長編は4回ピンチが訪れる〜簡単な物語のつくり方(3)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「簡単な物語のつくり方」3回目です。
2回目はこちら。↓
前回のおさらい
前回は「問題と解決」の話をしました。
スタートとゴールが同じでも、問題と解決を変えるだけで、違う物語になります。
それらを組み合わせることで、話はいくらでも作れることがわかったと思います。
では、今回の話を始めましょう。
ヤマとはなにか
最初に「ヤマ」について説明しておきます。
「話のヤマ」とか「映画のヤマ場」とかよく言いますよね。
ヤマというのは文字どおり「山」のことです。↓
「スタートからゴールに行く途中に障害物を置く」と説明してきました。
この障害物が「ヤマ」です。
ヤマは「山」ですから、当然、山を越えない限り、次の場所にはたどり着けません。
今後、障害物や問題のことを「ヤマ」と書いたりしますので、覚えておいてください。
ヤマの数
さて、初回に少しだけ書きましたが、短い話と長い話の違いは何かというと、ヤマの数です。
短い話では1つか2つ、一般的な長編では4つヤマがあります。
つまり、ゴールにたどり着く前に4つ障害物があるのですね。
長編では、「問題が起こる」と考えるより、「主人公がピンチになる」と考えた方がわかりやすいかもしれません。
図にするとこうなります。↓
全体を4分割したところに、それぞれヤマがあります。
たとえば、2時間ものの映画だと、30分ごとにヤマが来ます。
240ページの小説なら、60ページごとにヤマが来るわけです。
つまり、話の1/4ごとに「主人公がピンチになる」と考えればいいでしょう。
長編のヤマはなぜ4つなのか
大昔のお芝居では、ヤマが3つだったそうです。
真ん中のヤマ2がなかったのですね。
ですが、時代が進むうちに、ヤマが3つでは刺激が少なすぎて、お客さんを満足させられないようになってきました。
そこで真ん中に1つヤマを足して、いまの4ヤマになったようです。
単純に言って、ヤマを多くすればするほど、物語は盛り上がります。
ですが、ヤマが多すぎると話がややこしくなり、制御するのも難しくなるので、まずは4ヤマを基準に考えればいいでしょう。
ヤマは「問題」と「解決」で構成されている
さて、前回の話のとおり、ヤマ(障害物)は「問題」と「解決」で構成されています。
ですから、話の1/4ごとに、
・問題:主人公を邪魔する出来事が起きる(=主人公がピンチになる)
・解決:その出来事をなんとか乗り越える
という2つのことが起こります。
そこが「ヤマ」になるのですね。
よって長編は基本的に、
スタート → ヤマ1(問題→解決) → ヤマ2(問題→解決) → ヤマ3(問題→解決) → ヤマ4(問題→解決) → ゴール
という流れになります。
小さい問題を乗り越えながら、最後に大きな問題を解決して終わるわけです。
では、さっそく長編っぽいものを作ってみましょう。
長編の作例
ジャンルはラブストーリーにしてみます。
まずは主人公を決めます。
1.スタート:主人公は彼氏が欲しい
すると、ゴールが決まります。
2.ゴール:彼氏が出来た!
問題と解決を4つ作り、間を繋いでいきます。
ヤマ1
問題:出会いがなさすぎる
解決:友人に飲み会を開いてもらう
飲み会でイケメン君に出会うが、彼に「ブサイク」と言われてしまう。
ヤマ2
問題:ブサイクすぎる自分
解決:自分磨きをして生まれ変わる
懸命に努力し、美人コンテスト的なもので優勝するほどになった。
ヤマ3
問題:イケメン君とつきあいたいが、まだ自信がない
解決:友人が後押ししてくれて、イケメン君にアタックする
アタックした結果、イケメン君とつきあうことになった主人公。
しかし、実は彼には彼女がいた。
主人公は遊ばれていたのだ。
しかもイケメン君は仲間を呼び、主人公を襲わせようとする。
ヤマ4
問題:襲われそうになる
解決:友人が助けてくれた
そこに助けにきたのは、ずっと相談に乗ってくれていた友人だった。
友人は、イケメン君の行動に疑問を持っていたのだ。
なんやかんやあって、イケメン君や仲間たちの犯罪が立証された。
主人公は、どんなときもずっと側にいてくれたのは友人だったことに気づく。
主人公は勇気を出して友人に告白し、彼とつきあうことになった。
おわり。
図にするとこうなります。↓
よくある話になりましたが、なんとなく長編っぽくはなったと思います。
あとは演出次第で、コミカルにもシリアスにもできます。
まだ自分で作るのは難しいと思うので、今回は「長編はこんな感じなんだな」とわかればいいです。
今回のまとめ
簡単な物語のつくり方3回目「長編は4回ピンチが訪れる」でした。
1.障害物=問題=ヤマ=山
2.短編と長編の違いはヤマの数
3.長編ではヤマが4つある
4.ヤマは「問題」と「解決」で構成されている
5.ヤマは「主人公がピンチになるところ」と考えるとわかりやすい
次回は「既存の作品から話の骨組みを抜き出してみよう」です。↓
それではまたくまー。
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