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孤独と一番星|1月25日(木)〜1月31日(水)

1月25日(木)

産後の抜け毛がひどい。一人目のときも、ここまで抜けていたのだろうか。担当してもらっていた美容師が店舗を移動してしまったり、産前・産後でよゆうがなかったりしたせいもあるけど、半年は美容室に行っていない。ふつうなら、もともと毛量の多いわたしの頭は、これほど放っておくとかなり分厚くなる。ひとつ結びをすれば、ちょっとした納豆が入っている藁のようである。ところが今は、いつもの3分の2もない。先に出産を終えた友人が「わたしが歩いた場所、すべてに髪が落ちているんだよ……」と言っていたが、まさにそれ。洗髪する、たったひとかきで5、6本抜けるのだからたまったもんじゃない。日中床にころがる娘②は、毎日抜け毛にまみれている。そしてわたしは、娘①の艶々とした髪をといてやるとき、1本も抜けないことにおどろいている。

1月26日(金)

1日中仕事をしていた。忙しい。

1月27日(土)

実家で体調不良が続出らしく、たいへんだと妹からLINE。さらに極めつけが、父がなにひとつとして家のことができないことだ。母が倒れたらどうするか。コロナだけでなく、今後考えないといけない課題でもある。

1月28日(日)

娘①は時代の子どもらしくYouTubeが好きだが、最近は家をセルフビルドするチャンネルにハマっているらしい。寝る前に1、2本ほど、夫のスマホを借りて見ている。
今日はソロキャンパーの映像を見ていた。車中泊できるよう、ミニバンの後ろなどを改装した車での1日を紹介するもので、付き合って見ている夫が言うにはキャンプというより「ほぼ家」なのだそうだ。娘①はこれをガチで住んでいると思っている。
少しだけ隣で一緒に見たが、とても興味深かった。車中泊での生活を切り取ってみせるものだけど、いろんなアングルで映像を撮っているのがわかる。シーンが変わるたびに、カメラの位置を変えたり、ものを動かしたりしている(当たり前だけど)。つまり素の生活ではない、生活らしいものをつくっているわけである。ただ、映っている人は素人なので、レンズを前に演技もしないし、でも他者の視線は意識はしているので、ふだん通りのふるまいもできない。ところどころ、映っている人が「無」になっている瞬間があって、これは思考や動きを削ぎ落とされてしまっているのでは……? と思った。わたしはYouTubeをまったく見ないのだけど、自分がなぜYouTubeが好きじゃなくて見ないのか、という理由もようやくわかった気がした。

夫が昨日「僕らって、手に職あると思う?」と聞いてきた。手に職というと、なんとなく資格を持っているイメージがあるよね、とのこと。わたしたちふたりは資格職じゃないし、取得しようと思っても、該当するものがない(プラスアルファになる専門的なものはあるとは思うが。たとえばライターなら「⚪︎⚪︎検定⚪︎級」とか)。ただ、そもそも資格を取得したらできる仕事でもないし、ある程度場数的な訓練が必要な仕事でもあると思う。役どころが曖昧だけど、全員がいつでも好きにできるわけじゃないから、それは手に職なんじゃない? と話していた。編集や執筆はできると思われがちだけど、やっぱり「ノー編集だな」と思うメディアって結構あるし、文章は書けても差はあると思う。わたしは下手な部類。
YouTubeも同じような気がする。YouTubeとしての編集や演出はあると思うけど、差は結構あるし、ノー編集、ノー演出みたいなものを見ると、わたしはちょっと楽しめない。案外誰でも撮って配信できる、生やさしい世界ではないなあと思う。とても良いチャンネルに当たるにはかなりの情報のなかを泳ぐ必要がある(し、それもわたくしとしては面倒くさい)。娘①は何を面白く見ているんだろう? と気になって聞くと、今回は「ご飯を炊くことに失敗した」シーンと「眼鏡を忘れてしまったかもと焦る」シーンが面白かったらしい。失敗話こそ盛り上がるのは「徹子の部屋」と一緒だね!

1月29日(月)

芦原妃名子さんが亡くなったというニュース。あまりに悲しくてやりきれない。

『砂時計』は、今まで繰り返し読んだ漫画のひとつだった。それをきっかけに、中学生のころ仁摩のサンドミュージアムも連れて行ってもらった。大きな砂時計を真上にしたときの、奇妙な静けさを覚えている。あの空気感は漫画の中のそれと同じだった。
今でも、「1番星」の話を読むと泣けてしまう。繊細な作品だった。繊細さをそのまま書いた作品だった。

大人になって『セクシー田中さん』で、芦原作品に再会したときは本当に嬉しかった。大人になると恋愛は難しくなるよねとか、女性は妙齢になると結婚や子育てを射程に入れ始めるよねとか、そういう単純な話じゃなく、わたしたちの生きづらさをたらしめるものはなにか、をていねいにすくっていた。

すべてのキャラクターや、エピソードに思い入れがある。田中さんたちの続きに二度と会えないことを、寂しく思う。
悲しくて言葉がまとまらない。
いまはどうか安らかに眠ってください。

1月30日(火)

我が家のメロディメーカー、メロディ工場の工場長こと娘①は、毎日なにかしら歌をつくって歌う。わたしにとっても、日々のささやかな楽しみだ。
その多くが即興なのだが、予測不可能なパフォーマンスが最高すぎる。体はマイケルジャクソンのように軽やか、メロディは筋肉少女帯のようであり、芸風は永野(芸人の)のようである。

1月31日(水)

がっつりと仕事の締め切りが重なってしまうことが結構あって、今日はまさにそれ。合間に銀行に月末の支払い2件、娘②の寝かしつけ。今年の終わりを考え出す。明日から2月。

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