自分の「好き」を集めて作品に活かす
ほとんどの人は自分が好きなものを書いていると思います。
ですが、もっと意識的に自分の「好き」を集めておくと、より効果的に作品に活かせるようになります。
今回は「自分の好きの使い方」です。
好きを活かすには
みなさんの中には、自分の好きな作品をリストにしている人も多いと思います。
そういった作品を参考にして、自分の作品を書くわけですね。
それも悪くないのですが、もっと具体的な「好き」を集めておくと、より即効性のある使い方が出来ます。
今回はそういった「好きを活用する方法」をご紹介しましょう。
使い方のイメージはこんな感じです。
好きを集める
「このシーンのこのキャラの言動は、主人公への思いが溢れていて、読んでいてグッときた」好きを考える
「こういう展開で、こういう状況が起こると、読み手はグッとくるようだ」好きを記録する
「いつか使うときのために展開パターンを記録しておこう」好きを活用する
「このシーンであの展開パターンを使おう」
この3番までをやっておくと、「好き」を利用するのが簡単になります。
それぞれ見ていきましょう。
1.好きを集める
まずは自分の「好き」を集めます。
小説でもマンガでも映画でも何でもいいのですが、読んでいる最中や見ている最中に、「ここ良い!」「ここ好き!」と思ったら、記録する習慣をつけましょう。
映画だと難しいのですが、本の場合は付箋をつけておくといいです。
読んでいるときは中断したくないので、考えるのは後回しにして、とりあえず目印だけつけておきます。
映画の場合は「何分くらい」とメモを残す手もありますね。
「良い!」「好き!」と思うところは人それぞれですが、後で利用することを考えると、
このシーンいい!
このキャラいい!
この展開好き!
といった辺りが主なところかなと思います。
とにかく、何か作品を消費するときは、少しだけ意識して、心にグッときたところを記録しておくといいでしょう。
2.好きを考える
集めたら、次は考えます。
付箋を貼ったところを見直し、読者目線で何がグッときたのか考えましょう。
「なぜ?」と理由を考えるのが重要です。
たとえばあるシーンを見て、「かっこいい!」と思ったとします。
その感情はなぜ出てきたのでしょう?
どうして「かっこいい!」と思ったのでしょうか?
考えるコツとしては、「読者はあるストーリーの流れにおいて感情が沸くのであって、シーン単体で感情が動くのではない」と知っておくことです。
「かっこいいシーン」はそのシーンだけ取り出してもかっこよくありません。
その前に何らかの流れがあり、最後にそのシーンが出てきたとき「かっこいい!」となるのです。
たとえば不良マンガっぽい話で考えれば、こんな感じです。
誰かを守るために、弱虫の主人公が敵の前に立ち塞がる
ぼこぼこにされても立ち上がる主人公
主人公の気迫にひるむ敵だったが、主人公はついにぼろぼろになって倒れていく
(たぶんなにかかっこいいセリフを言います。「約束だから!」とか)そこへ主人公が所属するグループのリーダーが駆けつけ、主人公をねぎらう
(たぶんかっこいいセリフを言います。「お前の意地見せてもらったぜ」とか)リーダーが敵を圧倒する(かっこいいシーン)
こういった事前の段取りがあることで、シーンはかっこよくなるわけですね。
ですから、記録すべきなのはシーンというより、この展開のパターンということになります。
3.好きを記録する
続いて、再利用するために記録します。
シーンやキャラ単体を記録してもいいのですが、できれば前後の展開まで記録した方がいいでしょう。
上でも書いたとおり、シーンやキャラ単体でグッとくるのではなく、ある流れのパターンにグッとくることが多いからです。
可能なら、グッとくるパターンを抽出できるとなおいいです。
上の不良マンガっぽい展開なら、
弱者が根性を見せる
強者がその根性を見届け、認めてくれる
強者が強者らしく敵を圧倒する
といったパターンがグッとくるのですね。
一言でいうと、「圧倒的な強さを持つ者が、弱い自分を認めてくれる」というシチュエーションがグッとくるとも言えるでしょう。
こういったパターン、シチュエーションを記録しておくと、作品に利用しやすくなります。
たとえば私なら、「主人公を上げるパターン、シチュエーション」などを記録したりしています。
例を挙げると、
主人公が侮辱されたとき、いつもは主人公に素っ気ないキャラが激怒する
ものすごく地位の高いキャラが、主人公には頭が上がらない
主人公に普通に接していたキャラが、実は主人公が噂のすごい人物だと気づく
などですね。
こういったパターンはみんな好きなので、あとは何か変化を加えて出せば、手軽にグッとくる展開にできるわけです。
このように、自分の「好き」を意識的に集めて、ある程度パターンとして整理しておくと、効果的に作品に利用することができます。
興味があれば、ぜひ試してみてください。
今回のまとめ
「自分の好きの使い方」でした。
好きを活かすには具体的な「好き」を集めて整理しておく
好きを集める
グッときたところを記録する好きを考える
なぜグッときたのか考える好きを記録する
可能ならパターンやシチュエーションにして記録する
まずは本を読んでいるときに「いい!」と思ったらメモする習慣をつけるといいでしょう。
それではまたべあー。
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