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【中間まとめ】 長編の骨組み〜簡単な物語のつくり方(7)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「簡単な物語のつくり方」7回目です。

6回目はこちら。↓


前回のおさらい

前回は長編の指針について説明しました。

指針は「行って、帰る」でしたね。

日常から旅立ち → 非日常へ → そこで勝利して → 日常に戻る


クライマックスは、日常からもっとも遠い場所で、もっとも怖い敵と戦うことになります。

また、前半は誰かが助けてくれますが、後半は主人公1人で困難を乗り越えなければなりません。

この指針を知っておくと、話をつくるのが楽になります。

さて、今回は、いままで説明してきたことをまとめて、知識を整理しておきます。


物語とは「問題を解決する過程」

最初にわかっておいた方がいいのは、物語とは「問題を解決する過程」だということです。

ですから、すべての物語は、おおまかに言うと以下のような流れになります。

スタート → 問題が起こる → 解決する → ゴール

図にするとこうです。

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よって、作者が考えなければならないのは、大きく言うと、この3つです。

1.主人公が持つ願望
2.問題

3.解決方法

「問題」とは「ヤマ」のことです。

ヤマとは「山」ですから、それを越えないと先に進めない障害物のことでしたね。

短編と長編の違いは、単純に言うとヤマの数です。

長編では、ヤマが4つあるのが一般的です。


長編のヤマは4つ

長編は、映画1本分(90分〜2時間)、小説1冊分(240〜300ページ)が目安です。

長編のヤマは4つですから、2時間映画なら30分ごとに、240ページの小説なら60ページごとにヤマが来ます。↓

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ヤマは「問題」と「解決」で構成されています。

ですから、長編の流れは常にこうなります。↓

スタート → ヤマ1(問題→解決) → ヤマ2(問題→解決) → ヤマ3(問題→解決) → ヤマ4(問題→解決) → ゴール


主人公は小さな問題を解決していき、最後に全体的な問題を解決して、物語は終わります。

ヤマは「主人公がピンチになるところ」と考えるとわかりやすいでしょう。

既存の作品からヤマを抜き出してみると、理解が深まります。


ヤマの名前など

ヤマにはそれぞれ名前がついているので、覚えておくといいです。

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ヤマの大きさで言うと、こんな感じでしょう。↓

第1ターニングポイント : 小さくていい。解決も簡単
ミッドポイント     : 大きめにすると収まりがよくなる
第2ターニングポイント : クライマックスに向け、盛り上げる
クライマックス     : 最大のヤマにする

なぜ3番目のヤマが「第2ターニングポイント」なのかというと、昔はミッドポイントがなかったからです。

今ではミッドポイントのない映画はほぼないと思います。

映画を見る機会があれば、確認してみるといいでしょう。


物語の冒頭でやること

物語の冒頭はやることがたくさんあります。

どんな話なのかを、できるだけ早く伝えましょう。

視聴者は、どんな話かわからない状態が長く続くと、見るのを止めてしまいます。

冒頭で伝えたいことは、この4つです。

1.舞台はどこか
2.どんなジャンルか
3.主人公は誰か
4.何を解決する話か

ですが、やることは1つで十分です。

「物語のきっかけとなる事件」を起こしましょう。

きっかけとなる事件を起こせば、上記の4つをだいたい伝えることができます。


長編の指針を知る

これは前回の話ですが、長編の指針は「行って、帰る」でしたね。

日常 → 旅立ち → 危険な場所へ → 非日常 → 勝利 → 日常

これに従うと、長編らしくなります。

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長編のヤマをまとめてみると

いままでの説明を1つの図にすると、こんな感じになります。↓

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流れをおさらいしてみましょう。

冒頭
1.セットアップ:世界の描写、主人公の日常風景など
2.最初の事件:物語のきっかけとなる事件が起こる
  (すると、解決すべき問題が決まる)
3.旅立ち:主人公は行動を起こすことを決める

第1ターニングポイント
1.最初の問題が起こる
2.難なく解決し、一旦物語が落ち着く
  (誰かが助けてくれてもいい)
3.しばらくすると問題が起こり始める

ミッドポイント
1.けっこう大きめの問題が起こる
2.なんとか解決する
  (協力者がいてもいい)
3.物語は後半へ
  (舞台が変わってもいい)
4.しばらく落ち着くが、問題が起こり始める

第2ターニングポイント
1.さらにピンチになる
2.そろそろ主人公1人で解決しなければならない

落ち込み
1.クライマックス前の落ち込みや絶望があるならこの辺りに入れる
2.誰かに諭されたり、吹っ切れたりして、クライマックスへ

クライマックス
1.もっとも日常から離れた怖い場所が舞台
2.もっとも怖い敵と戦う
  (仲間がいてもいいが、決着は1人で)
3.勝利してエンディングへ

エンディング
1.物語内で出た話題などは、ここで処理して片付ける
2.主人公は日常に戻るが、それはいままでの日常とは異なる
3.さっさと終わる


この流れは標準的なものなので、この流れから多少ズレても大丈夫です。

もうちょっとわかっていた方がいいこともありますが、このくらいわかれば、そろそろ長編の骨組みは作れると思います。

次回は作例を見ながら、より具体的に流れを理解しましょう。


今回のまとめ

簡単な物語のつくり方7回目「中間まとめ・長編の骨組み」でした。

1.物語は「問題を解決する過程」
2.すべての物語は、スタート→問題→解決→ゴールの流れになる
3.長編では問題(ヤマ)が4回出る
4.冒頭で情報を自然に伝えるには「きっかけとなる事件を起こす」
5.長編の指針は「行って、帰る」
6.日常→旅立ち→非日常→勝利→日常の流れになる

次回は「長編の流れをつくってみよう」です。↓

それではまたくまー。


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