文字が書けない
高齢や病気の影響で手が不自由となり、字が書けない方がおられ、さまざまな手続ができないのではないかと心配される方があります。
結論を申し上げれば、字が書けなくても、ほとんどのことはできます。
自筆でなければ無効となる手続は、数えるくらいしかありません。
たとえば、不動産を売却しようとして、売買契約書に署名できなくても、住所と氏名を契約書に印字してもらい、そこに実印を押せば十分です。
契約相手に納得してもらえるならば、住所と名前は、代筆してもらってもかまいません。
契約は、口約束でも成り立ちますから、後で言った言わないにならないために、約束したことを書面にまとめておくためにつくるものが契約書です。
つまり、もっとも大切なことは、意思能力、判断能力です。
当事者の意思にもとづいて、契約したかどうかが重要で、認知症や精神疾患で、判断能力が下がっている方がした契約が無効となることもあります。
遺言書は、字が書けなくても、公正証書遺言であればつくることができます。
ところが、金融機関では、お金を引き出す伝票は、口座名義本人が自署しなければならないとのルールがあるところがあり、代筆では断られてしまいます。
そのため、自筆できなくても引き出しができるように、キャッシュカードを準備しておくことも有効でしょう。
特に、定期預金は早めに整理しましょう。
シニアの皆様は、貯めることよりも、使うことを考える年齢です。定期預金は、使うことを考えれば不便です。
普通預金にしておけば、キャッシュカードで引き出すことができます。
年齢とともに、からだや頭が衰えるのは当たり前のことです。
今は、それらに対して、さまざまな準備ができます。対策ができます。
終活は、認知症になる前に済ませましょう。
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