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豪族の定義(土井先生研究メモ/ 忍たま)

古代豪族 (講談社学術文庫) https://amzn.asia/d/0P3j6mV

忍たまの土井先生を研究するにあたり、困難はいくつか(いくつも)ありますが、その最たるものが豪族。
豪族の定義が謎でした。 
それはこの本の著者も同じだったらしく、「豪」の漢字の定義を調べて、なんと唐時代の法律にまでいきついています。
(唐律=唐時代の法律の意味だそうです)

室町時代生まれの土井先生は、原作50巻の設定だと鎌倉時代の法然上人のバックボーンを重ねられています。
この本では平安時代の豪族までしか扱っていませんが、第一章まで読んで満足したので、ひとまずここで読書の記録します。

法然上人の出自は、豪族の押領使の息子となります。
摂津の福原出身なので、地方豪族ですね。

*朝廷豪族→貴族
*地方豪族→豪族(後の武士)

(当時の)法然上人は武家だと忍たまの原作50巻に記載がありますが、梅原猛先生の「法然の哀しみ」によると、母方は貴族で秦氏だったと記憶しています。
両親のどちらかが平氏。
(うろ覚えで書いてますが、驚いたので覚えています) 
めっちゃ貴種。

という事は、地方在住ながら中央朝廷の貴族文化も(土井先生は)母方から受けていた可能性がある…荒々しい武士気質ではない…?と推測されます。
(なお、土井先生は原作者の尼子先生に「優しくて忍者に向いてない」と評されたそうですが、ソースは不明です。)
「戦う保父さん」と尼子先生にあだ名されてると聞いた覚えはあります。どこかで読んだのかな?原作?
忍者に向いてない優しさの由来が、朝廷の貴族文化からだとしたら…ロマンですね。

*ただ、法然上人は鎌倉時代で、土井先生は室町時代なので…差異はそれなりにあるかもしれません。
*ていうか、室町末期だと公家は地方へ逃れたり、落ちぶれたりしてるみたいですからドリーム…?
(菊池寛の「応仁の乱」によると、蚊帳を夏服と言って、訪問者に会いたがらない貴族や畑仕事を始めた貴族がいたとか…
貴族の畑仕事エピソードは忍たまにもありました)

【追記】
蚊帳貴族はガセネタの可能性が出てきました。当時の蚊帳は高価で、
谷崎潤一郎の「乱菊物語」冒頭にもその様な描写があります。
https://www.amazon.co.jp/%E4%B9%B1%E8%8F%8A%E7%89%A9%E8%AA%9E-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%B0%B7%E5%B4%8E-%E6%BD%A4%E4%B8%80%E9%83%8E/dp/4122023351

時代の変化による矛盾が出てしまうから、忍たまミュージカル第12弾では赤児の頃から…(ネタバレ回避)となったのかもしれませんね。

でも、土井先生の考察が深まったかもしれない。 
やっと一つ、ですが。

土井先生の母上の想像図です↑ 着物は資料を見ながら描きました


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