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心マトリクスを活用した授業について



現代の教育現場では、単に知識を詰め込むだけではなく、児童、生徒たちの人間性や社会性の育成も重要視されています。
近年、心マトリクスを活用した授業が注目されており、私も実践を積み重ねている段階です。
今回も葛原祥太先生の生み出した中の一つの柱「心マトリクス」についてです。

色々な型が出てきています!



心マトリクスとは、縦軸に「考えてやる」と「考えずやらない」を、横軸に「信頼される人になる」と「信頼されない人になる」を設定した2軸のマトリクスです。今回は、この心マトリクスを小学校の授業でどのように活用し、その効果や実用性について詳しく考察します。

①心マトリクスの概要

心マトリクスは、個々の行動や態度を4つの領域に分類するツールです。具体的には、以下の4つの象限に分かれます。

1.考えてやる - 信頼される人になる
意識的に行動し、周囲からの信頼を得る人の領域。

2.考えてやる - 信頼されない人になる
意識的に行動するが、その結果周囲から信頼されない人の領域。
3. 考えずやらない - 信頼される人になる
無意識に行動しながらも、周囲から信頼される人の領域。
4. 考えずやらない - 信頼されない人になる
無意識に行動し、結果として周囲から信頼されない人の領域。

このマトリクスを用いることで、児童は自分の行動やその結果を客観的に分析し、改善のための指針を得ることができます。
また、子どもたちにもわかりやすい記号やマークを使って使用すると、浸透しやすく使いやすくなります!



②心マトリクスを小学校の授業で活用する方法

◎自己評価と反省の機会を作り出す
授業の一環として、児童に自分の日常の行動や授業態度等を心マトリクスに当てはめて評価させる活動を取り入れます。
例えば、特定の行動や出来事について「今の自分はどこに当てはまりますか??」と考えさせることで、自分の行動を客観的に見つめ直す機会が生まれます。
授業中に関係のない私語を始めた児童がいるときにも同様に指導することができます。
「だめだよ!」等の指導ではなく、子ども自身に考えさせ、判断させることに高い価値があります。
このような活動を取り入れることで、自分自身をメタ認知的に捉え、自己評価力と自己反省力の向上が見込めると考えます。


◎具体的な行動計画の策定
心マトリクスを用いた自己評価の結果を基に、信頼される人になるための具体的な行動計画を策定させます。
例えば、「次回のグループ活動では、もっと積極的に意見を言う」や「困っている友達を見たら、すぐに手を差し伸べる」といった具体的な目標を設定し、それを実行することで、実践的な成長を促すことができると考えます。

③心マトリクスを活用する効果

◎自己認識力の向上
心マトリクスを使うことで、児童は自分の行動や態度が他者にどのように影響を与えるかを理解するようになります。これにより、自己認識力が向上し、自分の強みや改善点を客観的に把握する力が育まれると考えます。

◎社会性の発達
他者から信頼されるためにはどのような行動が必要かを考える過程で、社会的なスキルやエチケットの重要性を学びます。これにより、他者との円滑なコミュニケーションが促進され、社会性が発達すると考えます。

◎ポジティブな行動変容の促進
自己評価と具体的な行動計画を通じて、児童は自分の行動を意識的に変える努力をします。このプロセスを繰り返すことで、ポジティブな行動変容が促進され、持続的な自己改善が可能となります。


④心マトリクスの実用性

◎教師の指導ツールとしての有用性
心マトリクスは、教師にとっても有用な指導ツールとなります。児童の行動や態度を評価し、フィードバックを行う際の指針として活用することで、より的確かつ効果的な指導が可能となると考えます。

◎長期的な教育効果
心マトリクスを継続的に使用することで、児童は自己評価と反省を習慣化し、生涯にわたって自己改善を続ける力を身に付けられると考えます。これは、単なる知識教育にとどまらず、児童の人間的な成長を促すための強力なツールとなります。


⑤まとめ

いかがだったでしょうか??
心マトリクスを小学校の授業で活用することは、児童の自己認識力や社会性の発達、ポジティブな行動変容を促進するために非常に有効だと私は感じています。
このように、心マトリクスは小学校教育において、知識だけでなく人間性や社会性の育成にも大いに貢献することができるのです。
また、個別協働の学習形態とも相性が良く、学びに向かう力、人間性等を育てるところにもつながると考えています。

今後の教育現場において、ますますその活用が広がることを期待しています。

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