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小中高の学科教育①

前回の投稿「学校と塾」の流れから、今回「小中高の学科教育」について投稿しようと思ったのだけど、このことは実は以前より投稿したいと思っていました。

日本の小中の義務教育、そこから一部の人を除きほとんどの人が高校へと進学します。親からしてみても高校くらいは卒業してほしいと思っているのではないでしょうか?それは学歴社会において、最低限の学歴という認識でいるのだと思います。そして私は現代日本において、義務教育を高校までにしたらいいんじゃないかと思っています。中学を卒業して急いで就職することもないし、学びの場というのは大切な時間でもあります。中学を卒業してすぐ就職してしまう人達の中にはいろいろな状況下もあるでしょうが、いい悪いは別として、大半は勉強で落ちこぼれてしまって高校に進学するには学力がおよばないというのが大半のような気がします。そして落ちこぼれたからと言って人生が終わってしまうわけでもなく、その先を生きていかなければなりません。
これまでの小中高の学科教育というのは、ただただ「教養」を身につけるためということに重きを置いていたように思います。教養の意味をググってみると、「教養とは学問・知識をしっかりと身につけることによって養われる心の豊かさ」とありました。心の豊かさ???確かに一助にはなっていると思いますが、少々疑問が残ります。そして従来の学科教育だけでは不十分だし『古い』と感じます。
教養はもちろん踏まえ、今を、そしてこれからを実社会で生きていく上で重要な事柄を学ぶ必要があるのではないでしょうか?これまでの学科(学校)教育では、学問を身につけることができたとしても、それが実社会でどう生かされるかというのは本当にわかりません。私達の基本となる部分を支え、何かしらには影響はあると思いますが…自分が意識できていないところで…というのは当然あるだろうことは理解できます。それが全くの無駄とも思いませんが、あまりに抽象的に思えるし、実社会との接点と言う意味では『?』という気がしてなりません。学問以外の社会人として具体的というか必要不可欠な学習をせずに、実社会にポーンと放り出されているのが現実ではないでしょうか?もちろん人生を歩んでいく上で学びというのは死ぬまで続きます。それでも実はあまりに乱暴すぎる気がしてなりません。つまり今後必ず役に立つとわかっている事柄を学ばず、あるいはおろそかにさせられ実社会に出ていくというのが現状なのではないかと思うわけです。
「これって必要な学科じゃないか?」というものを思いつくままいくつかピックアップしてみました。

①お金についての授業

例えば、生活していくのにお金がいくらかかるのか?
高校生になれば、お金についてバイトをしてお小遣いを稼ぐことになったとしても、普段の生活のほとんどは親が工面していると思います。家のローン、あるいは家賃はいくらで、光熱費がどのくらいかかって、食費、自動車ローン、学費等々、高校生がそれらを恐らくほとんど知らずに生活しています。親もそんなこと知られたくないと思っているかもしれません。また知る必要がないとも。親は働くことが仕事、子供は勉強することが仕事なんて話もよく聞きます。そもそも家族とはいえ事情やプライバシーもありますし、授業でするには少々難しい面もあるかもしれませんが、仮想的な暮らしを考えてもいいかもしれません。自分で住みたい家、アパートの情報を引っ張ってきて、だったら住宅ローンがいくらくらい、家賃がいくらなんてことはすぐにわかりますし、光熱費なんかも平均値ならググればすぐにわかりそうなものです。そうして算出すれば、どれくらいの収入が必要になるというのはわかりそうではないですか?そして会社に就職したとしたらお給料はいくらで…職種別に検討したりしてもいいですよね。その後の進路について真剣に考えられそうではありませんか?
銀行等への貯金、その利息についての学習もいいでしょうし、FXや株への投資についても学ぶことができたらいいかもしれません。岸田総理が所得倍増計画で「投資」なんて言っていたのも記憶に新しいと思いますが、それについて好きでというか関心がある人はわかっていても、そうでない人は「???」なはずです。投資とはどういうことなのか?から始まって実際どんな風に行われるのか等学ぶ機会というのは、社会人になってから個人が各々勝手に学ぶのではなく、学校で学べる機会があったらいいと思います。

②社会システムについての授業

資本主義、共産主義についてとか、単純に外国に行くには、外国で住むには、外国で勉強するには等や、少なくとも社会保険・労働保険・税金についてを学ぶ機会はとても重要だと思います。もしかしたらこれらは「公民」という授業があれば、そこで勉強するのかもしれませんが、あまりに上辺だけの内容でちょっと現実味がない(社会に出ていないので当然と言えば当然ですが)し、実際に社会に出て役立つ内容とは言い難い。学校を卒業して、会社員になって…となれば社会保険・雇用保険を資格取得して…となります。社会保険はただ健康保険証ができて、それを病院に提示するということや、雇用保険ならば会社を退職した時に、次に就職するまでの間給料の代わりとなるような現金支給を受けられる程度しかわかっていな人も多いはずです。社会保険や労働保険関係には、いろいろな制度が用意されていますから、それらを知る機会というのは個人によってではなく、万人が知る機会が必要があるのではないでしょうか?
税金についてもです。給料からどれだけ税金が控除されてとか、消費税、ガソリン税、どれが何に生かされているのか、会社を作ったら法人税、税金ではないけど何が経費で控除出来てとか、それらも最終的には税金に関わることですよね。
更には、個人事業や会社を設立する方法なんてのもいいと思います。自分で会社を立ち上げていくのか、それとも会社員という道を選ぶのか。スポーツ選手他いろいろな職種について検討するのも将来を見据えた選択肢という意味では大切ではないでしょうか?今ではユーチューバーというのもありますよね。学校では「将来の進路」というと進学か就職かの二択って感じで、その先に何があるから進学か就職でなければならないのかわからないじゃないですか?そして将来どんな仕事に就きたいか?なんて言っても、それは「夢」のままの話になってしまっていて、その夢との接点は個人で勝手に調べてねという感じで、親切ではないというか丁寧ではありません。では何のために夢を語らせ、進学または就職を促せるというのだろうか?
これだけ多様化と言われる時代なのに、学校はステレオタイプというところにジレンマを感じます。
ちょっと歴史っぽくなってしまうかもしれませんが、日本だけではなく、いろんな国の社会システムがどのように変貌を遂げたのかというのもいいかもしれません。

③日本国憲法・法律について授業

日本国憲法や法律について、政治家や弁護士というような専門職以外の一般庶民でも知っておくべきことではないでしょうか?その全てと言うわけではなく、抜粋したりして。日本に住んでいながら日本国憲法についてのコトをあまりに知らないし、法律についてもそう。庶民の感覚からして、それが必要となる時は何か厄介ごとがある時ではないでしょうか?厄介ごとがなくても法律は当然存在していて、いかなるときであってもそれによって守られたり裁かれたり。そして「知らなかった」じゃ済まされないという非情な現実もありそうです。窃盗や殺人等に関してどのような刑が科せられるのかだったり、被害者側がどのような末路を辿っていくのか等、それらを通して自身で考えられる授業があったらいいと思います。そんな単純ではないと思いますが、それによって犯罪を未然に防ぐことにも繋がっていくような気がします。日本国憲法に関しては、大人になれば選挙や報道で言われるのをよく見聞きしますが、あまり詳しくもなければ、それについて普段考えたこともなかったりして『?』と言う感じではありませんか?あるいは簡単に発信者側の思惑(?)に誘導されてしまったりしていないでしょうか?

④道徳の授業

これは今でも授業であると思うのだけど、私が実際学生時代に体験した授業はあまりに子供っぽい授業だったのを覚えています。こういう授業は受験とは全く関係がないし、先生も生徒もなんかないがしろにしていたように思います。でも実はとても重要な授業ですよね。イジメ問題を扱ってもいいし、どんなイジメがあって、その被害者がどんな気持ちになり、加害者がどんなに卑劣かを考えてみる機会があったらいいと思います。発達障害者やGLBTQを知る機会を作って、その対応や理解を話し合って深めてもいい、個人主義・利他主義なんて題材もいいと思います。ヘビーかもしれませんが、日本は自殺者が多い国でもありますから、何が問題なのか、どうしてそうなってしまうのか、どうしたらそうならないような道を選択していけるのか等皆で話し合うというのもいいかもしれません。

⑤親日国・海外での日本偉人についての授業

YouTubeを見ていると、親日国のこと、海外での日本偉人についてのコンテンツを目にします。いずれも「そうなんだ~」と思うものばかり。それだけ「知らない」ということ。普通に過していたら、親日国などわかりません。TVでも何か特別なプログラムでない限り報じられません。経済ではとにかくお金になりそうだからと信用できないような国に働きかけたりお金を突っ込んだり…私は何故親日国と共に発展への道を歩んでいこうとしないのかと疑問に思ってしまいます。きっと資本主義社会上、お金になりにくいからなのでしょう。しかし日本人は、ただただお金の為だけを重要視する民族?ではないはずです。第二次世界大戦では、日本は特に東南アジア諸国を西欧の植民地からの脱却を促した立役者でもあったわけですから。それってお金の為にしたことですか?と言われればそうではないでしょう。
日本偉人については同じ日本人として『誇り』に思う瞬間でもあります。時代背景的に命を懸けて挑んだ偉人も多くいるはずです。
現在の社会科、特に歴史の教科書では自虐史観があったりするのが問題として取り上げられたりしますが、日本人の誇りを削ぐのではなく、誇りをもって人としてより高みを目指せたらこの国は大きく変わっていけるような気がします。更には世界のリーダー的存在になれる、いやなるべきだと思うのです。(ちょっと大きな事に発展させてしまいました、、、)

⑥信仰・宗教についての授業

外国に行くと、特に途上国の現地の人達の会話において、必ずと言っていい程宗教の話が出ます。私自身、特別信仰している宗教はありませんが、家には仏壇がありますから仏教なのだと思ってみたり、神社に参拝に行くので神道?も関係している?と思ってみたり…では仏教や神道について何か明確に語れるかといったらできない。ちょっと恥ずかしいなんて思った経験があります。しかもその時思っただけで、その後に知ろうと何かしたこともなく…こういうこと学校の授業でやってくれるとありがたい。信仰や宗教となるとある意味デリケートな問題だからと嫌煙してしまいそうだけど、誰が何の信仰・宗教というのではなく、日本は多神教の国で、神道とは、仏教とは、イスラム教とは、キリスト教とは、しかもいろいろな宗派があって…世界中の人達は結構宗教に根ざしていたりするので、ちょっと日本人としては考えにくい部分はあっても、それはその人達の基本的部分であったりして、また歴史と絡み合い、そんなところから日本人のルーツやその過程の他、いろいろな宗教・信仰を持つ人達の思考を理解していけるような気がします。宗教によっては食べてはいけないものがあったり、生活上の決まり、習慣や慣習に及び、それを人種的思考にまで至ります。
今私達は、それを理解しないで「グローバル」と言ってしまっているわけです。言葉だけ、表面的なグローバルを語ってしまっているだけのような気がします。
実はこれらのことはただ知っておくべきに留まらず、実はビジネスにおいてもかなり有効な知識として作用すると思っています。

⑦PC・スマホ・インターネット関連の授業

恐らくPC・インターネット関連の授業と言うのはあるのかもしれません。だとしてどのように行われているのかは全く分かりませんが、ワードやエクセル、パワーポイント等や、今や学生でもスマホを普通に持っていたりするので、便利な機能だったり、フェイスブック、ライン、インスタグラム等のやり方から活用までの授業があってもいいのではないかと思います。アプリについてはありとあらゆるものがあるので抜粋してという風にはなってしまうと思いますが、これらのことはもしかしたら生徒の方がよく知っていてということもあるかもしれません。ならば例えば中一とかの割と早い時期にというのも考えられます。ネットによる悪影響を考えると、そんなの教えるべきではないという反対する人達もいるかもしれませんが、それは性教育同様に、いずれは知ることになるし、トラブル等知っておくべきことも多いはずです。

これまで7項目挙げましたが、考えればまだまだあるのかもしれません。項目によっては互いに関連付けられるものがあります。
そしてこの7項目に関して(他にどんな項目が加わったとしても)は、それぞれに沢山の専門家がいるということです。これらを学校の先生が全て…では無理があると思うし、それこそ表面的かつ淡々とした授業になってしまいそうだし、面白くもないでしょう。そういう専門家に講師になってもらって授業を受けられたらいいと思います。

高校までを義務教育にして、学問中心の学科授業だけではなく実用的知識を身につけられるような授業を追加すべきだと思います。
時代の流れは速く、もはや学問を勉強すればいいという時代ではもはやなくなっていますよね。そういう意味では学校自体の意味というか在り方をもっと検討すべきだと私は思います。

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