見出し画像

塩分を減らすにはうま味が効果的……かも?

塩分を減らすにはうま味が効果的……かも?

塩は料理に欠かせない調味料です。
食事の味を調整したり、風味を引き出したり、保存したりするために使われてきました。
しかし、塩分の摂りすぎは健康に悪影響を及ぼします。高血圧や心臓病、腎臓病などのリスクを高めるだけでなく、むくみや肥満、老化の原因にもなります。
WHOは一日あたりの塩分の摂取量を5g以下にすることを推奨していますが、日本人の平均塩分摂取量は男性が11g、女性が9.3gと、かなりオーバーしています。
減塩は健康のために必要ですが、味気ない食事になってしまうのではないかと心配する方も多いでしょう。

そこで、塩分を減らしながらも料理を美味しくする方法をご紹介します。

それは、「うま味」を活用することです。
うま味とは、甘味、塩味、酸味、苦味に次ぐ第五の味覚で、食欲を増進させたり、満足感を高めたりします。
うま味の主な成分は、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸というアミノ酸の一種で、これらを含む食材を使うと、料理の味が深まります。

例えば、グルタミン酸は昆布やチーズ、トマトなどに多く含まれており、
イノシン酸は鶏肉や牛肉、カツオなどに多く含まれており、
グアニル酸は椎茸やポルチーニなどに多く含まれています。
これらの食材を組み合わせると、相乗効果でうま味が増幅されます。例えば、昆布とカツオの出汁は日本料理の基本であり、グルタミン酸とイノシン酸の組み合わせによって、豊かなうま味が生まれます。

うま味は、塩分を減らすのにも役立ちます。
東京大学や聖路加国際大学などの研究によると、食事の塩分をうま味に置き換えると、塩分の摂取量が減少することが分かりました。

塩分を30%、60%、100%の割合でうま味に置き換えた場合で試算しました。

その結果、塩分のすべてをうま味に代えると、一日あたりの塩分の摂取量が12.0%~21.1%減少します。

グラムに換算すると、1.27g~2.22gになります。

うま味を使うことで、塩分の摂取を抑えることができます。

もちろん、食塩をすべてうま味に置き換えるのは現実的ではありません。
しかし、うま味を上手に使うことで、減塩を効果的に進めることができます。
素材の持つうま味を引き出すために、適切な調理法や火加減を工夫したり、うま味のある食材や調味料を組み合わせたりしましょう。
また、塩分の少ない食材や調味料を選ぶことも大切です。
例えば、塩分の高い醤油や味噌の代わりに、塩分の低いポン酢や梅干しを使うといった工夫です。

うま味は、日本の伝統的な食文化の中で培われてきた知恵です。
和食は、うま味を豊富に含む食材や調味料を使って、シンプルで美味しい料理を作ります。
和食は、世界的にも健康的な食事として認められており、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
和食の魅力を再発見し、うま味を活用して、減塩に取り組みましょう。健康のためにも、味覚のためにも、うま味を楽しみましょう。

#研究
#論文
#塩分
#うま味
#塩化ナトリウム
#和食
#日本人
#第5の味覚
#グルタミン酸
#グアニル酸
#イノシン酸

よろしければサポートをお願いします。 これからも良質な記事を投稿できるように頑張ります。