インテリアデザイン手法『抽象化』
コンセプション(conception)は
キーワードを導き出し
そこから空間構成に落とし込んでいくような手法です。
関わる人がチームやクライアントのような複数いる場合や
意見が割れた場合や
アイデアに行き詰まったりする場合に用いられる手法です。
質量がある材料の掛け合わせが空間なので
どうしても最終的には具体的な物質に落とし込まないといけません。
「コンセプション」のポイントは抽象化とキーワード化です。
家づくりを例にして考えていきます。
○抽象化
施主のリクエストで「白い壁」「グレーの床」「木の天井」
のような具体的なキーワードが出てきた時
白い壁→ベーシック・清潔感
グレーの床→大人っぽさ・緊張感
木の天井→リラックス・安心感
のように名詞から形容詞に変換するプロセスが「抽象化」です。
○テーマ設定
導き出した形容詞から再度固有名詞に戻すプロセスです。
実際に空間のある固有名詞だと尚更良いです。
上記の形容詞たちを固有名詞に落とし込むと
例えばガーデンテラスの日比谷松本楼あたりが出てきます。
○固有名詞が出てこない場合
この場合はそれぞれの形容詞たちを1つずつ固有名詞に落とし込んでいきます。
ベーシック・清潔感→UNIQLO
大人っぽさ・緊張感→Cartier
リラックス・安心感→星野リゾート
あたりでしょうか。
施主の行動圏内での固有名詞選びができると尚良いです。
○さらに固有名詞が出てこない場合
抽象化で出てきた形容詞を似たニュアンスでグルーピングします。
①ベーシック・大人っぽさ
②清潔感・緊張感
③リラックス・安心感
その後にまた固有名詞を導き出します。
ベーシック・大人っぽい→DEAN&DELUCA
清潔感・緊張感→SHIRO
リラックス・安心感→星野リゾート
【まとめ】
出てきた固有名詞を元にイメージビジュアルを作成して
施主に提案していくことになります。
適切な抽象化とテーマ設定がポイントになりますが
意見が割れなかったり
アイデアが湧き出てくる場合は必要のない手法とも言えます。
非常に建設的なアプローチの仕方なので
エビデンスやロジックという「安心」を得るためにも使える手法です。
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