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「今年こそ小説を書くぞ!」と思っている人向けの話

崖っぷち作家のニジマルカです。

新年を迎え、「今年こそ小説を書くぞ!」と決意している人も多いと思います。

すぐに小説を書ける人もいるでしょうが、私が初めて小説を書いたときはかなり苦労しました。

そういうわけで、今回は、初めて小説を書く際の注意点をご紹介します。


注意するところ

最初に、初めて小説を書く人のゴールを示しておきます。

それは

  • 小説を完成させること

です。

それ以上のゴールはありません。

とにかく最初は完成させることだけを目標にしましょう。

「面白い作品にする」とか「すごい作品を書く」といったことは、少なくとも1作完成させてから考えることです。


さて、執筆行程を以下のように3つにわけます。

  1. 書き始め

  2. 書いている途中

  3. 完成間近

それぞれの行程で気をつけるべきポイントを見ていきましょう。


1.書き始め

「小説を書くぞ!」と決めても、なかなか書き始められない人がいます。

以下のような性質を持っている人は、書き始めるのが難しいはずです。

  • 自分の能力に自信がある人

  • 成功するのが当然と思っている人


こういう人は、こんな風に考えて動けなくなっています。

「どうせ書くなら、すごい作品じゃないと」
「受賞するような作品にならないなら、書く意味がない」


要するに、自分への期待が高すぎるのですね。

言ってみれば、自分で勝手にハードルを上げて、そのハードルの高さに途方に暮れているようなものです。


こういう人は、自分が

  • 失敗するのを怖がっているだけ

だと知っておきましょう。

たいそうなことを言っていますが、実は怖くてビビっているだけなのです。


そういった怖がりさんは、自分にこう言い聞かせてみるといいですね。

「うんこみたいな作品を書いてもいい」


どうせ最初に書く作品はうんこみたいなものです。

がんばっても、色の良いうんこになるくらいのものでしょう。

ですから、もっとハードルを下げてください。

挑戦するだけで素晴らしいことなのです。

心の中のハードルを下げることができれば、怖がりさんでもすぐに書き始めることができるでしょう。


2.書いている途中

書き始めの山を越え、順調に書き進めていくと、途中で悪魔のささやきが聞こえてきます。

「他の人はもう結果を出しているよ」
「あの人のツイートがバズったらしい」
「駄作を書いている暇なんてあるの?」


こういった心のざわつきは、SNSを見ていると頻繁に起こります。

SNSでは成功した結果だけが見えるので、次第に焦ってくるのですね。

「悠長に小説なんて書いていていいんだろうか?」
「もっと手っ取り早く結果を出せる方法があるんじゃないか?」
「あの人みたいに今すぐに有名なりたい!」


小説を書いて結果を出すには、長い時間がかかります。

ですがSNSを見ると、結果を出した人ばかりが目につくので、自分の努力に疑問を持ってしまうのです。


まずはSNSの性質、

  • 成功した人しか見えない

  • 失敗した人はツイートしない

  • 成功した人も実は陰で努力している(が努力は見えない)

ということをわかった方がいいですね。


そして、ごく単純に言えば、

  • SNSなどの情報をあまり見ない

ことです。

結果を出した人ばかり見てしまうと、地道な努力がバカらしくなります。

すると、毎日少しずつ小説を書くといった地味なことは続けられなくなるのです。


自分の心の状態を保つためにも、情報を制限しましょう。

自分を焦らせたり、努力の価値を下げるような情報をむやみに入れてはいけません。

今日数文字でも書かない限り、小説は永久に完成しません。

すると1年後もまた「今年こそ小説を書くぞ!」と言うことになるのです。


3.完成間近

完成が近くなると、次第にやる気がなくなってきます。

「この作品は失敗だ…」
「ぜんぜん面白くない」
「こんなもの書くんじゃなかった…」


これはおそらく創作している人には必ず起こる現象です。

どうして途中で「この作品は失敗だ」と思うのでしょうか?

それは

  • 完成させると評価されてしまうから

です。

要するに、結果が出るのが怖いのですね。


完成させると、何らかの結果が出てしまいます。

作品の出来は自分でもわかりますし、誰かに見せたり、新人賞に出せば、よりはっきりとわかってしまうでしょう。

それが怖いのです。

ですから「この作品はぜんぜん面白くない」と自分に言い訳して、完成させるのを阻止するのです。

書き終えなければ評価されないからですね。


この問題も、今までの問題と同じです。

まずは、結果が出るのを怖がっているのだと素直に認めましょう。

そう認めるだけで、書き終えることができるかもしれません。


あるいは、最初の作品は「書くという経験を積むこと」が結果だと考えてもいいですね。

作品の評価自体はあまり重要ではないのです。
(最初の作品はどうせひどい出来ですから)


1作書き終えると自信もつき、次はもっと良い作品が書けるでしょう。

書けば書くほど、確実に上手くなります。

逆に言えば、完成させないと上手くなりようがないのです。


すべては心の問題

ここまで見てきてわかるとおり、最初の小説の難所というのはすべて心の問題です。

技術的な問題ではありません。

まず心の問題が問われ、技術的な問題はそのずっと後で起こってくるものです。


ですから、初めての小説が技術的な問題で頓挫することはありません。

書き終えられないのは、すべて心の問題です。

ほとんどの場合は、自分が密かに抱えている恐怖にぶつかることになります。


おおげざに言えば、初めての小説執筆は、自分の恐怖と向き合う体験なのかもしれませんね。

自分が怖がっていることを認め、直視することができれば、きっと初作品を完成させることができるでしょう。


今回のまとめ

「今年こそ小説を書くぞ!と思っている人向けの話」でした。

  1. 執筆の難所がいくつかある

  2. 書き始められない → 「うんこみたいな作品を書く」

  3. 途中でくじける  → 「SNSなどを見ない」

  4. 完成させられない → 「書く経験を積むことが結果」

  5. 最初の小説の難所はすべて心(恐怖)の問題

このくらい知っておけば、来年も「今年こそは!」と言わなくて済むと思います。

それではまたべあー。


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