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本州でいちばん東の街にあるけど「西野屋」です。洋菓子・和菓子・パン屋の当店を紹介します。

■本州最東端の街にあるけど西野屋です

こんにちは、はじめまして。

本州でいちばん東にある街・岩手県宮古市、三陸鉄道の宮古駅から徒歩5分ほどのところで、「洋菓子・和菓子・パン」を扱う、小さな菓子店を営んでいます。
お店の名前は「西野屋」(にしのや)

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「本州でいちばん東の街」にありますが、お店の名前は「西野屋」です。ちょっと面白いなあと思って、気にいってます。
いつもどんなことを考えてお店をやっているのか、商品づくりをしているか。
少しでも知っていただければと思い、このブログを始めてみることにしました。

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■宮古市とは?

そもそも、宮古市をご存じない方も多いかと思います。
東北地方、岩手県の三陸沿岸にある、人口5万人ほど。本州で、いちばん東にある街です。

港町ですが、全国で11番目の面積があって、岩手県の山深い内陸部まで、ずっと宮古市となっています。
宮古市だけで東京23区全部よりも2倍も広いんですよ。

市内の有名な景勝地には、「浄土ヶ浜」や……。

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「早池峰山」(はやちねさん)があります。

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市内には、75kmの長さがある閉伊川(へいがわ)が、源流から河口まで流れています。
75kmというのは、首都圏でいえば「東京から小田原」ぐらいの距離感があります。それが全部一つの市内、ということで、宮古の広さを感じていただけるでしょうか。

宮古は、海も山も川もすべて揃っていて、自然の恵みは全国でも屈指の場所ではないかと思います。

■地域に親しまれるお店、地元のために

当店はその宮古市にある、小さな菓子屋・パン屋です。
2020年で、菓子店として創業してから87年を迎えました。

西野屋写真

ずっと、地元のお店、地域に親しまれるお店として代々やってきました。
現在は三代目で、家族や従業員一同で協力し合ってお店を切り盛りしています。

今までも、何より地域への貢献が第一でやってきました。
地元の人達に、おいしいものをたくさん食べてもらいたい。
地元が元気になってほしい。そういう想いを代々、受け継いでいます。

たとえば宮古の食材を使ったり、宮古地域の活性化につながるような商品づくりも大切にしています。

宮古は漁業の街ということもあって、「漁火」(いさりび)という、イカ粉末を練り込んだ和菓子など、おそらく他のお店ではなかなか見かけないような、地域密着型の商品も昔から作っています。

他にも、「鞭牛の道」(べんぎゅうのみち)という、くるみ入りの和菓子も、宮古市の歴史に残る偉人「牧庵鞭牛」(ぼくあんべんぎゅう)をイメージした商品です。

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最近は、東日本大震災の被害もありましたし、宮古市は人口が減ってきていたり、コロナ禍もあって観光も苦しいようです。
微力ですが宮古の力になればと、地元の会社同士でのコラボや、宮古の名前を広めるための外販商品に、少しづつ力を入れ始めています。

現在は、スーパーフードと言われている、三陸沿岸の海藻「アカモク(ギバサ)」を練り込んだホワイトチョコクッキー「ミヤブラン」が、外販向けの代表商品です。

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■商品づくりへの想い

商品作りに関しては、当たり前のことかもしれませんが、「味」や「素材」を重視しています

たとえばパンには、保存料を基本的に使用しません。
そのため日持ちせず、販売先が主に地元に限られるのが悩みでもありますが、おいしいものをそのまま食べていただくのがいちばんです。

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いちばんおいしいものをお客様にお届けすることは、大切なポリシーにしています。

もし、そのために多少、お値段が高くなってしまったとしても、おいしければまた必ず買っていただける。そう信じています。
※もちろん、大半の商品は、味やボリュームに対してお買い得、とお客様には評価いただいています。(……と信じています!)

■懐かしの「パン屋さん」「ケーキ屋さん」であり続けたい

当店の商品づくりでの最大の特徴は、「洋菓子」「和菓子」「パン」をすべて扱っていることかな、と思います。

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宮古で「西野屋」と言えば、「ケーキ屋さん」と認識している方もいれば、「パン屋さん」の方もいますし、「お茶うけの和菓子屋さん」と思っていらっしゃるご年配の方もいます。

「何屋さん?」と聞かれるとピンポイントで答えづらいので、ちょっとした悩みでもありますが、それでいい、とも思っています。

共通しているのは、地元、地域のためにおいしいものを作ること。
「西野屋なら間違いない」と皆様に思っていただけているのなら、それに尽きます。

当店の甘い系統の菓子パンには、洋菓子や和菓子の技術を生かしたものがあります。
和・洋・パンの技術がミックス出来るのは強みだと思います。

たとえば、和菓子の技術である「あん」や「もち」を使ったパンが作れたり。

「メロンあんパン」(メロンパンの中に「あん」が入っています)や、「もちデニッシュ」(デニッシュにもちとあんが入っています)は、ちょっと珍しいかもしれません。

パンの一番人気は、洋菓子の技術であるバタークリームと煮リンゴ(コンポート)を使った、「フルーツパン」です。
名前からは、フルーツサンドのようなものをイメージされるかもしれませんが、独特な形をした菓子パンです。ほぼ毎日召し上がっていただいているお客様もいらっしゃいます。

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他にも、プリンパンなど、個性的なパンを取り揃えています。

パンは、宮古市内の高校の購買でも、扱っていただいています。
そのため、学生さんの声を反映したものも多いのが特徴です。

食べ応えやボリューム感のリクエストにこたえるため、おそらく一般的な総菜パン屋さんと比べても、あまりないんじゃないかなという、ちょっと「ジャンク」なラインアップが結構あります。

たとえば……。

「たこ焼きパン」(パンに、たこ焼きが乗っています)

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また、当店のピザトーストには、なんと、唐揚げが乗っています!

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禁断の出会い、ですね。

また、宮古では「ケーキといえば西野屋」「西野屋といえばオレンジの袋」という方もいらっしゃいます。

※当店がふだん使うレジ袋は、オレンジのけっこう目立つ袋なんです。

西野屋アイコン

パンもケーキも、小さい頃から親しんだ味として、大人になってからもご利用いただいています。
そして親御さんが、今度は自分のお子さんに西野屋の味を伝えたくなる。
そんな期待に応えられるように、お客様の声やリクエストを、商品づくりに生かしていくようにしています。

■技術磨きと継承の悩み

田舎町の小さなお店ですが、技術に関しては、決して大きな町のお店にも負けないようにしているつもりです。

たとえば、最近では、「ルビーチョコレート」を取り扱うようになりました。
日本国内でも、「ルビーチョコレート」を扱っているパティシエさんは、まだ多くないようです。
やってみて分かりましたが、ルビーチョコレートは、すごく難しさを感じました。
特に温度管理(テンパリング)が、他のチョコよりシビアで神経を使います。
このように、技術へのチャレンジも日々、進めています。

いっぽうで、技術を継承していくのは課題です。
菓子の専門学校では洋菓子のパティシエ技術は学ぶ機会が多いのですが、和菓子の技術はやはりお店でしか習得できないことも多いです。
逆に言えば当店の場合は、洋菓子のスタッフとして入っても、希望があればもちろん和菓子の技術を教えられます。

たとえば、当店では、デコレーションケーキにジャムアートを描くサービスがありますが、これは、パティシエではなく、実は和菓子の職人が描いています。和菓子には芸術的で繊細な技術がありますので、その力を生かしています。

ケーキ作りやフルーツのデコレーションはパティシエが行って、お客様のリクエストをかなえる細かなイラスト描きは和菓子職人の技術で。和洋合作でやっています。

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宮古市は、東京から5時間近くかかります。
気軽に住もうと思えるものではないと思いますが、もし西野屋で働いてみたい、と少しでも興味をおぼえた方がいましたら、いつでも、まずはご連絡ください。

お菓子屋さんやパン屋さんというと長時間労働、のようなイメージがあるかもしれませんが、週休は基本2日、残業はクリスマスなどハイシーズン以外は、ほとんどありませんよ。
技術も、「見て覚えろ」ではなく、きちんと一つ一つ教えていきます。
岩手県なので、お給料は、どうしても控えめになってしまいますが、どれか一つ、ではなくて、いろいろなジャンルのお菓子作りを広く学んで技術を高めたい、と思う方にはうってつけだと思います。

■東日本大震災から十年で思うこと

東日本大震災での被災から、そろそろ十年となります。その間には台風でまた浸水したり、コロナもあり、もう復興だけを考えていればいい段階ではなくなったと感じます。次に進むことを考えて、宮古のことをもっと世の中に知ってもらうための販売方法を考えていきたいと思っています。

このブログのように、自分たちに出来る範囲で少しずつ、インターネットへの情報発信や販路拡大にも着手していきたいと思います。
また最近は、道の駅やスーパーへの卸し売り、地方発送を試行錯誤し始めています。

ただ、なんでもかんでも手を伸ばしたいわけではありません。西野屋の味、を守っていく、地元に貢献するためにこそ、宮古の中だけの商売では限界がある、と考えているのです。

お店に来ていただくのももちろんですが、宮古は少しずつ人口も観光客も減っています。
(宮古に限らず、地方に共通の問題だと思いますが……)

あくまでも、宮古のことを知ってもらうための外向け商売を出来るようにして、宮古に少しでもお金が入るようにしていければと思っています。そのための販路拡大です。

それから、宮古出身で、いろいろな事情で首都圏などで暮らしている方に、「ふるさとの味」として、小さい頃から親しんだ「西野屋の味」を届けられないか。
それが、近頃考えていることです。

■これからどんな西野屋にしたいのか

ケーキや洋菓子・和菓子の一部は、地方発送をテストし始めています。

調理パンについては、保存料を使用しないこともあって、地方発送にはまだ試行錯誤が必要そうです。

当店の一番人気である「フルーツパン」の味を、宮古を離れている人に届けられないかを、一つの目標にしています。

常温のフルーツパンをただ発送用に冷凍するだけでは、食感や風味が変わります。
冷凍でお届けしても風味が変わらないフルーツパン。
あるいは、パンではなくても「フルーツパンらしさ」を間違いなく感じていただけるような「何か」なのか。まだ答えは見付かりませんが、なんとかして、フルーツパンの懐かしい味を食べてもらえたら、と思っています。

お店のほうも、お待たせしてしまったり、まだまだお客様に満足していただくために出来ていないこともたくさんあると思います。少しずつ、改善していきたいと思いますので、当店にご要望やリクエストがありましたら、ご遠慮なく、お寄せください。

まだ手探りなのですが、いくつかの商品は、インターネット通販を始めました。ヤフーショッピングでお買い求めいただけます。

ヤフーショッピング以外でも、商品によっては個別に地方発送も対応します。まずはご相談ください。
(よく考えたら、宮古のほうが「地方」ですね…。「都市」発送?)

商品紹介記事の一覧はこちらです。


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