世界を設定しよう〜簡単な物語のつくり方(12)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「簡単な物語のつくり方」12回目です。
11回目はこちら。↓
前回のおさらい
前回は設定について説明しました。
設定には主にキャラクター設定と世界設定があります。
設定を一言でいうと「ウソを支えるための理屈」です。
物語もキャラクターもウソです。
ウソは脆いものなので、設定という理屈でウソを支えてあげると考えましょう。
ですから、設定は可能な限りロジカルでなければなりません。
それがわかったところで、今回の話を始めましょう。
世界の基本を設定する
現代ものの場合はそれほど必要ないと思いますが、ファンタジーものなら物語の舞台がどうなっているか多少は設定しておいた方がいいでしょう。
もちろん、世界をぜんぶ設定する必要はありません。
基本的なところをざっくりと決めておけば十分です。
以下程度を少し考えておくといいかもしれません。
時代・歴史
現代を基準にしてどれほど過去・未来の世界を参考にしているか。
また物語が始まるまでの歴史。
自然環境
地形や気候、天然資源など。
資源の量により経済発展が左右され、戦争の原因にもなる。
魔法
その世界における魔法の有無。習得の難易度や魔法の理屈。
魔法によって世界の産業や軍事、生活水準が変わる。
魔物
人々に脅威を与える存在の有無。政治や軍事に影響を与える。
産業技術
産業に利用される技術力の程度。機械の導入、動力の種類など。
技術レベルは政治、軍事、生活水準に影響を与える。
政治
王政か共和政かなど。統治方法や権力構造に大きな違いが生まれる。
経済
通貨制度、商人組合や株式、保険の有無など。
経済力の大きさは軍事力の強さに直結する。
軍事
兵士の数と軍事技術の程度。
軍事技術レベルによって戦略や戦法が変わる。
宗教
特定の神を信仰する教えの有無。
宗教は政治方針や生活習慣に影響を与える。
生活水準
食糧事情や水道・ガス・電気の整備状況など。
参考になる書籍
参考になる書籍はたくさん出ています。
安いものではこれなどもいいかもしれません。↓
他にも検索するといろいろ出てきますね。
読むだけでもけっこう楽しいので、何冊か読んでみるのもいいと思います。
設定を決めておくと解決方法として使える
物語に登場するギミックなどは多少詳しく設定しておくと、ストーリーに使えることが多いです。
典型的なのは魔法でしょう。
魔法の理屈を決めておくと、その魔法を打ち破る方法や対抗手段を考えつきます。
たとえば、「魔法は大気中の魔素を消費して起こす奇跡」と設定したとしましょう。
魔素が魔法の燃料です。
だとすれば、周辺の魔素を一気に消費するような魔法を使っておけば(あるいは魔素を消費するだけの魔道具を使えば)、その場所では一定時間、魔法を使えないことになります。
相手がどんなに強い魔法使いでも、魔素のない場所におびき寄せれば勝てますよね。
このように、主人公がピンチのときの解決方法としても使えるわけです。
設定を作って、その設定の穴をつく、というのは完全な自作自演なのですが(物語自体が自作自演ですが)、読者はそこまで意地悪には考えません。
「こういう設定がある」と書けば、そのように理解してくれます。
ですから、主人公が大活躍できるように世界を設定しておくこともできるわけです。
最近のネット小説などでは主人公に有利なように世界を設定しているものが多いようですね。
地図を書いてみる
細かく設定するのが面倒であれば、舞台となる世界の地図を描いてみるのがおすすめです。
現代ものでも、自宅がどこで、学校がどこで〜と地図を描いてみるだけで具体的になってくるものです。
実際には学校がそこにある理由や国ができた理由があるはずなのですが、そこまで細かく考えなくてもひとまずは大丈夫です。
落書きでいいので描いてみてください。
突然、物語がリアリティを持ってきて驚くと思います。
今回のまとめ
簡単な物語のつくり方12回目「世界を設定しよう」でした。
1.現代世界から離れるほど、世界の基本設定が必要になる
2.設定のための本を参考にしてもいい
3.設定を決めておくと設定の穴に気づく
4.地図を描いてみるのもおすすめ
次回は「物語を終わらせるには」です。↓
それではまたくまー。
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