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誰もがデータサイエンティストである必要はない

EC業界に飛び込んで約2年。
DBを扱う日々にも慣れ、今や若い人たちにアドバイスなんかをしたりしています。
(偉くなったもんだな)

そんな中、業務に関わっていく中で感じた事があります。
それが誰もがデータサイエンティストである必要はないです。
「何を今さら。そんなの当たり前だろ?」と思う方も多いでしょう。
私もそう思います(←オイッ!

ですが、いざ現場を見てみると、
「データサイエンティストになりたい」
「データサイエンティストとして働きたい」
という方を多く目にします。

それ自体は否定しません。
しかし、よく使われる分析や解析の手法ですら理解しようしないのに、その位置を目指すのはあまりにも・・・と思うわけです。

ビジネスパーソンとして身に付けておきたい力

私が思うに、以下の3つを行えるようになることが大切だと思います。

①課題を正確に把握する。
②その課題を解決した時の影響の大きさから、ビジネス視点から見た重要度と緊急度を分類し、課題を取捨選択する。
③課題を解決するために必要な分析手法を、適切に選択する。

これらは、ビジネスに関わるどの職種にも必要なものだと思います。
もちろん、データサイエンティストにも必要で、これができていない方は「何かの分析モデルを作ったけど、ビジネスに全く使えない」みたいな残念なものを作ってしまったりしているのを、私自身も目の当たりにしてきました。
極端な話、「そういうのは趣味の範囲でやってくれ」と言われてしまうかもしれません。

『データサイエンティスト』とは

ここで、「そもそもデータサイエンティストって何?」ということを確認してみたいと思います。
データサイエンティスト協会では、データサイエンティストに必要な力を


ビジネス力
課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し解決する力
データサイエンス力
情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し使う力
データエンジニアリング力
データサイエンスを意味のある形に使えるようにし実装・運用できるようにする力
出典:https://www.datascientist.or.jp/dskentei/

というように定義されています。

「機械学習ができる人」「回帰分析ができれば十分」など、ネットには様々な意見が出ていますが、ここでは

上記の定義に合致する人=データサイエンティスト

として話を進めます。

通常業務にデータサイエンティストが必要なのか

とってもハイスペックなデータサイエンティスト。
私は「経営企画職のデータ版」のような認識をしています。

経営企画って、お金の事もマーケティングの事も商品の事も分かっている人たちがやっているんじゃないかと思います。
(やったことないんで分かりませんけど。)
経営に近い所であることは間違いないと思うので、それらの事を踏まえ、数年先を見越した戦略立案とかをするんだろうと思います。
そんな人たちが、通常のクライアント対応の業務を行ったりするとは考えにくいんですよね。

これが、データサイエンティストにも言えるのではないかと。
データサイエンティストに必要な力って、通常であればそれぞれに専門の人がいて、1 つのプロジェクトを進めるためにチームとして集まって動いたりするような要件だと思います。
それを1人で賄うって相当なスペックだと思うわけです。
それこそ、データに関するコンサルティングもできるんじゃないかって感じです。
(多分、実際にやっている方もいますよね・・・。)
そんな人たちを通常業務に加えるのは、宝の持ち腐れなんじゃないかと。

もちろん、現場を知るための研修みたいな感じで加わってもらうのはアリだと思います。
ですが、本来データサイエンティストが持つべき視点は、現場よりもっと高いところから俯瞰し、先を見通す視点なのではないかと思います。

現場で処理しきれない課題を解決するのがデータサイエンティストだと思う

各クライアントの対応をしていく中で、共通の課題が出てくることもあるでしょうし、現場では解決できないものもあると思います。
そのような課題の中で、データサイエンティストが解決できるものがあれば介入する。
そういった形が、ある意味健全なのではないかと思います。

例えば、「現場の分析力が足りない」というのであれば、データサイエンティストが現場で分析するのではなく、「分析できる人材を育てる」という介入の仕方をする。
様々なデータが分散していて、現場での作業に時間がかかっているようであれば、分散しているデータを整理して、関係者が使いやすい環境を構築する。
(必ずしも自分で作業を行う必要はなく、マネージメントをすることで最終的に課題解決に到達できればOK)

もちろん、売り上げに関する数理モデルを構築するような仕事もあると思いますが、ビジネスもデータサイエンスもエンジニアリングも理解している人材でないと課題解決が難しい事は、モデルの構築だけではないと思います。

状況は会社によって異なる

そうは言っても、会社によって組織構成も人員も異なるので、当然事情も異なってきます。
なので、一概に「これが正しい」と言えるものではないのも事実でしょう。
ただ、会社の現状と照らし合わせて、本当にデータサイエンティストが必要なのかを検討することは重要だと思います。
さもないと、折角入社してくれたデータサイエンティストに逃げられる・・・なんて悲しい結末に繋がるかもしれません。

「ビジネスを理解しているアナリスト」も需要が高いのでは?

某大手人材紹介会社の求人に

Excel の vlookup を使って、あなたもデータサイエンティストに!

みたいなものを見たことがあります。

そういう適当に流行り文句を使った求人なども誤解を広げていると思いますが、求人の内容を見る限り、現状ではアナリストも需要が高いのではないかと思います。

アナリストとしての力を伸ばしつつ、ビジネス理解も深めて、まずは現場のスペシャリストになる。
それからでも、
・データサイエンティストになる
・分析専門の会社に転職する(起業する)
・マネージャーになる
など、様々な道を選ぶことができます。

世の中の需要の変化と、自分が目指したい場所を確認しながら、時には軌道修正をしつつ、段階的にスキルアップをしていくことが大切なのではないかと思います。


・・・長々と書いてきましたけど、ぼんやりと考えていたことを言語化するって難しいですね(^^;

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