見出し画像

答えを急ぐと答えは遠のく

私は整理収納と家計のアドバイザーの仕事をしている。
この仕事を通して、さまざまな人と出会い、いろいろな気づきをいただいている。
整理収納と家計のどちらにも共通していて、おもしろいなと思うことがある。
依頼のきっかけは人それぞれだ。
でも、ひとつ共通していることがある。
それは、人生をより良くしたい、という強い思いがあることだ。
何か糸口を見つけたいと踠いていたり、
不安を少しでも取り除けるのではないかと模索していたり。
人にはそれぞれ思いがあって、それはみんな微妙に違っている。
答えも人によって違うし、それを導き出す過程も全く違ってくる。

しばしば聞かれることがある。
「これは捨てた方がいいと思いますか?」
「これ、みんな持っていますか?」
「今後も使うと思いますか?」
「みんな貯蓄はどのくらいしているんですか?」
「家計簿はつけないといけないんですか?」
「投資はみんなしているんですか?」
「みんながしている(持っている)からこれは必要なんです。」
「SNSで、いいって紹介されていたから。」
などなど。
これらに共通していることは、
すべて主軸が「他人」になってしまっていて
自分の考えが入っていないということだ。
自分の基準が定まっていないのだ。
そして、もうひとつ。
この手の質問をする人は、答えをとても急いでいる。
私は粘り強く、聞かれたことに対して
「あなたは必要だと思いますか?」
「自分が使うと思ったら置いておいたらいかがですか?」
「投資はリスク許容度によって違いますけど、あなたはどうですか?」
じんわりと質問返しをする。
すると、そんなことより早く答えを教えて、とイライラした表情になる。
こうした人たちは、片付けてもまた同じ状態に戻るし、家計は改善されない。
ずっと同じ場所で踠き続けることになる。
対して、自分としっかりと向き合い、
一つ一つ丁寧にケリをつけていける人は、
片付けてからリバウンドの確率は限りなく低く、
家計は目を見張るほど改善されていく。
どんどん清々しい表情に変化していく。

答えは急いで見つけようとしたり、
他人や世間一般の答えをそのまま鵜呑みにしたりしても、
絶対にうまくいかない。
なぜなら、「本当の答え」を見つけたわけではないからだ。
結局、己と向き合っていないから、本当の自分が蔑ろになってしまっている。
そうすると、「本当の答え」はますます遠ざかってしまう。
堂々巡りを繰り返すことになってしまう。
遠回りしながらも「本当の答え」が見つかれば、しめたものだ。
急がば回れ、とはよく言ったものだ。

つまり、答えを見つけることは、自分を見つけることだ。
結局自分は自分しか知る由がないのだから、
他人からヒントを得ることはできても、答えを得ることはできない。
答えを急げば急ぐほど、蜃気楼のように遠ざかっていく。
答えは自分の中にある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?