プロローグでやりがちなこと〜小説のちょっとしたコツ
崖っぷち作家のニジマルカです。
小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。
今回は「プロローグでやりがちなこと」です。
プロローグでやりがちなのは
長編では、本編に入る前にプロローグのような章を設けることがありますよね。
ときには数十ページをプロローグに費やすこともあります。
自分もプロローグをつけることが多いですが、以下のようなプロローグはちょっと考える必要があるかもしれません。
1.長い説明
2.過去のいきさつ
3.謎めいたシーン
それぞれ見ていきましょう。
1.長い説明
プロローグから長い説明が続く場合があります。
数ページならいいですが、あまりにも長く説明が続くと、読者は次第につまらなくなってきます。
なぜなら説明は物語の時間を止めるからです。
読者が楽しむのは物語が展開していくことです。
ですから説明で時間を止めれば止めるほど、読者は興味を失っていくのですね。
説明しがちな人は以下くらいを気をつけるといいです。
1.最低限の情報提示にする
2.説明を後回しにする
3.そもそもその情報が必要か考える
1は話を進めることに注力して、情報提示は必要最低限にすることです。
初稿は「ちょっと足りないかな」と思うくらいの情報だけ書いておき、推敲のときにでも追加していった方がバランスが取れます。
2は後で説明することです。
説明→出来事の順ではなく、出来事→説明の順番にします。
順番を入れ替えても、ほとんど問題は起こりません。
3は読者に必要な情報を吟味することです。
全部説明しない、ということでもあります。
読むための前提知識が少ないほど、読者の負担は減ります。
ただジャンルによっては、最初に設定を知ってから、万全の態勢で物語を楽しみたいという読者が多い場合もあります。
読者に求められるものを提供するのが作者の仕事ですから、その辺りはジャンルごとの事情に合わせるといいでしょう。
2.過去のいきさつ
プロローグで、主人公の過去や周りの人たちの過去などを語る場合があります。
別に悪くはありませんが、読者が興味があるのは常に「主人公のいま」だということをわかっておきましょう。
作者が思うほど、読者は昔話に興味がありません。
「回想」も同じですね。
過去話を挟んでもいいですが、基本的に読者は過去ではなく、いまどうなのかを読みたいのです。
回想が、直接的に主人公のいまの行動に繋がっているならアリでしょうが、そうでもないなら、そもそも必要かどうか考えた方がいいかもしれません。
3.謎めいたシーン
よくわからない人物が、なにか意味深なことをやったり、言ったりしているシーンから始まる場合がありますよね。
なにか壮大なシーンとか、運命的なシーンなどがありがちでしょうか。
そのシーンの意味が後で分かるように設計されていることが多いと思います。
悪いとは言いませんが、これも2と似たようなことです。
作者としては渾身の伏線シーンを書いたつもりでも、読者は単に「意味がわからない」と思っているだけだったりします。
物語を知っている作者にとってはある種の感慨があるのでしょうが、読者にそれがわかるはずもありません。
それに、そういうよくわからないシーンはすぐに忘れてしまうものです。
ですから、あとで気づいて「あ、そうだったのか!」とならないことさえあります。
このように、謎めいたシーンというのは、ただの「よくわからないシーン」になりがちです。
なんとなくかっこいいのでついやってしまいますが、読者にとって本当に意味があるのか、一度考えてみた方がいいかもしれませんね。
今回のまとめ
小説のちょっとしたコツ「プロローグでやりがちなこと」でした。
1.やりがちなのは「長い説明」「過去のいきさつ」「謎シーン」
2.説明は必要最低限にして後回しにする
3.読者は過去ではなく「いま」に興味がある
4.謎のシーンはただの「よくわからないシーン」になりがち
いっそプロローグを入れずに一章から始めてもいいでしょう。
そういう作家さんもたくさんいます。
それではまたくまー。