相手を同じ方向に向かせるためのキーワードは「共感」
(読了時間:約2分30秒)
自分の中に知らない価値観をインストールするときにはそれなりの理解と共感が必要です。やみくもに袋に詰めても、いずれ破けたり溢れてしまったりするので。そんな話。
・その言葉の本質は伝わっていますか?
・火をつけるのは自分じゃない
・救われたひとこと
その言葉の本質は伝わっていますか?
甘い考えかもしれませんけど、聞いていただけますか?
自分の信念に沿って部下を動かすことは確かに素晴らしいことかもしれません。
「こうあるべき」「こうすべき」「プロだから」「お金を貰っているから」
こう言われれば、確かに「完璧な在るべき形」はそうかもしれないです。一寸の狂いもない、何も言うことがない、これこそザ・パーフェクトな組織。
ただし、これを実際に行うためには、関係者一同が同じ方向を向かなければなりません。しかも、ただ向くだけじゃダメで、その理由、ビジョンに共感した上で向く必要があります。
つまり、”やらされている感”を持っているってことは同じ方向を向いてないのと一緒ってことです。表面上の同意はサービス業において、そして、組織にて行うことに関してはかえってマイナスに働く可能性が高い。常に仮面を被っていることは出来ないので。だって、途中で息苦しくなりますから。
だったら、「なぜ?」「メリットは?」っていう自分の中での的確な答えがあった方が断然動きやすくないですか?自主的に動きたいと思えませんか?
「この髪型にしたら女子にキャーキャー言われますよ!」って言われたらそのヘアースタイルにしてみようって思いますよね?笑
でも、「いいからこの髪型にして!」って言われたら、理由もわからず、説明もされずに「どうしてこの髪型にしなくてはいけないんだろう・・」ってモヤモヤするはずです。
そこに「理由」があるかないかで一つの行動はたとえ同じ動きでも大きく意味が違ってくるんです。
共感できないルール、示されていない解答例、これらを「自分で考えて!」みたいに部下に振る上司。「ないわー」って思います。
守らなければいけないルールは日本では法律だけです。
難しい問いほど「これが答えなんだ」っていう解答例が必要な人が多いです。
それらをショートカットして急に「守れ」「こういうもんだから」って言われたって「何言ってんの!?」ってなりますよね?
「わかるしょ?」「簡単だよねって」って言われたって「わかるわけないじゃん!?」ってなりますよね?
車の運転は最初に基礎から教えられ、そして学科にて標識や車線のルールを学びます。その中で、「それはなぜダメなのか?」「こうすると事故になる危険性が高まるので」とかしっかりとした理由を聞き、深く理解するんです。その上で公道という名の本番にチャレンジしていきます。
説明がしっかりとなされた状態から本番を迎えるわけですよ。このプロセス、非常に蔑ろにされています。
理由は?それは簡単です。自分の”当たり前”を人に教えるって行為は疲れるからです。
子供に言語を教える時くらいの難易度だと思います。だって、その人の中には”当たり前”の用紙さえないのですから。書くにも書けない、むしろ当初は教わる気もない。教わったことが何かしらの役に立った時に初めて「知っててよかった」ってなるもんです。
火をつけるのは自分じゃない
「自然体の自分でいられないことによるストレス」
その偽った自分が素の自分だと勘違いされることほどややこしいことはないですよね?
パッと見や仕事中の姿が真の姿な人ばかりじゃないと僕は長年たくさんの先輩、後輩を見てきて感じていることです。
僕の中のよくある公式はこちら。
①普段「いつも笑顔で明るい子」
実際「部屋の端で音楽を聴いているような根暗」
②普段「クールで飾り気のない子」
実際「ひとりカラオケで大熱唱するようなパリピ」
③普段「天然でおバカさん」
実際「毎月貯金、将来設計に余念がない現実派」
特定の人にしか見せない表情や、特定の人にしか言わない本音、ありますよね?誰にでも平等に、同じように振舞える人は数少ない。その数少ない人たちは基本的に強気で振舞えない人たちを叩いてくる傾向にあります。
「どうして出来ないの?」
「なぜやらないの?」
「それでいいと思ってるの?」
どれもこれもなかなか厳しいですよね?
そして、言われた本人の本音はきっと、「やろうとしてないわけじゃない」ってことです。
上手に出来ない、カラダがついてこない。
どれもこれも原因はひとつ。自分に火がついていないからです。無理矢理モチベーションとかいう概念で持ってこうとするとうまくいかないんです。だってそこには真のモチベーションはないんですから。
そして、火をつける方法なんて基本的に誰かからの影響なものです。自家発電なんて基本無理です。種火は貰うもの。
救われたひとこと
上司部下と関係が上手に言っていない時。お店の空気が良くない時。はたまたプライベートで悲しいことがあった時。
自分のメンタルが周囲の影響でやられ気味な時、どうしても仕事のクオリティーに支障が出ます。エンジンがかからないって言った方がわかりやすいですかね。
それでも仕事は年中続きます。そして、僕たちはその貴重な中心選手です。述べ数千人の方々に素敵な時間を提供するという一大ミッションを日々追っているわけです。
でも、どうにもこうにも自分らしくいられない、情緒不安定だと感じ日もあります。心身ともに疲れが滲む、そんな夜もあります。
昔、同じような症状が続いていた時期、今も仲良しで、そして誰よりも尊敬している先輩にこんな言葉をいただきました。
「そういう時はさ、目の前のお客様にだけ集中すればいいんだよ」
「目から鱗とはまさにこの言葉の事を言っているのか!」と思ったくらいに頭がスッキリした記憶があります。
例えばラーメン屋だったらその時はずっと「トッピングどうしよ・・」「どんぶりはどんなデザインがいいかな・・」って考えてばかりだった感じです。ホントに大事なのは「麺」と「スープ」なのに。
バーでいう「麺」は「おもてなし」、「スープ」は「お酒」。
内装や商品群、メンバー構成など多々査定に入ることはありますが、基本は「美味しいお酒でおもてなしする」ことだと改めて気付いた瞬間でした。
「心の置き場所があるかどうか」がすべてです。置く場所がなかったらずっと持ち運ばなければいけない。故に疲れてしまいますからね。
ひとことで響かせる、ひとことで救える、ひとことで見いだせる、そんな人でありたいなと書きながら思う今日この頃でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?