車えび🦐小児科医

しがない小児科クリニックの院長代理です。小児科専門医。

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最近の記事

小児科クリニックの衰退

勤務先の小児科クリニックも岐路に立っているようだ。 年々出生数の低下による患者数の減少、ワクチン普及による感染症の減少、固定費(テナント料、人件費)の増加により、前年度の売上は過去最低だった。 さらには、この頃はグループ経営の小児科の進出も目立つ。専攻医やママさんパート医などバイトの小児科医で回すスタイルである。 このような流れで、オールドタイプの小児科の駆逐されていくのだろう。 今年1年の売り上げで、来年度以降もクリニックを続けるか決めるようである。 同期や後輩も

    • 雨の日の小児科

      雨の日は、患者さんが遠のく。 小児科クリニックだとそれが顕著だ。 今日は大雨だったのもあり、患者数が普段の1/4になった。閑古鳥がけたたましく鳴いている。 雨だと受診しなくても良いレベルの軽症ばっかりなことの証明でもある。 言ってはなんだか、小児科受診のほとんどは、寝てれば治るのがほとんどだから…。 雨だとお子さんを連れて、わざわざクリニックに行くのが大変という保護者の気持ちも分かる。 雇われの身なので、患者数が少ないのは、楽で良い。だが、経営者ならば、動悸がしそうだ。

      • クリニックのゴタゴタ

        今勤めている医療法人のクリニックでゴタゴタがある。 理事長=院長先生=管理医師(女性)で、事務長が夫なのだか、二人の夫婦仲が悪化して、経営で揉めているようだ。 雇われの自分には関係のない話だと思っていたが、今後院長先生は引退も考えているようで、その後の管理医師を自分にしてくれないかという話も出ている。 夫の事務長は医師ではないので、現院長が引退すると、管理医師が出来ないのだ。 ただ、実際的な経営はほぼ事務長が担っており、院長先生自体に経営の実態はない。 夫婦で医療法人

        • 若手小児科医・志望へのおすすめの1冊

          小児科志望研修医から専攻医1-2年目レベルへのおすすめの本です。 小児科は内科に比べてエビデンスが乏しく、小児科医自体が内科医よりEBMの浸透がゆるめの印象です…。 研修医から専攻医レベルのときに、必要な本って、エビデンスがのってるけど、筆者のやや断定系の意見ややり方がのっている本だと思うんですよね。 大学やこども病院ではなく、クリニックレベルから市中総合病院小児科レベルを想定しています。 そのような環境での、救急対応と入院症例への対応が知りたい内容になるかなと思います

        小児科クリニックの衰退

          ミニマム開業?クリニック承継?

          この頃、開業したい気持ちも出てきた。 責任のない雇われの日々も悪くはないが、診療にあれこれ言われたり、頑張ってもお金に直結しないのでやる気があがりにくい。 ただ小児科だと人口減のスピード的に、今から初期投資をして回収できるほどではない気もする。 そう考えると、超ミニマム開業か承継かと思うようになった。 小児科でミニマム開業するなら、どうするのがよいのか。小児科は9割風邪なので、迅速抗原検査と炎症反応が分かる簡易の血液検査さえ出来れば、ほとんどの患者を網羅できる。 自分で血

          ミニマム開業?クリニック承継?

          2つの医局へ入局したが…

          僕は一度転科(厳密にはダブルライセンスなので、転科ではないが…)しているので、並列で2つ医局に入っていた。 2つの医局に入ったことで、みんなの言う医局がヘテロな概念だと気付いた。医局ごとにかなり違うのだ。   当たり前の話で、医局は中高の部活だ。野球部、サッカー部、パソコン部、卓球部は全然雰囲気違う。 ハードな練習をするところもあれば、幽霊部員でも許されるところもある。簡単に退部出来るところもあれば、なかなか辞めさせてくれず、嫌がらせをされるところもあるだろう。 結局、医局

          2つの医局へ入局したが…

          教授選と衰退する小児科

          最近、医局の教授選がありました。 私としては、医局を半分抜けているようなものですが、その動向を様子見していました。 もちろん誰が教授になるかも注目してましたが、教授選に出馬してない有象無象からそこそこ偉い先生までの動向の方が面白かったです。 教授選のどさくさにまぎれて、かなり多くの先生が医局を辞めてました。開業する人や、クリニックや場末の病院へよりよい待遇を求めて、去っていく人たちを見て、感慨深い気持ちになりました。 小児科に関しては、身につけた専門性も大学病院にいない

          教授選と衰退する小児科

          「風邪」に何回もかかる理由

          こどもと言えば、「風邪」。 小児科と言えば、「風邪」。 クリニックにおいて、患者さんの8割は風邪の患者さんです。小児科医は、「風邪ですね~。」と1日何回も話すことになります。 そもそも風邪って何でしょうか? 小児科学の成書であるNelson(世界的に有名な本)に書いてあることを噛み砕くと、「鼻の症状がメインの上気道への急性ウイルス感染で、発熱等の全身症状が軽いやつ」です。 皆さんご存知の通り、ほっといても治りますし、薬もほとんど効き目ありません。 色々な研究でも、鼻

          「風邪」に何回もかかる理由

          雇われのしがない小児科医①

          僕は、クリニックの雇われのしがない小児科医だ。 雇われは総じてしがないので、しがないは蛇足かもしれない。 去年までは大学や総合病院の小児科で働いていたが、今年からはクリニックで働いている。 思い返せば、中学生のときには、医者を目指していた。「こどもの未来を救う!」と意気込んで、「小児科医になるんだ!」と熱く家族や友達に語っていたのを思い出す。 きっかけがあった訳ではなく、冴えない学生生活を送り、中二病でもあったのだと思うが、未来あるこどもを助ければ、自分の人生も何か意味

          雇われのしがない小児科医①

          赤ちゃんのおっぱいから...

          赤ちゃんのおっぱいからミルクが出たら、びっくりしますよね? 「お母さんの」ではなく、「赤ちゃんの」ですよ。 小児科医をしていると、お母さんから赤ちゃんのおっぱいから白い液が出たと相談を受けることがあります。 お母さんは病気ではないかと、びっくりされていますが、これは病気ではありません。 「魔乳」です! 英語では「witch's milk」です! 魔乳は母乳とほぼ同じ成分で、原因は妊娠中の母体ホルモンの影響です。 少し詳しい説明をすると、 産まれるまでにお母さんのホル

          赤ちゃんのおっぱいから...