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NICOがSDGs社内浸透のためにやってきた“これまで”と“これから”のこと

こんにちは! 西川コミュニケーションズ(NICO)SDGs広報チーム“つつつ”です。

2023年8月、NICO社内で組織変更があり、新たにSDGsの担当として専務取締役の「中島さん」が仲間入りしました。そこで今回の”つつつ“では、これまでのNICOのSDGs活動の振り返りから今後についてピックアップ。

記事の前半ではNICOのSDGs活動の“これまで”について、責任者として手腕を振るって来られた鈴木さんにインタビュー。後半では、8月から始まったSDGs社内推進のための「SDGs全社化」など“これから”について、中島さんにお話をお聞きしました。


鈴木さんが舵を取り続けてきた
SDGs活動のスタートラインとは。

―――”つつつ”では度々インタビューさせて頂いておりますが、改めてお聞きします。鈴木さんはNICOでのSDGsの活動はいつから始められたのでしょうか?

鈴木さん

鈴木:2021年3月頃に「SDGsを考える会※」が発足した当初、NICOとしてのSDGsを模索し始めたタイミングで私も活動を始めています。

※「SDGsを考える会」とは、有志でSDGs活動に参加したい人を募った自由度の高いNICOのSDGs活動のこと。環境問題、ジェンダーなどテーマを決めて活動を行っています。

―――“つつつ”の「SDGsの取り組み、何から始めた??」で紹介させて頂いたように、まずは「SDGsを知ってもらう」ところから進めて来られたんですよね。

鈴木:はい、そうですね。最初は「SDGsって何だ?」という所から始めました。従業員にSDGsを知ってもらうために行ったのは、NICOがすでに取り組んでいる活動をSDGsに紐づけたポスターを制作し、自社工場にある階段に掲示。工場勤務の皆さんはもちろん、工場へ出向いた方も最初にポスターを見た時は「おや?」と思わず足を止めたのではないかと思います。

推進の要になる組織づくりについても試行錯誤を行い、有志の活動のほかにもSDGs関連の認定取得に向けたプロジェクトを作るなど様々な組織を作っては形を変えて、とやってきました。

「知ってもらう」ことから、
自らが先頭に立って実践する「行動」へ。

―――従業員には「知ってもらう」ことを中心に行ってきた活動ですが、徐々に鈴木さんが中心となって「行動」した事例もたくさん作ることができましたよね。
鈴木:そうですね。まず最初に行った行動としては、ぺ-パーファイル加工機の採用と環境省プラスチックスマートへの登録を行いました。これは社外へ向けてのアピールも兼ねていました。

他にも全体の舵取りをしながら、私自身もメンバーとしても参加した「SDGs社内啓蒙チームの活動」はSDGsをキーワードに積極的な行動に取り組めた活動だったと思っています。SDGs社内啓蒙チームはその名の通り「SDGsを社内に啓蒙」するチームなのですが、啓蒙していく方法は、自分で思いつくことも、話し合いの中で何かひらめくことも、ネットや書籍からヒントを得ることもありました。「やる」「やらない」はともかく「まずは土俵に上げちゃえ!」の精神で打ち合わせを重ねました。

啓蒙チームは定期的に活動していたのですが、メンバーが楽しみながら「どうやったら興味をもってくれるかな?」とディスカッションを重ねられたことが何より良かったです。活動を通して、業務では見られない一面が見れたり、こんなことが得意なんだという発見があったり。活動して本当によかったなと思っています。

―――なるほど。課題意識のベクトルが揃っているからこそディスカッションも盛り上がったのかもしれませんね。他にも行動されたことはあるのでしょうか?また、行動したからこそ気づいたことはありますか?

鈴木:そうですね、他には私が浜松支社に在籍していることもあって、支社周辺の草刈り、近隣の海岸清掃、障害者支援施設へのアルミ缶の寄付などですね。これらを経験して少なからず考えさせられたのが「動いてみて初めてわかることがこんなにあるんだ!」ということ。汗をかきながら海岸を歩いて、実際にゴミを拾うことで初めてわかること。

障害のある方と触れ合ってみて、初めて気づいたこと、感じたことがそれはもうたくさんありました。

これらはとても貴重な体験になりました。また社外の方を迎えて開催した子ども食堂も、やってみなけりゃわからないことだらけでしたね。


―――“つつつ”を見返してみても鈴木さんが関わっていない活動を探す方が難しいほどですよね(笑)多くの活動の中で特に印象に残っているものは何でしょうか?

鈴木:う~~~ん!非常に悩ましいのですが、やはり設問から運用をオリジナルで考えた「NICO×SDGs検定」ですかね。

SDGs社内啓蒙チームの活動として金田さん他のメンバーと共に始めた社内検定なのですが、非常に多くの方に受験していただき嬉しく思っています。検定の関連で豊根の森林組合の方にお会いして色々なお話を伺えたのもうれしかったですね。ちなみに検定は私なりのこだわりも入れています(笑)


こだわりの『NICO×SDGs検定』には鈴木さんの3つの熱い思いが。

―――どんなこだわりでしょうか?

鈴木:以下3点にこだわりました。

①満点で合格とすること
②SDGsの行動もしてもらうこと
③オリジナルバッジを用意したこと 

①満点で合格すること

鈴木:これは推進メンバー内でも議論が分かれましたが、私としては「満点で合格」としたいと意見を通させて頂きました(笑)というのもテストは「何度でも受験可」としていますし、テキストも用意しています。何度でも受けられるのに「間違ってもOK(合格)」とするのではなく、きちんと満点で合格してもらいたい、そう考えました。あくまでSDGsを理解していただくための手段として試験という形をとったわけで、許可を与えるための資格試験とはまったく違いますからね。受験は基本的にWebで行なってもらうのですが、一部Web環境のない方には問題用紙・回答用紙を用意していて、満点ではなかった時に再度受験してもらうように促すなど、運用は正直大変ですが、こだわりのポイントなのでフォローする運用も考えました。

②SDGsの行動もしてもらうこと

鈴木:NICO×SDGs検定は知識を問うものではありますが、SDGsは行動してなんぼ!と思っていることもあるので行動に結び付けてもらう工夫もしました。この「行動する」というところにはNICOの社長の思いも入っています。行動はちょっとしたことでも何でもいいんです。例えば、スーパーなどで商品を購入するときに賞味期限が近いものから買う「手前取り」をする、ペットボトル飲料を買わずにマイボトルを使うなど。そんな簡単な事でもいいのですが、普段の行動にSDGsのスピリットが根付いてくることが大切、そう考えています。

③オリジナルバッジを用意したこと

鈴木:最大のこだわりはオリジナルバッジを用意したことです。このバッジは検定に満点合格し、さらに行動もしてくれた人へのご褒美として用意した物。市販されているバッジをあげようか?という話もありましたが、たまたまNICOとゆかりのある豊根村で間伐材を調達できることになり、オリジナルバッジを作成することになりました。

NICO×SDGs検定を合格し、行動を達成して申請が完了した方へお配りしている
オリジナルバッジ

実際に木のある山まで出向いて間伐材を取りに行き、加工会社さんまで依頼するという調達~制作まで一貫して行なったのはいい経験になりました。

NICOとゆかりのある豊根村の森林組合で間伐材を譲っていただくことに。


下の2つの動画はバッジ用に木材を製材していただいている動画になります!

バッジにしやすいよう木材を加工していただきました。
加工前の木材をバッジ制作会社さんへお渡ししました
(左:(株)KPIの小掠さん、右:SDGs社内啓蒙チーム金田さん)
完成したバッジを豊根森林組合の方にもプレゼントしました。
(左:鈴木さん、中央:豊根森林組合の夏目さん、右:豊根森林組合の竹内さん)

―――普段、なかなか木の伐採を見ることはないので動画でもすごい迫力ですね!間伐材からこのバッジが作られたと思うと感動します。バッジは木の模様が入っているものもあり、一つ一つに違いがあり面白いですね。

鈴木:そうですね。完全オリジナルバッジというのを聞いて「欲しい!」と多くの方から問い合わせ頂いたことは嬉しく思います。

―――そういえばこだわりのNICO×SDGs検定は、期間限定の開催からいつでも受けられる試験になったんですよね?

鈴木:はい、そうです!受けたいという声が多く寄せられたことに加え、SDGsを全社で取り組もうという流れも受けまして通年で実施することになりました。(全社化についてはこの後、詳しくお伝えします)
NICO×SDGs検定は期間限定で実施する予定だったので、効率のよい運用などあまり想定していなかったんですが、そうも言っていられなくなりましたね(笑)
「すでに受験を終えたけど、私ちゃんと合格してるのかな?」という問い合わせもいただいているので、全社化をきっかけにこれからは月次で合格者を発表していきたいと思っております。受験していただき3回分満点取られた方は少々お待ち頂ければと思います。

―――鈴木さん、ありがとうございました!


「SDGs全社化」で推進力アップに期待

―――ここからはNICOのSDGs活動の”これから”についてお話を伺います。中島さんよろしくお願いいたします。

中島:はい、お願いします。

中島さん

―――NICOではこれまで有志の活動が中心だったSDGs活動を2023年8月から「全社化する」ということですが、こちらについて中島さんから詳しく教えていただけますでしょうか。

中島:はい、全社化と一言でいわれると分かりづらいのですが、これまで浜松支社や有志が中心となり自主的にやっていた活動を拡張し、SDGsの社内浸透をスピードアップさせようといったものですね。実際に8月からは各部署で「SDGsの目標」を立ててもらっています。SDGsの活動はCSRに近いものから、ビジネスに融合したものと様々ですが、今回の目標はどのようなものでもOKとしています。

―――なぜこのタイミングで全社化となったのでしょうか?

中島:先ほど鈴木さんのお話でもありましたが、最初はやはり「知ってもらう」という段階だったと思っています。SDGs推進の最終判断は社長がしているのですが、最初の段階で「全社的に何かやろう」としても「何をすれば…?」となる声が多く出るのではと考えて、最初は「全社化で取り組む」という手段を取らない判断をしていたそうです。いま、こうして様々な活動が実を結んできたからこそ意味のある「全社化」になっています。


―――様々な活動を行う中で、お客様からの問い合わせでSDGsを感じることも出てきたとか。

中島:はい、最近では実務の方でお客様から「NICOのカーボンニュートラルへの対応はどうなっていますか?」という問い合わせを頂く機会も増え、SDGsへの対応について重要性を肌で感じることもあります。

―――ありがとうございます。ここで「全社化」をきっかけに立てられた各部署の目標について少しご紹介できればと思います。ご紹介をお願いできますでしょうか。

中島:はい!目標は多岐に渡っていて、代表的なものをピックアップするとこのようなものです。

・NICO×SDGs検定の受験
・SDGsの観点で協力会社を評価する仕組みをつくる
・SDGs関連の商品購入、提案を行なう
・SDGsを意識した商品、サービス開発を行なう
・節電をする、廃棄物を減らす

―――皆さん、非常に幅広い目標を立てられていますね。事業化を見据えた目標を掲げている部署も多くみられ、期待に胸が膨らみました。

中島:そうですね!皆さん各事業をSDGsに紐づけて意識していることが感じられて目標を見ただけでワクワクしますね。ビジネス化は一筋縄では行かないと思いますが、例えば以前社内で配布した「SDGsパスポート」を活用頂くのもひとつのアイデアかもしれませんね。


SDGs全社化で期待するNICOのSDGs活動とは

―――SDGs活動全社化で「こんな風になったらいいな」という理想像はありますでしょうか。

中島:そうですね。部署単位で目標は立てていただいたのですが、枠にこだわらず部署を横断した活動になるといいなと思います。これまで積極的に行なってきた「こども食堂」の運営も、社内啓蒙チームの活動も部署を横断したからこそより良いものになっていると思います。様々な視点を入れて物事を進めていくことで推進力アップに期待したい、そう考えています。

――中島さんありがとうございました。
それでは最後に鈴木さん、中島さんから一言ずつ頂ければと思います。

鈴木:SDGs活動を推進するにあたり、スタート時は私自身も「SDGs?言葉は聞いたことはあるけれど…?」という程度の認識でした。ですからホントに手探りで始めた活動でした。でも進める以上は分からないながらも「これってSDGsに合致してるよね?」「これならできそうだよね?」ということを考えながら探しながら、少しずつ進めてきました。

たとえ小さなコミュニティであったとしても、人と人とがつながりを持つこと、そしてその人が何をして何を感じているのかを知ること---それ自体がSDGを進める1丁目1番地なんじゃないかと思うんですよね。
そんなわけで、「SDGsなんて知らない」を「どっかで見た」へ。「どっかで見た」から「なんとなく知ってる」⇒「なるほどね!」⇒「推進しなくちゃ!」へと。SDGsを進めながら内外へしっかりとアピールして、少しずつ従業員に浸透させていきたいと活動してきました。

つまるところ、眺めているだけでなく「自分で動くこと」が大事なんだと思います。だから、ためらいがあって動けないという方や、チャンスを逃していた方のために、これからも色んな機会を提供したり、呼びかけをしていけたらいいですね。みなさんも「やってみたい」という気持ちがあれば、まずは動いてみましょうよ。もちろんそれは「他人のため」「社会のため」ではあるけれども、きっと「自分のため」にもなるはずです。「やらない」はいつまで経ってもゼロですが「やった」は、時に百にも千にも一万にも......無限大にもなりますよ!


中島:SDGsに関わるステップとして認知・関心・理解・行動という段階を踏むと一般的に言われていると思いますが、全社で推進して行こうと思うとまず認知・関心をどう高めるかということが課題になると思います。今回はその課題に焦点を当てて「ビジネス化は必須ではないので、まずはSDGsでやりたいことについて考えてみよう!」というライトな所から始めることにしました。従業員の皆さんは難しいことは考えず、気負わずに「まずは何かを始めてみよう!」からスタートして頂ければと思います。どんなことでも構いません、私自身も何かをスタートしたいと思っています。「SDGsを目標にして何かをやるのではなく、やっていることが結果SDGsだったね」となり、「SDGsが特別なものでなく、当たり前のもの」になることを目指したいです。相談はいつでも乗りますので、出来ることからコツコツやっていきましょう。

―――中島さん、鈴木さんありがとうございました。
”つつつ”では今回立てられたSDGsの目標について取材をさせていただければと思います。取り上げて欲しい!取材して欲しい!という方はぜひ”つつつ”までご連絡ください。お待ちしております。


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