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#17 聴こえない人のための住まいの場「かめこや」

NPO法人にいまーるは

• 聴こえる⼈と聴こえない⼈がお互いに⾼め合える場を作る

• 社会的少数派(マイノリティ)の⽣きづらさを解消する

• 聴覚障害者の社会資源を拡充する(ゆりかごから墓場まで)

を理念に聴覚障害者の就労支援、生活支援を主として事業を展開しています。
今回はにいまーるが運営する事業の一つ、共同生活援助 「グループホームかめこや」についてご紹介させていただければと思います。


平成31年1月、聞こえない人の為のグループホームが出来ました。
共同生活援助 グループホームかめこやです。

共同生活援助・・・障害のある方が日常生活や社会生活上の支援を受けながら共同生活を送るものです。障害者総合支援法が定める障害福祉サービスのひとつで、障害があっても自立した暮らしを目指せるサービス内容となっています。

かめこやは、にいまーるが運営する就業継続支援B型施設 手楽来家(てらこや)を利用するメンバーの「住まいの場」として、手話でコミュニケーションしながら、豊かな地域生活を目指しています。また共同生活を営む住居で健やかに過ごして頂けるように必要な援助を行います。

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写真:かめこやの外観

一人暮らしをしたいけれどまだ自信がなかったり、いずれは自立した生活を送りたいという利用者さんの住まいを支える事業ですが、基本的には身の回りのことは一般の暮らしとそう変わらなく、必要に応じて支援を受けながら暮らしています。

全国各地に一人暮らししているろう難聴者はいますが、近所とのトラブルも付き物になっています。正式な調査はないのですがトラブルの大半が「生活音」。耳が聞こえない、聞こえにくいことによって気づけない生活音について知らない間に近所に迷惑をかけているという実態があります。
いきなり警察官がやってきて、「おたくの利用者さんが住んでいるアパートからうるさいと苦情が来ています」というような例も少なくないみたいです。

音には十分気をつけていたつもりでも、どのくらい音がうるさいのかを判断する材料がないからです。

かめこやではそこに世話人として、手話ができる聴者のスタッフがフィードバックし、グループホームの中でもお互いに気をつけながらストレスのない生活を送っていただいています。一人暮らしでは経験できない集団生活を通して、助け合うという雰囲気で、
利用者さんが聴者であるスタッフに手話を教えたり、逆にスタッフからニュースで見かける日本語の意味を教えたりしています。

ここでかめこやの利用者の1日を記しましたので、ご覧ください。

利用者の1日

朝:起床〜出発

■6:30〜 起床

利用者の皆さんは大体6:00~6:30ごろに起床します。まずは体温を測り,その後洗面、身だしなみなど、それぞれのルーティンを過ごされています。

■7:00〜 朝食,身支度

朝食は利用者揃って食べています。また朝食は世話人が調理しています。

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写真:朝食の例

■8:30〜 手楽来家へ出発

2022年2月現在、かめこやの利用者さんは皆、就業継続支援B型施設 手楽来家(てらこや)の利用者でもあるため、朝食後一息ついた後に手楽来家へ向かいます。

(昼:手楽来家で過ごす)

夜:帰宅〜就寝

■16:00〜19:00 帰宅、入浴、夕食

手楽来家での仕事を終え、かめこやに帰宅します。
帰宅後は夕食まで各々のんびり過ごし、順番に入浴した後、全員揃って夕食を食べます。

■19:00~21:00 就寝まで

夕食を食べ終わってからは、テレビを見たり、本を読んだり、楽しくおしゃべりしたり、各々がリラックスタイムを過ごします。
そして21:00ごろにはそれぞれ自室に向かい、消灯となります。


いかがだだったでしょうか。

利用者目線での1日を記しましたが,この間もちろんスタッフも一緒にいます。大学生のアルバイトも多いため、利用者の皆さんも若い力をもらっているのか元気に過ごされています。

これからも耳が聴こえないということならではの困りごとを解決し、より良い施設を作るべくにいまーるは進んで参ります。

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文・吉井大基
▶︎Twitter:@dyoshy_
▶︎Facebook:@daikiyoshii4321

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