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サンタさんを見た?クリスマスの思い出

もうすぐクリスマス。
クリスマスと聞くと、プレゼントを贈ったり、定番のクリスマスソングを思い出したり。
ここ数年は、クリスマスソングを聞くと、「もう今年も終わりだ、一年あっという間」と、毎年同じセリフを口にしてしまうけど。

子供の頃は、サンタさんが家に来てくれると信じていた。
煙突を通ってくるというけど、うちの煙突は人が通れるほど太くないのに、大丈夫なのかと心配であった。が、それ以上深く考えないのが、子供のいいところ。
(私が子供の頃は、デパートやおもちゃ屋さんのサービスでサンタさんが家に来るという事業などはなかった。)

クリスマスの夜には、ごちそうやクリスマスケーキを食べて、シャンメリー(子供用のシャンパン)を飲んで、いつもとは違うにぎやかな夜を家族と過ごす。
しかも、朝起きたら、プレゼントが届くという。
どうしたって、浮かれ気分だ。
子供の頃の私は、夜遅くまで起きていたい派だったので、いつまでも起きて楽しく騒いでいたい。(妹は時間にちゃんと寝る派)
全然眠たくないけど、「早く寝て、いい子にしていないとサンタさんは、来ないよ」と両親にお決まりのセリフを言われて、それもそうかと思い直し、「お願いしたプレゼント、ちゃんと持ってきてくれるかな」と、思いながら素直に寝ていた。

ある年、おそらく小学校に上がるか上がる前の年のクリスマス。
妹も友達も、誰も見たことがないサンタさんを一目みたいと思った。
私は絶対に見たい。
そして、みんなに「私、サンタさんを見た」と、言いたい。
そう思ったら、やるしかない。
サンタクロースが来るまで起きていると決心した。
家族にも、「今日はサンタさん見るまで寝ないから」と、宣言して布団に入った。母は、「何言ってるの。寝ないと来ないんだよ。」と、また決めセリフを言ってきた。
サンタさんは、寝ている子供のところに来るので、布団に入って寝たふりをすることにした。
暗い部屋に親が見回りに来る。先に宣言もしているし、寝息じゃないのが、親はわかっていて、「早く寝なさい」と何度か注意された。
そうは言っても、寝れない。眠くもならない。
だから薄目を開けていた。

ガサガサと紙のこすれる音と人影が見えた時に、「あ、見えた」と思った。
でも、暗くてシルエットしか見えない。
黒い人影だけが見える。でも、親とも違うように見える。
やっぱりサンタさんだ。と、思った。
そのすぐあとから、母がいるのが見えた。いつも見ているからか、暗くても母だと分かり、「今、サンタさん見た」って声をかけると、びっくりしたあと、「まだ、起きてるの!」と、怒っていた。
頭の上に手を伸ばすとプレゼントもあったので安心してそのあとは眠った。
ピュア・オブ・ピュア、純粋無垢だった私は、しばらくサンタさんを見たと思っていた。
翌日は、友達に念願だった「サンタさん、見れた」を言いまくった。
クリスマスじゃなくても、サンタさんの話になったら、「私、サンタさん見たことある」って言っていた。

サンタさんが親だという事実が、ジワジワと忍びよってくる。
いつまでもサンタさんはいると思っていたい、信じたくない気持ち。
同級生の手前、そんなの知ってたと大人ぶりたい気持ちで入り乱れる。

本格的に親がサンタさんだという事実を飲み込んだ時、「私が、見たのは、誰?」。
暗くても、母のことはわかる。
父のことだってわかるはず。たぶん。
母はわかっても、父はわからなかったのかもしれない。
それとも、一瞬、私は寝てしまって、母がプレゼントを置きに来たのを寝ぼけて見間違えたのか。

このことは、いくつになっても親に聞くことができない。
掘り起こさない方がいいこともある。
自分の心にしまっておく。

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