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音楽が繋いでくれたもの。

子どもが早く大きくなるといいな〜。
..と思ってた1つに、保護者同士の
お付き合いがあった。
人付き合いが苦手でも、
子供が絡むとそうもいかない。

育児は今だけしか体験できない、
子どもとの大切な時間。
成長を大事に味わう時期だ。

私の個人的な苦手の為にそう思って
しまうのは申し訳なかった。

しかし、この憂鬱が一変する年があった。

2子目が年少の時。
園の役員になった。
卒園までの3年間のうち、どこかで
園の仕事につかなければならなかった。

年長児になると謝恩会など行事が
前年より増えるので早いうちに
終わらせておこうと手をあげた。


役員決めが終わった数週間後、
親子バス遠足があった。
行き先は遊園地。
気が重い。

慣れてない人達と同じバスの中で
数時間。
まったく知らない人ならかまわない。
中途半端な顔見知りは逆につらかった。

隣の席になった方と何を数時間も
話していいのかわからない。
挨拶と天気と子どもの話くらいで
ネタは尽きてしまいそうだ。

バスの座席は園で割り当てられている。
子ども達は子ども達同士前へ…。

よし!
バスの中では、最近多忙が続き
疲れてました..設定で眠ることにした。

隣の方はとても優しかった。
「着いたら起こしますねっ!」
て言ってくれた。
ちょっと罪悪感…。

そんな中でたまにバス内イベントが
発動される。
自己紹介タイム、歌を歌おうタイム、
クイズタイムなど地獄だったが乗り切った。

バスに揺られに揺られた頃。
到着。
降りたら自由行動。
数時間ぶりの開放感にほっとした。

子どもと2人。
まずお弁当を食べよう!と場所を探す。
しばらく歩くとちょうど木陰で
誰も周りに人がいなさそうな所が
あった。
シートをひいてお弁当のフタを
開けた時だった。

「一緒にいいですか?」

声がしたので、見上げてみると、
見覚えのあるお母様だった。
今回一緒に役員をする方の1人。
見かけは物凄くしっかりしてそうなお母様。

ドキドキした。

とりあえず「どうぞ。」と返答した。

彼女はそれほど口数が多いわけでもない。
無言の時間が長かった。

どうしよう…何話そう…。

そのまま頭の中はぐるぐる。
子ども達の話を聞きながら
うなずくような感じで食事を終えた。

一息ついた頃、
「メアドと携帯番号交換してください。」
彼女はそう言った。

LINEは役員連絡網で交換してたけど…。

「もし、アカウントが消えたら連絡
         つかなくなるので.…」

なるほど!
ぬかりないお母様だ(汗)

断る理由もなく、お母様とメアド交換
してた時にふと気づく‥。

私は音楽が好きだ。
クラシックもジャズもポップスも、
いろんなジャンル好きだけど
ロックは特に好き。

このアドレス名は…!

あるバンドを連想させるアドレス。
恐る恐る聞いた。

「もしかして○○○…ってバンド
           好きですか?」

お母様は答えた。

「はい!独身の頃は毎年フェスに
          参戦してました。」

黒髪でキリッとした見かけと後で話に聞く
やっぱり見かけ通りお硬い職業をされてた
お母様。

渋くてハードロックな彼女の好きなバンドと
彼女自身のギャップがたまらなかった。

年齢も偶然同級生。

その遠足以降、お互いなんとなく似た所も
あって子どもと関係なくいい友人関係を
築いている。

テンポや距離感も丁度いい。

彼女が仕事帰りにポストにCDを
入れてくれていた時もあった。

「好きかなと思って…」

口数も少ない彼女だけど、たまに
見せてくれる心使いがたまらない。

そしていつかお互い子育てが落ち着いたら、
一緒にフェスに行こう。
とふんわり約束をした。

そういえば、何故私に声をかけたのか
後で聞いて見たところ…

「なんとなく?」

なんだそうだ。

なんだろう…
おかげでPTAも悪くないと思えた。

          




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