設定とはなにか〜簡単な物語のつくり方(11)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「簡単な物語のつくり方」11回目です。
10回目はこちら。↓
前回のおさらい
前回はキャラクターのつくり方について説明しました。
最低限決めておくべき重要ポイントは
・動機「〜したい」
・理由「なぜなら〜」
の2つでしたね。
これらがキャラの行動原理になります。
これさえ決めておけば、キャラクターを矛盾なく動かすことができるでしょう。
あとの細かいところはキャラクターシートなどを使って埋めておけばいいです。
キャラクターについてはこちらの記事でも触れていますので参考にしてみてください。↓
キャラクターはこのくらいにして、今回は設定についてです。
設定とはなにか
物語における設定というのは主にキャラクター設定と世界設定(社会、自然、組織、科学などを含めて)のことです。
設定とはなにか、基本的な考え方を説明しておきましょう。
設定とは「ウソを支えるための理屈」です。
この場合のウソとは何でしょうか?
それは物語であり、キャラクターです。
物語はすべて作り物であり、キャラクターは存在しません。
あたりまえですが、ぜんぶウソなのですね。
そのウソを支えるのが設定です。
設定=ウソを支えるためのロジック
みなさんはどうやってウソをついているでしょうか?
おそらく、1つウソをついたら、あとは本当らしいことで周りを固めていると思います。
たとえば「風邪を引いてしまって……」とウソをついて会社を休む場合、「昨日帰ってから寒気がして」「ずっとだるかったんですけど」「今朝体温測ったら何度で」と本当っぽいことを言ってウソを補強しているはずです。
設定もこれと同じです。
ウソを支えるためには、本当っぽい理屈が必要なのです。
たとえば「魔法がある」というウソをついたら、「魔法には魔力が必要」「魔力の源は大気中の魔素」「術式を詠唱することで魔素を力に変換し、世界に現すのが魔法」といったように、それらしい理屈をつくって、ウソを支えてあげなければなりません。
ウソは脆いものなので、しっかりしたロジックで支えてあげないとすぐに壊れてしまいます。
ウソをウソで支えることはできません。
脆いものを脆いもので支えることはできないのですね。
ですから、設定は可能なかぎりロジカルでなければなりません。
理屈が通っていないといけないのです。
概念を図にすると、こういう感じになります。↓
物語は荒唐無稽ではない
物語はウソですが、そのウソを支える設定はロジカルである必要があります。
物語はただ荒唐無稽なだけでは成立しません。
ウソをついたら、あとは可能な限り理屈を通してください。
たとえば主人公が貧乏なら、なぜ貧乏なのか、家庭環境はどうなっているのか、どう育ったのか、いまはどうやって生活しているのか、などはきちんと理詰めで考えておかなければなりません。
上でも書いたとおり、ウソは脆いものです。
ですからちょっとしたことで、すぐに壊れてしまいます。
どこまで設定するかは、こう考えるとわかりやすくなるでしょう。
「読者や視聴者にツッコミを入れられないレベルまで設定する」
たとえば主人公が貧乏なはずなのに、舞台が私立の高校だとおかしいかもしれませんよね。
あるいは主人公はものすごい頭が良いはずなのに、どう見てもバカそうなクラスメイトがいたらおかしいと思うはずです。
読者、視聴者目線で「それはおかしいだろ!」と突っ込まれるところは、ぜんぶ設定で潰しておきましょう。
読者や視聴者は、物語がウソだということは百も承知です。
すべて作り物だとわかっています。
ただ、騙すならちゃんと騙して欲しいのです。
作者がしなければいけないことは、ウソを設定で支えて、見てくれる人を上手に騙すことなのですね。
今回のまとめ
簡単な物語のつくり方11回目「設定とはなにか」でした。
1.設定とはウソを支えるための理屈
2.ウソを支えるために、可能な限り理屈を通す
3.物語は荒唐無稽なだけではいけない
4.読者をきちんと騙そう
次回は「世界を設定しよう」です。↓
それではまたくまー。
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