![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86128382/rectangle_large_type_2_baab4c9ac2aa7302d8ad6bf062f2e044.png?width=800)
5月から8月に読んだ児童書(2022)
読んだ児童書を4ヶ月ごとにまとめています。1月から8月までに計181冊の児童書(絵本含む)を読みました。年間300冊を目標にしていますが、ちょっとスローペース…。あと4ヶ月で119冊、がんばります!
今日は、5月から8月に読んだ児童書の中から10冊を選んで紹介します。
《絵本》
アイウエ王とカキクケ公
三芳悌吉 絵・文/武井 武雄・原著 1982 童心社
アイウエ王、カキクケ公…と五十音順に様々な登場人物が出てくるお話の展開がおもしろい。装丁も美しく繊細で、どこかヨーロッパを思わせる雰囲気があるのですが、日本語の50音の言葉遊びをモチーフにしたまぎれもない日本人作家のお話。あとがきを読むと、作者の作品への溢れる思いが伝わってきて、絵本や文学の奥深さが感じられます。
みずいろのマフラー
くすのきしげのり 文/松成真理子 絵 2011 童心社
子どもの心をテーマにした作品を多く書いているくすのきしげのりさんの絵本。子どもの世界では、力関係の強い子が悪気なく相手を傷つけることがありますが、そんな実情を見事に描き出している作品だと感じました。お話のラストまで目が離せません。読んだ後も、余韻が残る1冊です。
わたしのちいさないもうと
みうらとも 文・絵 2019 岩波書店
もし妹がいたら…そんな空想を子ども目線で描くお話。豊かに想像を広げる主人公がとてもかわいらしい。お話の展開がわかりやすく、小さい子でも楽しめる内容です。読み聞かせにもおすすめ。
富士山にのぼる
石川直樹 著 2020 アリス館
世界中の山々を登ってきた石川直樹さんの写真絵本です。夏とは違う、厳しい冬の富士山の空気感が写真から伝わってきます。また、いつも見ていて知っている富士山も登ってみると違うというメッセ―ジに、はっとさせられます。子供向けというより、ちょっと大人向け。
おじいちゃんのたびじたく
ソ・ヨン 文・絵/斎藤真理子 訳 2021 小峰書店
クラスのビブリオバトルで、子どもが紹介してくれた本。人生の終盤に差しかかったおじいちゃんのところにお迎えがやってきました。最期の時のための旅支度を淡々と楽しそうに行うおじいちゃんを描く物語。死を恐れなくてもいい。人生を全うしたおじいちゃんが晴れやかなのが悲しくもあり嬉しくもあり…。心温まる1冊です。
《児童向け読みもの》
ハリネズミのノート屋さん
ななもりさちこ 作/たかおゆうこ 絵 2022 福音館書店
とても気が弱く、自分に自信をもてないハリネズミが主人公。様々な登場人物との触れ合いを通して、自分にぴったりのノート屋さんの仕事に辿り着きます。手探りしながら、世界を広げていくハリネズミの成長に励まされます。子どもたちも共感しながら読めるのではないかなぁと思いました。
竜の巣
富安陽子 作 2015 ポプラ社
おじいちゃんの昔の体験を回想する形で進んでいく物語。この構成のおかげで安心して読めるのがいいなぁと思います。恐ろしい竜の巣からどうやって脱出するのか、ドキドキしながらどんどん読めます。中学年くらいの子におすすめ。
なまけものの王さまとかしこい王女のお話
ミラ・ローべ 作/スージーヴァイゲル 絵/佐々木田鶴子 訳 2001 徳間書店
王様が出てくるお話ってたくさんありますね。このお話に出てくる王様は、とんでもない怠け者。家臣たちには裏で馬鹿にされています。その王様のことを心から心配する娘の王女が王様を変えるために力を尽くすお話です。昔話風の展開であるにも関わらず、現代の子どもたちを王様に重ねてしまう自分がいました。
火のくつと風のサンダル
ウルズラウェルフェル 作/関 楠生 訳 1997 童話館出版
職場の読書好きな先生イチオシの1冊。自分に自信がもてない主人公チムの成長を描いた物語。チムはお父さんと旅をしながら、たくさんの経験をします。旅の中でお父さんが語り聞かせるお話はチムの心を癒し、チムを勇気づけるのにとても大きな役割を果たします。人生には物語が必要だということを改めて教えてくれるお話でした。地味ですが、心に残る名作。寝る前の読み聞かせにも良さそう。
捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ
井出留美 著 2021 あかね書房
最後はこちら。2022年の読書感想文コンクールの課題図書でした。今年の小学校の課題図書はすべて読みましたが、この本が一番賛否両論ありそうなので紹介します。
パン屋の息子として生まれた田村さんは、パン屋にマイナスのイメージしかなく、生まれた町を飛び出します。様々な経験を経て、パン作りの世界に戻ってきますが、そこで目指したパン屋はお父さんのパン屋とは全く違ったものでした。理想を追い求めて思考錯誤してきた田村さんの挑戦を描いたノンフィクションです。
わたしは、「パンを捨てない」というポリシーには共感しましたが、このようなお店こそ理想的な在り方だと言い切っていいのかどうか疑問をもちました。みなさんは、読んでみてどんな感想をもつでしょうか。
終わりに
9月の1週目にこのまとめができてよかったです。(これから運動会練習などで忙しくなりそうなので。)
2学期は授業でブッククラブをやりたいので、中学年向けの児童書に焦点を絞り、たくさん読んだ夏でした。でも授業で使えそうなものとなるとなかなか見つかりにくいなぁと思います。2学期も根気よく読書を続けていきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。