コマツ_

「コマツ」のビジネスモデルはなぜすばらしいのか?③

前回からの続きです。

簡単に前回の内容を振り返ると、

✔  遠隔でユーザーが使う建設機械をコントロールすることで、貸し倒れリスクの低下に繋がっている

✔  石炭に依存している事業構造には注意が必要。世界でESGの観点から企業が評価されるようになってきているいることが普及してきていること

✔コマツに対する提案は「油圧ショベル事業の強化」「情報化施工の強化」

今回は提案の詳細について見ていきます。 

提案1:油圧ショベル事業の強化

油圧ショベルとは主に掘削や、積込といった土木作業用途に使用されます。例えば、水道管の工事をするときの地面を掘り起こす作業には特に小型~中型の油圧ショベルが使われます。

日本のインフラの大きな問題の一つに水道管の老朽化があります。2014年度時点でなんと総延長の12.1%が法定耐用年数の40年を超えています。水道管の更新は必要不可欠です。

また、この水道管の問題は日本だけではありません。同じ先進国のアメリカでも日本と似たような状況が見られます。アメリカの地中には、約100万マイル(約160万km)の水道管が埋まっており、そのほぼ全てが30年後には寿命を終え、2050年までに合計110兆円もの巨額な設備投資が必要と言われています。

当然、これらの先進国だけでなく新興国や発展途上国でも水道管のようなインフラ整備の需要はこれから大きくなっていくと予測されます。さらに、水に関する事業は石炭の事業とは異なり、ESGの観点からもポジティブな評価を受けます。

以上の理由から、技術や機能面での深い提案まではできませんが、今後は特に小型~中型の油圧ショベルを強化していくべきだと考えました。

提案2:情報化施工の強化

情報化施工の強化とは情報の通信技術を使って、建設現場でのIoT化を進めて行くことです。実際コマツはKOMTRAXを活用したり、ドローンによる3次元測量などに取り組んでいます。

コマツが描く「未来の建設現場」、ドローン測量や建機の遠隔操縦で「現場」はどう変わる?
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/interview/1142377.html

上の記事でも述べられていますが、日本の建設業界は少子高齢化や3K(きつい・きたない・危険)に代表されるように若者からのイメージがあまり良くないこともあり、近年労働力不足やオペレーターの高齢化の問題が指摘されています。

このような状況からも現場での情報化施工には大きな期待がされています。
個人的には上の取り組みに加えて、どれだけ使いやすい機械やサービスを提供できるかがポイントだと考えています。いわゆるUX(ユーザーエクスペリエンス)の強化です。なぜなら、経験が少ない方から熟練の技術者まで幅広い方がスマホやPCを使って建設機械やドローンを操作することになるとしたら、どのような人でも簡単に操作できる使いやすさが今後さらに求められていくからです。

また、IoTを活用した新しいサービスなどを導入するかどうかの最終的な決定権を持つ方はおそらく高齢の技術者になってくるのではないでしょうか。そのような方たちが使いやすいと感じて頂くことができたら、新しい建設機械やサービスの導入がスムーズになると考えられます。



以上がコマツに対する今回の提案となります。就活の準備としてどのようなことを僕がしていたのかをざっくりとは分かっていただけたのではないかと思います。3回に渡るnoteで新しい視点が得られたという方も、こんなの当たり前たという方もいらっしゃると思います。
繰り返しになりますが、大切なのは自分なりに分析し、自分なりの考えをもつことです。志望度が高い企業の面接にぜひ通りたいけど、具体的に準備をどうしたらいいか分からないという方がいれば、ひとつ参考にしていただけたらと思います。

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