行っていることを意識して、中立的な言動、先に述べた「筋を通す」ことで関係者の信頼を得ることができます。
猪俣 忠久
日建設計 設計監理部門 監理グループ ダイレクター
リゾートトラスト芦屋浜、関西外大新キャンパス、広島銀行本店、広島県庁
新出 真也
日建設計 設計監理部門 監理グループ
うめきた2期地区開発事業新築工事のうち南街区賃貸棟工事、ホテルニューオータニ大阪ビル外壁改修工事(低層棟南東団体玄関・屋外プール廻り)
小大塚 陽平
日建設計 設計監理部門 監理グループ
梅田3丁目計画(仮称)建設工事、淀屋橋ダイビルリニューアル工事
尾崎 綾(元職員)
日建設計 設計監理部門 監理グループ
サンクチュアリコート高山新築工事
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