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礼儀はエサに左右される?【衣食足りて礼節を知る】

礼儀はエサに左右される?【衣食足りて礼節を知る】

人は生活に余裕がないと他人とまともに交流できません。
衣食足りて礼節を知るという言葉がありますが、これは人だけの特性ではないようです。
実は、イルカも同じように、エサの量によって社会的な繋がりが変わることが分かりました。
イルカの礼節についてアバディーン大学の研究を紹介します。

・イルカの社会性とエサの関係

イルカは哺乳類であり、人と近い社会を形成しています。
しかし、その繋がりは常に同じではなく、環境の変化によって変動することがあります。
その変化の要因の一つが、エサの量です。

アバディーン大学の研究者は、30年以上にわたって、北海のバンドウイルカを調査しています。
その中で、イルカの写真撮影を行って、仲間とどのように交流しているのか調べました。
また、海の天候とアトランティックサーモンの漁獲量のデータを使って、イルカのエサの量を推定しました。
それぞれのデータを照らし合わせて、環境の違いによる繋がりの変化を調べました。

・エサが少ないと交流が減る

その結果、イルカはエサが少なくなると、他の個体との交流が減っていました!

エサが豊富だと、食べ物で争うことはありません。どの個体もお腹一杯まで食べることができます。
争う理由がないので、社会的な繋がりも維持しやすいのでしょう。

反対に、エサが少なくなると、仲間同士でも食べ物を巡って争うことになります。食べ物に困るので、社交をしている場合ではありません。
それに、近場にエサがないと遠方のエサがある場所まで向かわないといけません。移動する時間もかかるので、イルカ同士で井戸端会議をしている暇がなくなります。

・イルカも人も同じ?

この研究は、イルカの社会性について新しい知見を提供してくれます。
イルカも人も、生きていくだけの食べ物がないと、礼儀どころの話ではありません。
まず、食料問題を解決しないと、遊びにかまけている時間は作れません。

衣食足りて礼節を知るという言葉は、イルカにも当てはまるのかもしれません。

もしかしたら、水族館に飼育されているイルカが人懐っこいのはお腹一杯に食べることができるからかもしれません。
食べ物に困ることがないから、人とも積極的に交流してくれるのかもしれません。

あなたも野生のイルカと仲良くなりたければ、エサを用意しましょう。お腹が膨れれば、積極的に遊んでくれるかもしれません。
餌付けこそ正義とは言いませんが、イルカの礼節はエサに左右されることを忘れないでください。

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