悪い習慣を断ち切る3つの科学的テクニック #習慣編4
前回までで良い習慣を身につけるための様々なテクニックをお伝えしてきました。
今回は悪い習慣対策についてお話ししたいと思います。
・喫煙
・間食
・飲み過ぎ
・SNSを長時間いじる
・etc…
悪い習慣を直したいけど、なかなか直せない方も多いのではないでしょうか。
様々な研究で新しく習慣を作るよりも、悪い習慣を直す方が難しいことがわかっています。
新しいことを始める方が、やめるよりも簡単ということですね。
とはいえ、新しい習慣もできてないのに、それじゃあ悪い習慣なんて直せないじゃんと思うのは早計です。
悪い習慣を直すためのパターンやテクニックがありますので、それらポイントを押さえていけば、悪い習慣も直していけるのです。
これらテクニックも実際に数々あるテクニックやコツから科学的に効果があり、かつ実際に私が使ってみて、効果があった方法を具体例も共にお伝えしていきますね。
*よくある勘違い
悪い習慣をやめるには意志の力だけでは不可能!?
悪い習慣をやめようと決意し、目標を立てたのに、なかなか実行できない。
そんな経験をしたことはありませんか?
多くの人が、意志の力を使ってやめようと考えます。
しかし、これはよくある勘違いです。
前にも説明した通り、様々な研究でわかっていることは
人間の意志の力は弱く、感情や環境に大きく影響される
目標設定の力は、習慣が根づいていない時には効果がでやすい
一度習慣化した悪い行動は、意志の力やモチベーションだけでは変えにくい
禁煙の研究でも、次のような結果が明らかになっています。
喫煙が強い習慣になっていない人は、自分の意志でやめることができた
強く習慣化している人は、意志が強くても大多数がやめられなかった
習慣が深く染み付いている場合、たとえ意志の力を発揮しようとしても、過去からの行動パターンに引きずられてしまうことが多いのです。
習慣を作る上で、目標を設定し、強い決意を持つことは確かに重要な要素ではありますが、それだけでは必ずしも成功につながらないということが明らかになっています。
目標を守れない自分に落ち込むのではなく、行動を変えることの難しさを受け入れつつ、粘り強く取り組むことが大切です。
そのためにも、意思の力に頼るのでなく、正しい知識とテクニックを使って悪い習慣への対策をしていきましょう。
大原則:悪い習慣が始まるトリガーに注目しよう
悪い習慣を改善するには、悪い習慣行動ではなく、その行動のきっかけとなるトリガー(引き金)に注目することが最も大事です。
if thenルールの紹介の際にもお伝えしましたが、「AをしたらBをする」というものです、このAがトリガーになり習慣行動を強く形成していくわけです。
つまり、トリガーを意識することで、良い習慣を作ることにも悪い習慣を断つことに使えるわけです。
多くの方が気づいていないのが、悪い習慣を促進するきっかけとなる「トリガー」の存在です。
目の前に大好物のものがあれば、抗っていても、最後には勝てなくなってしまうようなものです。
習慣のトリガーには、場所、時間、環境など様々な要素が関係していて、
例えば、特定の場所で習慣的に行動してしまう、ある時間帯になると習慣的なもの行動をとってしまうなど、トリガーは多岐にわたります。
習慣を改善するためには、これらのトリガーを特定し、回避する方法を考えることが重要です。
トリガーを意識できれば、悪い習慣を断つことも可能になってきます。
自分の習慣のトリガーを認識することから始め、下記3つのテクニックを使って悪い習慣から抜け出すことができるのです。
トリガーを避ける(対策1)
長期視点で行動を見つめる(対策2)
別の行動に置き換える(対策3)
トリガーには一つずつ取り組もう
トリガーを利用して、悪い習慣行動を断つ話をしましたが、このトリガーはたくさんある場合も多く、
先ほどのSNSの使いすぎや間食をする場合でも、たくさんのトリガーが考えられます。
たくさんのトリガーには一度に取り組むよりも、一つずつ取り組んだ方が効果が高いことが研究で明らかになっています。
お菓子の食べ過ぎに悩む女性を対象にした実験で、3つのグループに分けて調査しています。
特定のトリガーに注目、対策するグループ
複数のトリガーに注目、対策するグループ
特に対策を取らないグループ
結果は特定のトリガーに注目したグループのみ、お菓子の食べる頻度が減少。
複数のトリガーに対策したグループは、対策を取らなかったグループと大差なしという結果になりました。
つまり、悪い習慣を改善するには、一度に複数のトリガーに取り組むのではなく、一回ずつ特定のトリガーに注目し、その間に対策を講じることが効果的だということがわかります。
身につけるときも同様に、一度に一つずつ小さく始めることが重要ですね。
悪い習慣対策①:原因を遠ざけよう
悪い習慣行動の中には、お腹が空いたときについ間食してしまうなど、肉体的な欲求に基づいているものがあります。
このような悪い癖を克服するには、その原因を遠ざけることが効果的なことが研究によってわかっています。
なぜなら、肉体的な欲求に注意を向けすぎると、かえって欲求が膨らみやすくなってしまうからです。
悪い癖の原因を遠ざける考え方はシンプルです。
悪い癖を引き起こす原因そのものを最初から遠ざけてしまうのです。
例えば、お酒を飲む量を減らしたい場合、自宅にお酒を置かないようにしたり、外出時にお酒を飲む機会自体を減らしたりすることで、物理的にお酒を遠ざけることができます。
肉体的な欲求とは少し異なりますが、ネットで買い物をしすぎるのをやめたいという悪い癖などでも使えます。
この場合は、つい買い物をしてしまうサイトのお気に入り登録を削除したり、ショットカットや履歴表示を消しておくことで、遠ざけることができます。
このように、肉体的な欲求に基づく悪い癖を克服するには、原因を遠ざけることがポイントとなります。
自分の悪い癖がどのような欲求に基づいているのかを見極め、その原因を遠ざけることで、効果的に悪い癖を断ち切ることができるのです。
悪い習慣対策②:未来の自分から問いかけよう
このテクニックは、悪い習慣に手を出してしまうトリガーに気付いたときに自分自身に問いかけるものです。
例えば、普段から読書量を増やしたいと思っていたとします。
ただ本を読もうと思うときに、スマホを触って友人からの連絡に返信をしたり、SNSをチェックしてしまいます。
ということは、スマホを触っている行動が、読書量を減らしている原因の一つ(きっかけ)と考えられます。
そこで、なぜ今スマホを触ろうとしているのか、本当に今触らなければならなのかを自問します。
今スマホを触っているのは楽しいけど、未来の自分は読書でなく、スマホを触っている自分を見てどう思うかと問いかけるのです。
人は目の前の欲求を満たすことの方が、将来的な結果よりも価値があると判断してしまいがちです。
そこで、未来の自分、わたしは10年後の自分を想像して、スマホを触ってSNSをいじっているより、読書をしている自分を誉めるだろうなと考え、できるだけ読書をするようにしています。
長期的視点に立つことで、悪い癖をやめて、手に入れられる未来の価値が大きく感じられるのです。
悪い習慣対策③:悪い行動を上書きしよう
冒頭でもお伝えした通り、悪い習慣を直すよりも良い習慣を作った方が簡単とされていますが、これは一旦習慣化した行動は簡単に変えることは難しいと言えます。
「〜しない」を考えているということは、自然とやめたい行動に意識が向いてしまっており、高いレベルでのセルフコントロールが必要になってしまいます。
そうなってしまうと、意志力を使い果たしてしまい、どこかでやめたい行動を抑えることができなくなってしまうのです。
そこで、悪い行動を別の行動で上書きしてしまいましょう。
なぜならif thenルールのときにもお伝えしましたが、
「AをしたらBをしない」よりも「AをしたらBをする」の方が
習慣化しやすいことがわかっているからです。
ではどのような上書き方法があるか一緒に見ていきましょう。
スナック菓子を食べない → お腹が空いたらナッツを食べる
スマホを寝る前に見ない → 寝る前には、本を読む
飲みすぎない → お酒を1杯飲んだら、次はお茶や水にする
わたしも試していますが、トリガーを見つけて、やめたい行動を別の良い行動に変えるのは効果が高いと実感しています。
特にわたしはスマホを触ってしまい、ネットサーフィンやらSNSなどに時間を使ってしまっていたのですが、この行動をやめたいと思い、スマホを触る代わりにKindle端末を触るように上書きしてみました。
これだけで読書量が増え、スマホを見る時間を減らすことができました。
他にもたくさんの方法があると思うので、色々試してみてください。
具体的な対策例
ではこの3つのテクニックを使って、どのように悪い習慣行動に対処してくかを見ていきましょう。
間食を減らしたい場合
トリガー:目の前にお菓子やスナックがある、食事の間隔が空きすぎて空腹感がでる、仕事や人間関係のストレス
対策:家に間食になるようなスナックやお菓子を置かない、もしくはヘルシーなおやつを置いておく、規則正しい食事時間にする、自分にあったストレス解消法を見つける(運動、趣味、瞑想など)
SNSの使いすぎを改善したい場合
トリガー:暇な時間、通知音、友人の投稿
対策:スマホや電子機器を物理的に触りづらい場所に置く、アプリの制限をする、暇な時間はSNSではなく、kindle端末で本を読むなど他の趣味に時間を使う、通知音をオフにして、友人の投稿を見る時間を制限する
これら以外でも色々と工夫できると思いますので、ぜひトライしてみてください。