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壁の外側で『私』が作った小エビと香草のサラダとイカとキノコのスパゲティ

村上春樹さんの『街とその不確かな壁』は、壁の外側の世界と内側の世界が描かれています。内側は「高い壁に囲まれた街」で、そこでの食事は質素です。

痛めた眼のため『君』がこしらえてくれた濃い色の薬草茶。かつて軍人だった老人のタンポポで作った代用コーヒー。野菜とベーコン(でもベーコンでないもの)のスープ。肉等は代用品でまかなわれています。

どこかしら友好的な、懐かしい味わいが感じられた。

『街とその不確かな壁』第一部

『私』が料理するのは壁の外側です。

かぶのスープ

蕪のスープ。ベーコン・玉ねぎを炒めて蕪を加えます。
コンソメで煮込みました。

家に戻って、作り置きのかぶのスープをガスの火で温めた。

『街とその不確かな壁』第二部

この1行しかない蕪のスープ。想像がふくらみます。

わたしは、蕪のクリームスープが好みだけど『私』が作ったのはコンソメのような気がします。この物語では薪ストーブが重要なアイテムになってますが、ここではガスとなってます。

蕪は、やさしい味がします。

小エビと香草のサラダ

コーヒーショップの女性を家に招き、小エビと香草のサラダとイカとキノコのスパゲティを作ります。

香草はセロリにしました。甘エビ・グレープフルーツ・レタス・ディル

それから小エビの殻を剥き、グレープフルーツを切り揃え、柔らかなレタスの葉と香草を混ぜ合わせ、オリーブオイルとレモンとマスタードを合わせて作ったドレッシングをかける。

『街とその不確かな壁』第二部

甘エビのほんのりとした甘さとグレープフルーツの爽やかさにセロリの葉のピリッとしたアクセント。マスタードのドレッシングも美味しい。小説の中の香草がなんだったか気になります。

イカとキノコのスパゲティ

スパゲティを茹でるための湯を沸かしているあいだに、ニンニクを一粒薄く切り、イカとキノコをフライパンで炒める。パセリを手早く刻む。

『街とその不確かな壁』第二部
きのこは、椎茸としめじ。イカはニンニク、白ワインに漬けておきました。
しいたけは、フライ返しでぎゅっとフライパンに押しつけて「キュウ」という泣き声を出させるのが、noteお料理仲間のお約束。美味しいきのこじるが出ます。
茹でたパスタを投入 白だしと柚子胡椒の味付けにしました。
シャブリの白ワインと。

パスタにキノコとイカの風味がのりうつり、美味しい。フェンネルが好きなので添えてます。

コーヒーショップの女性と料理。『私』を壁の外側に留める魅力があります。

壁の内側は、心がないけど争いがなく穏やかで。大切な人もそこにいて。

壁の外側は、争いや悲しみがあるけど美味しい料理があります。

自分の大切なものがあるところが自分の場所なのかな。

文章から想像して創造するのは楽しい。

ありがとうございました。


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