読書中のノイズがあっても読書に影響なし?
読書中のノイズがあっても読書に影響なし?
読書をするとき、あなたはどんな環境を選びますか?
静かな図書館や自宅の部屋で、集中して読みたいと思う人もいるでしょう。
でも、カフェや電車など、周りがうるさい場所で読む人もいますよね。
読書には静かな環境が必要だと思っている人も多いと思いますが、実はそうでもないかもしれません。
今回は、読書中のノイズが読解力や読書スピードに与える影響について、ロシアのHSE大学の研究を紹介します。
研究の方法
研究者は、141人の参加者に、画面に表示された文章を読んでもらいました。
また、文章に関するテストを受けて、内容の理解度を測定しました。
参加者は、読書中に聴覚や視覚にノイズを与えられる場合と、与えられない場合とに分けられました。
聴覚のノイズは、読書中に三人が会話をしている音声を流すというものでした。
視覚のノイズは、読書中に関係のない文章が視界に入るように表示されました。
研究の結果
研究の結果、読書中にノイズがある場合とない場合とで、内容の理解度には差がなかったことがわかりました。
つまり、読書中に聴覚や視覚に邪魔が入っても、文章を理解する能力には影響がないということです。
これは、脳がノイズに対応できる能力を持っているからだと考えられます。
例えば、単語の最初と最後以外の文字の順番が入れ替わっていても、普通に読める現象があります。
これは、タイポグリセミアと呼ばれるもので、脳がエラーを修正する能力の一つです。
例『ももろたう』
このように、脳はノイズを無視したり、補正したりすることで、読書に集中できるのです。
しかし、読書スピードに関しては、ノイズの有無で差があったことがわかりました。
驚くべきことに、視覚にノイズがあると、読書スピードが上がったのです。
なぜ、視覚にノイズがあると、読書スピードが上がるのでしょうか?
研究者は、視覚にノイズがあると、脳が余計な情報を煩わしく感じて、『タスクを早く終わらせたい』という動機付けが働くと推測しています。
そのため、読書スピードが上がるのだと考えられます。
読書には静かな環境が必要とは限りません。
周りがうるさい場所でも読書を楽しめるようです。
読書はいつでもどこでもできる素晴らしい趣味です。
是非、読書を楽しみましょう。
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