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自分の「好き」を集めて作品に活かす

ほとんどの人は自分が好きなものを書いていると思います。

ですが、もっと意識的に自分の「好き」を集めておくと、より効果的に作品に活かせるようになります。

今回は「自分の好きの使い方」です。


好きを活かすには

みなさんの中には、自分の好きな作品をリストにしている人も多いと思います。

そういった作品を参考にして、自分の作品を書くわけですね。


それも悪くないのですが、もっと具体的な「好き」を集めておくと、より即効性のある使い方が出来ます。

今回はそういった「好きを活用する方法」をご紹介しましょう。


使い方のイメージはこんな感じです。

  1. 好きを集める
    「このシーンのこのキャラの言動は、主人公への思いが溢れていて、読んでいてグッときた」

  2. 好きを考える
    「こういう展開で、こういう状況が起こると、読み手はグッとくるようだ」

  3. 好きを記録する
    「いつか使うときのために展開パターンを記録しておこう」

  4. 好きを活用する
    「このシーンであの展開パターンを使おう」


この3番までをやっておくと、「好き」を利用するのが簡単になります。

それぞれ見ていきましょう。


1.好きを集める

まずは自分の「好き」を集めます。

小説でもマンガでも映画でも何でもいいのですが、読んでいる最中や見ている最中に、「ここ良い!」「ここ好き!」と思ったら、記録する習慣をつけましょう。

映画だと難しいのですが、本の場合は付箋をつけておくといいです。


読んでいるときは中断したくないので、考えるのは後回しにして、とりあえず目印だけつけておきます。

映画の場合は「何分くらい」とメモを残す手もありますね。


「良い!」「好き!」と思うところは人それぞれですが、後で利用することを考えると、

  • このシーンいい!

  • このキャラいい!

  • この展開好き!

といった辺りが主なところかなと思います。


とにかく、何か作品を消費するときは、少しだけ意識して、心にグッときたところを記録しておくといいでしょう。


2.好きを考える

集めたら、次は考えます。

付箋を貼ったところを見直し、読者目線で何がグッときたのか考えましょう。


「なぜ?」
と理由を考えるのが重要です。

たとえばあるシーンを見て、「かっこいい!」と思ったとします。

その感情はなぜ出てきたのでしょう?

どうして「かっこいい!」と思ったのでしょうか?


考えるコツとしては、「読者はあるストーリーの流れにおいて感情が沸くのであって、シーン単体で感情が動くのではない」と知っておくことです。

「かっこいいシーン」はそのシーンだけ取り出してもかっこよくありません。

その前に何らかの流れがあり、最後にそのシーンが出てきたとき「かっこいい!」となるのです。


たとえば不良マンガっぽい話で考えれば、こんな感じです。

  1. 誰かを守るために、弱虫の主人公が敵の前に立ち塞がる

  2. ぼこぼこにされても立ち上がる主人公

  3. 主人公の気迫にひるむ敵だったが、主人公はついにぼろぼろになって倒れていく
    (たぶんなにかかっこいいセリフを言います。「約束だから!」とか)

  4. そこへ主人公が所属するグループのリーダーが駆けつけ、主人公をねぎらう
    (たぶんかっこいいセリフを言います。「お前の意地見せてもらったぜ」とか)

  5. リーダーが敵を圧倒する(かっこいいシーン)


こういった事前の段取りがあることで、シーンはかっこよくなるわけですね。

ですから、記録すべきなのはシーンというより、この展開のパターンということになります。


3.好きを記録する

続いて、再利用するために記録します。

シーンやキャラ単体を記録してもいいのですが、できれば前後の展開まで記録した方がいいでしょう。

上でも書いたとおり、シーンやキャラ単体でグッとくるのではなく、ある流れのパターンにグッとくることが多いからです。


可能なら、グッとくるパターンを抽出できるとなおいいです。

上の不良マンガっぽい展開なら、

  1. 弱者が根性を見せる

  2. 強者がその根性を見届け、認めてくれる

  3. 強者が強者らしく敵を圧倒する

といったパターンがグッとくるのですね。

一言でいうと、「圧倒的な強さを持つ者が、弱い自分を認めてくれる」というシチュエーションがグッとくるとも言えるでしょう。


こういったパターン、シチュエーションを記録しておくと、作品に利用しやすくなります。

たとえば私なら、「主人公を上げるパターン、シチュエーション」などを記録したりしています。

例を挙げると、

  • 主人公が侮辱されたとき、いつもは主人公に素っ気ないキャラが激怒する

  • ものすごく地位の高いキャラが、主人公には頭が上がらない

  • 主人公に普通に接していたキャラが、実は主人公が噂のすごい人物だと気づく

などですね。

こういったパターンはみんな好きなので、あとは何か変化を加えて出せば、手軽にグッとくる展開にできるわけです。


このように、自分の「好き」を意識的に集めて、ある程度パターンとして整理しておくと、効果的に作品に利用することができます。

興味があれば、ぜひ試してみてください。


今回のまとめ

「自分の好きの使い方」でした。

  1. 好きを活かすには具体的な「好き」を集めて整理しておく

  2. 好きを集める
    グッときたところを記録する

  3. 好きを考える
    なぜグッときたのか考える

  4. 好きを記録する
    可能ならパターンやシチュエーションにして記録する

まずは本を読んでいるときに「いい!」と思ったらメモする習慣をつけるといいでしょう。

それではまたべあー。


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