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「しそ」って10回言って? どら焼きに、しそ餅を挟むと…香り広がる「しそどら焼き」

本州最東端の街にあるけど西野屋です

こんにちは、はじめての方は、はじめまして。

本州でいちばん東にある街・岩手県宮古市、三陸鉄道の宮古駅から徒歩5分ほどのところで、「洋菓子・和菓子・パン」を扱う、小さな菓子店を営んでいます。

お店の名前は「西野屋」(にしのや)

当店の自己紹介記事はこちらです。よろしければ先に読んでいただけるとうれしいです。

今日は、宮古市にある「道の駅やまびこ館」様とのコラボ商品である、和菓子「しそどら焼き」を紹介します。

「片面赤しそ」とは?

この「しそどら焼き」には、「川井しそどら焼き」という名前を付けています。
「川井」は、当店がある宮古市にあって、隣はすぐに盛岡という、市内では西のほう半分ぐらいを占めている場所です。現在の宮古市は4つの市町村が合併しているのですが、合併前は川井村だった地域になります。

宮古市自体は、岩手県の中では三陸の沿岸地域になるのですが、川井は同じ宮古市の中でも北上山地という山の中にあたります。

日本百名山の一つ、早池峰山(はやちねさん)や、盛岡の人にもお馴染みの兜明神岳(かぶとみょうじんだけ)などがある、山と高原のエリアです。

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また、西の端のほうは区界高原(くざかいこうげん)になっていて、冬は本州でいちばん寒い場所の一つで、去年は最低気温の記録を更新しました。真冬は、マイナス20度ぐらいまで下がります。(ちなみに一番寒いのが、川井の北にある盛岡の薮川という地域です)

その区界高原では、高原の寒暖差がある気候を生かして、川井の特産品として、「しそ(紫蘇)」が栽培されています。

この川井のしそ、ただものではありません。

しそといったら、皆様が想像するのは、お刺身などに添えてある「青しそ」(ドレッシングとかにもありますね)か、梅干しと一緒に入っている「赤しそ」ではないでしょうか。

青しそは、大葉のことですね。お刺身の薬味になるぐらいですから、その香りや成分が特徴です。
赤しそのほうは、梅干しを漬けるときの赤紫の発色などによく使われていますよね。

青しそ、赤しそ、どちらももちろん「しそ」なのですが、この川井で栽培されているしそは、「片面しそ」という変わったものです。
これは、名前の通り、葉っぱの表側は青く、裏側だけが赤いというしそで、青しそと赤しその香りのいいとこどりをしたうえに、赤しその鮮やかな色も併せ持っているという特徴があります。

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この片面しそを、寒暖差が大きい川井の区界高原で栽培することで、肉厚なのに引き締まった、高品質なしそとして収穫されています。

収穫できるのも、1年のうち、7月と8月のたった2か月限りです。
収穫時期になった片面しそを、明け方にすぐ収穫して、その日のうちに塩蔵・あく抜きまで一気に済ませてしまうことで、最高の鮮度や香りが保たれます。

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その品質がどのぐらい評価されているかというと、あまり知られていないことなんですが、本場の和歌山で梅干しを漬けるのにも、実は川井のしそが使われていたりします。

しそ餅を餡と挟み込んで…

この川井のしそが持っている香りや味わいを生かした、宮古の新しいお土産品を作りたいという相談を、道の駅やまびこ館などを運営している川井産業振興公社様からいただきました。

そこで、しその香りや風味をよく引き出せて、かつ、クセが強くなりすぎないで誰が食べても美味しく感じていただけるよう、様々に試作を重ねて、2020年の末から販売を開始したのが、「川井しそどら焼き」です。

当店ではどら焼きを、職人が昔ながらの手焼きで作っています。

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型は使わずに、生地を丸く垂らして、片面が焼けたらヘラで1枚ずつ返して裏を焼きます。

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そうして焼いた大きめの皮に、たっぷり餡を挟むのが当店のどら焼きです。

今回は、しそのどら焼きということで、餡にそのまましそを混ぜた「しそ餡」がいいのか、皮のほうにしそを練り込むのかなど、色々と試してみまして、最終的に、しその風味をいちばん閉じ込められる方法として、細かく刻んだしそを練り込んだ餅を作って、その餅を餡に混ぜるという方法にしました。

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お餅を作るぶん、手間とお値段は少し増えてしまうのですが、そうすると、食感もよくなりますし、お餅の中にしその香りを封じ込めることができて、食べたときにはじめて口の中でふわっと香りが広がっていきます。

そうして、発売後も、お客様のご意見を聞きながら、お餅の形やしその量をちょっとずつ調整して、より香りを感じていただけるように工夫を続けています。

お買い求め情報

3月末に開通した、道の駅やまびこ館を通る「宮古盛岡横断道路」を記念して、5月からはパッケージも、他のどら焼きと違うものにリニューアルしました。
この道路の開通で、今までは2時間かかっていた宮古と盛岡の間が、1時間半ほどで結ばれるようになったんですよ。
川井エリアは、その真ん中の地域ということで、このしそどら焼きが、盛り上げに一役買ってくれるといいな、と思っています。

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ちょっと調べてみたのですが、しそとどら焼きという組み合わせは、全国的にも、あまり見かけないようですね。

これを機会に、岩手周辺の方はぜひ道の駅やまびこ館に足を運んでみて、お買い求めいただければ幸いです。

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遠方の方も、ぜひ一度、しそ香るどら焼きをお試しいただければと思い、当店のヤフーショッピングでも通販をしています。しその香り立つどら焼き、ぜひ、お試しください。

せっかくですから、全国にも、川井のしその魅力が伝わるといいな、と思います。

一つだけ、お気をつけいただきたい点です。
このしそどら焼きは、常温でも保存できるのですが、お餅が入っているために、あまり暑い場所に長時間置くと、お餅が溶けて崩れてしまいます。
冷蔵保管して、冷やしたまま召し上がっていただくのがおすすめです。
(イメージとしては、チョコレートをあまり暑い場所に置いておくと溶けてしまうような感じで考えていただくとよいかと思います)

また、宮古市のふるさと納税でもお申込みいただけます。

店頭では、国道106号線沿いの「道の駅やまびこ館」様などで販売しています。

その他にも当店の商品一覧はこちらです。


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