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絶対に遺言書をつくっておくべき10選【後半】

「えらい目にあったわ。いまのうちに遺言書をつくっておきます。」
「遺言書があれば、関係ない人たちに口を挟まれないで済みますね。」

ふだん、私は相続にかかわる仕事をしています。一仕事を終えますと、遺言書をつくりたいとご相談いただくことがあります。

次に示す事例は、思ったように財産を相続できなかったり、相続のときにトラブルになりやすい事例です。財産の多い少ないにかかわらず、絶対に遺言書を準備しておくべきであるとを強くおすすめします。

相続人の間で話し合いがうまくいかないときは、裁判手続を利用することとなり、多くの時間と費用がかかるだけでなく、その間、預金や不動産が凍結されてしまいますから、経費の支払い、生活費や納税資金の準備にも支障が出ることがあります。

絶対に遺言書をつくっておくべき10選

  • 子どものいない夫婦(DINKS)

  • 未婚で独身の方、離婚して独身の方(おひとりさま)

  • 内縁関係、事実婚、同性婚で籍を入れていない夫婦

  • 再婚している方

  • 子ども同士の仲が悪いとき

  • 離婚歴があり、前婚の夫や妻との間に子どもがいる方

  • 相続人の中に、認知症の方や障がいのある方がいるとき

  • 相続人の中に、音信不通、海外居住者、ひきこもり、行方不明者がいる

  • 自営業や農業をしている方

  • 会社を経営している方

遺言書がないために相続で苦労する事例

死後、さまざまな事情で相続手続が前に進まないどころか、思ったように相続できない場合があります。特に、離婚がからむことで、相続の場面にも引きずる問題点があります。

再婚した夫婦

離婚や死別により、再婚をすることもあるでしょう。社会の変化に伴い、離婚が増加しています。また、人生100年時代ですから、早くにパートナーを亡くした方が、再婚をすることも珍しいことではありません。

再婚した夫婦においては、遺言書をご準備いただきたいものです。夫婦の仲がよくても、再婚相手と子どもたちの関係がうまくいくとは限りません。再婚相手と養子縁組をしない限りは、赤の他人です。それでも、相続の場面では、再婚相手と子どもたちが共同で相続人となりますから、協議が難航することはしばしば起こります。

後妻業というのは、劇画の中だけのことではありません。夫が弱ってきたこといいことに、後妻さんが家も財産も乗っ取ってしまい家族で揉め事になっていることは耳にするものです。

離婚歴があり、前婚の夫や妻との間に子どもがいる場合

先妻との間に子がいる夫が亡くなったときは、法定相続人は、現在の妻子と先妻との間の子です。つまり、前の結婚のときに生まれた子も、相続人となるというところがポイントです。夫婦関係はなくなっても、親権をもっていなくても、親子が同居していなくても、法律上の親子関係はずっと続きます。

夫婦が円満に離婚しており、先妻側との関係が良好であれば問題はありません。しかしながら、先夫・先妻側との関係が悪いときは、相続が始まったときに、先夫・先妻側の一族が遺産の分け方に口を挟んできたり、過分な相続分を主張してきたりして、紛争になることが考えられます。

その場合には、裁判で解決することになります。長引きますと、預金の引き出し等ができなくなることがあり、生活に支障が出ることが予想されます。

ご落胤が出てきたときも、同じことです。

自営業者、農家、医師、会社経営者

会社の経営者がもつ会社の株式(自社株)、個人事業主がもつ生産設備、医療機器、農機具等の事業用の資産は、相続のときに分散して引き継がれてしまうと、経営に支障が出ます。

また、金融機関から事業資金の融資を受けているときは、借金を返済する義務や、連帯保証人の立場も相続することになります。

特に、会社の株式が複数の相続人に分散してしまうことは、会社にとって円滑な意思決定が困難になるほか、経営基盤が不安定となるため、取引先や融資を受けている金融機関に対しても不安を与えることとなります。

経営権や事業用資産は、確実に次の経営者に引き継げるようにしておかなければなりません。そのために、事前の相続対策はもちろんのこと、遺言書を作成しておくことが望ましいと考えます。

遺言書のご相談を承ります

もめるから、喧嘩になりそうだから、という見通しがあるならば、真っ先に遺言書の準備はしてください。説明するまでもありません。しかし、私たちが解決している相続の中でも、話が前に進まない相続は、もめるばかりではありません。音信不通であったり、協力してもらえなかったりするほか、無関心や無視、意思能力が不十分ということも数々経験してきています。

グラーティア司法書士法人は、このような難しい場面や遺言書さえあれば円満な相続となった場面を数多く見てきました。そのため、遺言書作成を積極的に勧めており、ご相談を承っております。

遺言書は、一部のお金持ちのためのものではありません。

相続のトラブルは、一般的な家庭で、日常的に起こっています。もめごとにしなかっただけで、誰かが我慢して過ぎ去ったものも含めれば、無数にあります。元気なうちに遺言書を作成し、安心、円満な終活をはじめてみませんか。


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