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【読書】『話す力』を読みました 看護の仕事

看護師の仕事は、医師の補助と患者さんの療養上のお世話であると法律で定められています。
医師の補助も、診察のお手伝いから、注射や検査の指示をうけて実際に行なったり、手術の時の補助(メスっとか言われて、ハイっと渡すとか)まで幅広いです。
患者さんのお世話も、車いすを押すとか体の向きを変えるとか、お風呂やご飯のお手伝いなど、日常生活のお手伝いをすることから、様々な業務があります。
その中で、大事にしているのが患者さんとの対話です。
患者さんが困っている症状を聞き、聞き漏らさないようにします。
この症状には、どんな病気が隠れているのかと頭で考えながら聞き取ります。いくつか考えつく病気を想定しながら、こちらからも質問していきます。
今その症状がなかったり、患者さんが言い忘れていることもあります。

体の症状以外にも気持ちを汲み取ることがとても大切です。
治療に対しての気持ちや家族とのこと、時には死に対する思いなどを話したりします。
患者さんは、いつでも、誰でもお話ししてくれるわけではありません。
時には、世間話をして、緊張をほぐしたりします。
タイミングも大切です。医師から病気の説明があったあと、病院に来たときの表情を見て、何か話したいことがあるのではと察したりします。
このあたりは、定義付けられない感覚みたいなものだったりします。
なにもない状態でも、今後のために患者さんのお話を聞いておかないといけないことが多々あります。
そんな時には、しっかりと説明をして聞かせてもらいます。
これらすべてを情報収集と言います。
そして、この情報収集は患者さんだけが対象ではありません。
家族の方だったり、付き添いの施設の方だったりします。
おうちでの様子だったり、患者さんの代わりに困っていることを教えてくださったり。
家族の方自身の困りごとだったりも聞いたりします。
そこで、解決策を考えたり、ただただお話を聞くということもあります。
誰かにお話しをすることで、気持ちが楽になったり、考えが整理されることがあります。

仕事の時に限らず、人の話を聞くには自分がどんな風に話しているのかも大切です。
そんなことを振り返りながら読んだのが、阿川佐和子著『話す力』です。
相手の話のリズムに合わせたり、苦手な相手との会話をはずませるには相手を褒めるなどなど。
分かってはいるけれども、具体的な例で説明されていたのが、距離感についてです。
聴きたいことの本質を最初から質問するのではなく、打ち解けてから聞くとか、いつも親しく話していても大事な場面では丁寧語で話し、距離を遠くしたり、いつもは敬語で話しているところで気持ちの高ぶりとともに自然にでるタメ口だったりは効果的とのこと。
認知症のお母さんとの対話の特徴も双方が幸せだなと感じた内容でした。


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