優しい風に包まれて

ふんわりと優しく頬を撫でるように通り抜ける

不器用に空気が揺れて傾いていく

欠けていたピースが音を立ててはまる

木が少し煩い声で訴える

窓を開けるとカーテンがふわり

たんぽぽの綿毛が宙を舞う

時には

耳を突き抜けるような音を立てて屋根を浮かべ

人間に猛威を奮って食らいつく

いくら体を振るっても離れてくれない

手で押し返そうとしてもそこには何もない

本来は何も持たない

なのに私たちは感じている

そこにあると確実にわかっている

音や温度、そして空気

全てを乗せて

空を切る

ほんとうの君は何者なんだ

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