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大気汚染が自殺を増やす

大気汚染が自殺を増やす

・大気汚染と自殺率の関係

大気汚染が自殺率に影響を与えることが、中国の研究で明らかになりました。
香港中文大学の研究チームは、中国全土1400ヶ所のデータを収集し、大気汚染と人口統計データを分析しました。

その結果、大気汚染のレベルが高いほど自殺率が高いことが判明したのです。

具体的には、大気汚染が悪化した週は、普通の時に比べて自殺率が最大25%上昇することがわかりました。
特に65歳以上の女性は、大気汚染により自殺のリスクが2.5倍に高まるという衝撃的な結果が出ています。

・大気汚染と自殺の関係

大気汚染物質であるPM2.5を吸い込むと、感情のコントロールが下手になったり、メンタルヘルスが悪化するリスクが高まります。
このようなメンタルの変化が、自殺につながる一因となっていると考えられています。

実際、中国では年間の自殺者数が減少傾向にあり、2010年から2021年の間に10万人あたりの自殺率が10.88人から5.25人へと大幅に減少しています。
研究者はこの減少の10%が大気汚染対策の効果だと分析しており、およそ46,000人の命が救われたとしています。

・大気汚染対策と自殺率の低下

中国政府は2013年に大気汚染対策を打ち出し、自動車の排ガス規制、公共交通機関の利用促進、石炭から天然ガスへのエネルギー転換、クリーンエネルギーの導入を進めてきました。この取り組みにより、大気環境が改善され、自殺率の低下につながったと考えられています。

ただし、自殺率の減少には大気汚染対策以外の要因も関係していると指摘されています。
所得の増加や文化の変化など、生活環境の改善も自殺率の低下に寄与していると推測されています。

・自殺予防に向けて

大気汚染対策は自殺予防の一助となりますが、さらなる自殺率の低下には包括的な取り組みが必要不可欠です。社会的サポートの拡充、メンタルヘルスケアの充実、豊かな生活の実現など、様々な側面から自殺予防に取り組む必要があります。

清浄な空気は健康的な生活を送る上で欠かせませんが、同時にメンタルヘルスの維持にも重要な役割を果たしていることがわかります。大気汚染対策と並行して、心の健康にも目を向ける必要があるのです。

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