見出し画像

新人に仕事を教えるのが難しい理由とその解決法

入社後、3年目までの方々は、仕事の仕方もよくわからないまま、とりあえず目の前の作業をこなしているという方も多いでしょう。

特に新社会人は、業務の流れや会社の文化に慣れるのに時間がかかり、日々の業務をこなすだけで精一杯なことが多いです。

私も、新人として過ごす期間の中での1番の悩みは、教えてたもらってないことをいきなりやらなければならなない状況に追い込まれることでした。

「とりあえずやってみて」と言われてやってみたり、また教えてくれるような上司がいないままでやらないといけない、という立場になってしまったりと、さまざまなことがありました。

文章にしてみるひどい扱いのように感じなくもないですが、社会人になると、こんな状況は日常茶飯事だと思います。

新人からすると「ちゃんと教えてよ!」と感じますし、「教えずに対応させるなら何かあっても責任取ってよね」と思ってしまいますよね。

しかし、これが必ずしも会社や教育係の怠惰によるものではないのです。

実際、多くの企業では残業などの労働時間について厳しい規制が敷かれています。加えて、財務状況が芳しくない企業も少なくありません。

その結果、教育係は自分のタスクをこなしながら新人の指導も行うという多忙な状況に置かれています。

これにより、新人教育に十分な時間を割くことが難しくなり、業務の一つ一つをマニュアル化する余裕もないため、業務が属人化しがちです。

ここでは、20代の働き方や新人教育の現状、そしてその課題と解決策について掘り下げてみたいと思います。


1. 新人教育の課題

20代の多くは、初めての就職で社会人としてのスタートを切ります。
この段階では、仕事の基礎を学ぶことが最も重要です。

しかし、現実には次のような問題が多く見受けられます。

業務の多忙さと教育の限界

多くの企業では、人手不足や業務の多忙さから新人教育に十分な時間を割くことが難しい状況です。

教育係も自分の業務に追われ、新人の指導に十分な時間を取れないことが多いのです。
そのため、新人は業務の流れを理解する前に、とりあえず目の前の作業をこなすことに追われがちです。

おそらく、この問題が一番多いのではないでしょうか。
会社にとっては人件費がコストの大部分を占めており、教育係の専任者を置く余裕はありません。
そして、新人が入ってきたらその分の仕事は増え、「これまでの仕事+教育」という構図になってしまいます。

属人化の問題

業務が属人化している企業では、一つ一つの作業がマニュアル化されておらず、口伝で伝えられることが多いです。

これは、単純にマニュアルを作る時間がないことが原因です。
時間がないという点では、先ほどの教育の問題と同じです。
現状、マニュアルは一つ一つ手作業で作らなければならず、大変な作業です。

しかも、作業の標準化が進んでいないことが多いです。
単純な作業でも、担当者によって効率の良いやり方が生み出され流ことがありますし、成果を出すとなると担当者の試行錯誤によりより良い方法がどんどん出てきます。
その結果、大抵の作業は、担当者の経験や感覚に頼る部分が大きくなってしまいます。

マニュアルがないことで、新人はその場で教えられたことをそのまま実行するしかなく、深い理解が得られないまま業務を続けることになります。

業務が標準化されていない企業では、新人が独自の方法で作業を進めることになりがちです。
これにより、業務の品質や効率がばらつき、全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。

また、運よく仕事を教えてもらえることになっても、一気に研修などの形式で時間をとってもらえることは少なく、いろいろな人から少しずつ教えてもらうことも多いです。
すると、新人は教える人によって異なる方法や手順を学ぶことが多く、混乱することが少なくありません。

このような環境では、効率的な業務遂行が難しくなります。

フィードバックの不足

多忙な教育係は、新人に対して適切なフィードバックを提供する時間が取れないことが多いです。
フィードバックが不足すると、新人は自分の作業が正しいのかどうか分からず、自己改善の機会を失ってしまいます。

2. 解決策と今後の展望

上記の課題を解決するためには、いくつかのアプローチが考えられます。

業務のマニュアル化と標準化

まず、業務のマニュアル化と標準化を進めることが重要です。
マニュアルが整備されていれば、新人は作業の手順や注意点を明確に理解することができ、教育の一貫性が保たれます。

これにより、属人化の問題も解消され、誰でも同じ品質の業務を遂行できるようになります。

デジタルツールを活用することで、教育や業務の効率化を図ることができます。
例えば、オンラインマニュアルや動画教材を作成し、いつでもどこでもアクセスできる環境を整えることが考えられます。

もしかすると、生成AIなどの進化により、マニュアルも自動で作ってもらえる未来がすぐに来るかもしれません。

教育体制の整備

次に、教育体制の整備が必要です。例えば、教育担当者を専任で配置し、教育に専念できる環境を整えることが考えられます。

また、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だけでなく、OFF-JT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)も取り入れ、体系的な教育プログラムを実施することも有効です。

フィードバックの強化

フィードバックの強化も重要なポイントです。

新人が自分の業務の進捗や改善点を把握できるように、定期的な評価やアドバイスを提供する仕組みを整えることが求められます。
これにより、新人は自分の成長を実感し、モチベーションを維持しやすくなります。

社内コミュニケーションを強化することで、新人が安心して働ける環境を作ることが重要です。

定期的なミーティングやワークショップを開催し、社員同士の交流を促進することで、情報共有やチームワークの向上が期待できます。

3. 自己成長のための取り組み

新人自身も、自己成長のために積極的に取り組むことが重要です。

自己学習の習慣化

業務の合間に自己学習を習慣化することで、知識やスキルを向上させることができます。

例えば、業務に関連する書籍を読む、オンラインコースを受講するなど、自分でできる学習方法を取り入れることが大切です。

先輩や同僚とのコミュニケーション

先輩や同僚とのコミュニケーションを積極的に図り、業務に関する疑問や不安を解消することも重要です。

職場の人間関係を良好に保つことで、協力し合いながら業務を進めることができ、効率的な働き方が実現します。

フィードバックの受け入れと活用

フィードバックを素直に受け入れ、自分の業務改善に活かすことが求められます。

フィードバックは自己成長のための貴重な情報ですので、積極的に取り入れて自己改善に努めましょう。

特に新人のうちは、フィードバックを得られる機会がとても多いです。
年数や職位が上がってくるにつれて、周りの人からフィードバックをもらえる機会はどんどん減っていきます。

自分にフィードバックできる人も減っていきますし、さらに、残酷かもしれませんが、なかなか治らないことがある場合には、「フィードバックしても無駄かな」と思われてしまうかもしれません。

フィードバックをもらえるうちに、たくさん吸収しておくことが大事です。

仕事は、経験が重要になることも多いです。
そのため、新人のうちは先輩よりも仕事ができなことは当たり前なので、言われたことで自分を責めすぎず、適度にアドバイスを受け入れていくことができれば、どんどん成長していけます。

いかがだったでしょうか?

20代のうちは、仕事の仕方もよくわからないまま、とりあえず目の前の作業をこなすことが多いかもしれません。

しかし、それは企業や教育係の怠惰によるものではなく、現代の労働環境や教育体制に起因する問題が多く含まれています。

新人教育の課題を解決し、効率的な業務遂行を実現するためには、企業と社員が一丸となって取り組むことが必要です。

自己成長のための努力と、企業のサポートが合わさることで、より良い職場環境が築かれることでしょう。

今回の記事が、皆さんのお役に立てると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?