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#64 DEIとは

NPO法人にいまーる,理事の細野です.
2023年7月11日に,最高裁は省庁の職場でのトイレ制限は違法との判決を下しました.今回は,それに関連した内容を紹介いたします.

タイトルにある「DEI(ディー・イー・アイ)」とは,

Diversity(ダイバーシティ,多様性)」
Equity(エクイティ,公平性)」
Inclusion(インクルージョン,包括性)」

の頭文字からなる略称です.

そもそもは1960年代の米国で、公民権法に基づき,「ダイバーシティ」(人種・肌の色・性別・出身地・宗教・ジェンダー・人種・民族・年齢等の違い)により差別を受けたと感じた人が訴えを起こせるようになったのが発端とされています.この概念にはLGBT(性的少数者)への対応や,CSR(企業の社会的責任)なども含まれています.

多様性(Diversity)とは,個人や集団に存在するさまざまな違いのことです.そのためには,ひとりひとりの個性を互いに受け入れ,尊重して個性に価値を見つけることです.個性とは,性別,年齢,障害の有無,健康,家族,社会的地位,学歴,職歴人の内面や外面,価値観,文化,宗教,性格,経験,性的指向・性自認,人種民族,国籍,言語等のあらゆる違いを指します.

公平性(Equity)とは,すべての人に同様に機会を提供するということです.それは一人ひとりの個性に応じて,誰もが情報やツール,仕組みなどを活用できる機会を得られるように支援し,公正に評価する社会を実現することです.例えば,障害を持つ従業員が働きやすいように職場の環境を整備したり,子育てや介護などに時間を使う必要がある従業員のために柔軟な勤務時間を認めたりする事が考えられます.

包括性(Inclusion)とは,一人ひとりの個性が発揮できて,社会の一員として活躍できるということを意味します.それは社会の目指す方向に向けて貢献したいと願う一人ひとりが主体的に社会に参加し,言うべきことを言い合える世界です.これを通して,人々はより高い成果を生み出すことができるようになります.

参考:DEIそれぞれの意味,HITACHI 社会イノベーションより
https://social-innovation.hitachi/ja-jp/article/what-is-dei/

一方,DEIは社会にとって良い事ばかりではありません.人材が多様化することによりチームワークが低下したり,情報伝達の困難さから生産性が落ちたりするといった課題もあります.充分な準備をしないで導入すると,パフォーマンス低下に繋がることがあるため注意が必要です.

欧州では,DEIBに「B」を加えられた「DEIB」という考え方が広まり始めています.「B」とは,「Belonging(ビロンギング,帰属意識)」という概念で,心理的安全性の確保された居場所を作るという意味合いの言葉です.

現在,DEIの取り組みは多くのグローバル企業にとって重要な柱となって来ており,欧米企業や多くの日本の企業ではDEIに関する取り組みを公表しています.

にいまーるも,このDEIの推進母体として位置づけられます.利用者やスタッフ共々,推進活動に取り組んでいきたいと思います.


文:NPO法人にいまーる 理事 
  細野 直恒(工博)


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