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じゃない方と。

 先日、世界の文化を紹介するTV番組で「ブラジルの人はみんなサッカーが上手いのか」という検証をしていた。ブラジルでインタビューをし、ボールを渡してリフティングをしてもらうというやり方だった。大半の方は10回連続で成功させ「サッカーが上手い」というカテゴリー分けをされて、結論として「ブラジルの人はサッカーが上手かった」としていた。

 こうゆう編集のものを見ていると私のかつての失敗を思い出してしまう。

 約10年前、ブラジルの方と話す機会があった。
どんな事を話そうか迷い、サッカーなら間違いないだろうと話題にあげた。私自身サッカーに疎いくせに。
 そして返ってきた答えがこうだった。「ブラジル人はみんなサッカーが好きだと思う?少なくても僕はサッカーが嫌いなんだ。だから違う話をしよう」

 反省した。
私は目の前にいるその方を無意識に勝手にカテゴリー分けして、○○は○○であろうと決めつけたうえで話してしまっていたのだ。
当時の私は外国籍の方と話すとき、その国っぽい話題を出さなきゃいけないという思い込みを持っていた。でもそんな必要は全然ない。一人の人と人が話すだけなのだから。

 それから私は相手がどこの国の人かという意識を持たないようにした。代わりに「いま目の前にいる人は、どんなことが好きなんだろう」などと思いながら話すようになった。国を見るのではなく個人を見る、そんな意識へと変わった。

 この10年以上、日本人が抱いてるような「各国のイメージ代表」じゃない方々と多く出会った。
超クールなイタリア人、パクチーが苦手なタイ人、優しい口調で話す韓国人…and more。
 言語的な観点でこの人は○○語話者だから日本語でこうゆうミスがありがちと認識することはある。だけど基本的には○○人と話すというより、偶然近しい場所に住んでいる人として話す。このスタンスになってから私の肩の荷もだいぶ軽くなったように思う。

 先ほどのブラジルの方とは結局、「石のように見えるチョコ」の話で盛り上がった。驚きや感動は万国共通言語のようだ。


タイトル画像は「みんなのフォトギャラリー」より
クリエイター:あまのこさんの作品を使わせていただきました。
ありがとうございます。

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