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「食のインターンシッププログラム」に参加して

この夏、「SHIBUYA TSUTAYAからニッポンフードシフト」で開催された「食のインターンシッププログラム」に参加した大学2年の金子千夏です。

今回、NFSを通したこのインターンシップに参加して、実際に自分の五感を使って現状を知るという体験から、様々な気づきがありました。これまでの経緯やインターンでの学び、これからのことなどを簡単に以下で述べていこうと思います。

① なぜ今回参加してみようと思ったのか。
大学で持続可能性について勉強していることもあり、世界の政治情勢や、気候変動、地球温暖化、日本の現時点での食料自給率によって私たちの食はこのままでいいのか、これから同じような食生活が続いていくのだろうか、そんなような疑問があったため、日本の食を知れる良い機会であると考えました。またグリーンバードでお掃除の運営をやっていることから、社会問題にももともと興味があったので、食の問題は1つの社会問題であると思い、参加してみようという経緯に至りました。

② インターンで経験したこと。
経験したことは主に、代官山青果店さんの店舗での業務、生産者の体験、市場での体験、マルシェの出店の4つ。どの場所で感じたことは人々の情熱と暖かさ、つながりで、お互いに信頼しあっている関係性と、どの仕事も野菜一つ一つの詳しい知識がなければ成り立たない仕事でとても奥が深かったです。

③ インターンで実感した問題。
規格外野菜というものが、野菜を作る過程で出てしまい、それらが市場に出されず廃棄されているという。私は実際に生産者の体験で規格外野菜を収穫し、食べてみたが、見た目が変わっているだけで味は何ら変わりがなかった。なぜこのような野菜が食べられず廃棄されているのか不思議で仕方がなかった。代官山青果店さんでは、規格外野菜を商品として扱い、野菜の詰め放題などを実施して実際にその野菜を販売して、廃棄される問題にアプローチしていました。

④ マルシェの出店。
マルシェを出すにあたって、何を出したいかと考えた時に、やはりなぜ捨てられるのか疑問であった規格外野菜を出したいということになりました。規格外野菜をただ出すだけでは、人を惹きつけることができないため、代官山青果店さんが実施している詰め放題のアイデアをいただいて、そこにさらに体験型としてヨーヨーくじを追加して多くの人に体験してもらって、規格外野菜に興味を持ってもらえるような形にしました。販売している中で、規格外野菜の見た目だけで、マイナスのイメージを持っているお客さんは1人もおらず、安いことにただ驚いている方が多かったので、ますます、規格外野菜が廃棄されている現状に疑問を抱きました。

⑤ 考えたこと。
インターンを通じて知った規格外野菜の問題から2つの問いを考えました。

・規格外野菜の流通は自給率を上げることに繋がるのか
私は繋がると思います。規格外野菜は人々がつながって信頼のある関係性のところからのみ流通することが出来るのでは?と。規格外野菜という本来は弾かれるような野菜が商品になるにはその野菜が信頼の下で作られていて安全であることをお互いに認識している必要があると思い、そのためには生産者と販売者、消費者の距離が近くないと信頼関係も気づきにくく、安全性も見えにくい。

・規格外野菜がこのまま流通することで何かデメリットはあるのか
私はいいことばかりではなくデメリットがあると思います。規格外野菜は普通の野菜と同じように食べることが出来るのに利益が少ない。規格外野菜は安いという認識が広まってしまうと規格外野菜は安くしか売れず、規格外野菜にも普通の野菜にも同じだけのコストがかかっているのに、安く売れればその分利益の量も小さくなる。これから環境変化などが深刻化して規格外野菜が増えると、労働者が得られる利益が減ってしまう。新しい売り方が必要ではないか。
→新しい売り方とは規格外野菜という概念をなくしてしまい、規格野菜も規格外野菜も同じカテゴリーで同じように販売するのはどうだろうかと考えます。

⑥ 今後に生かすこと。
今回のインターンを通じてまず、食と農の問題にさらに関心を向けて、自分の私生活で取り組めることに取り組んでいくことは勿論、この問題を解決していくためには多くの人の意識変化が必要であるのでまずは自分の周りの人達に伝えていきたいです。そして、今日本ではお金を出せば好きなものが好きな時に食べられるという状況がほとんどである。しかし、どんどん物価も上昇し、好きなものが食べられる人も限られていき、今の食生活はそう簡単に長く続かないのではないかなと思う。そのような時代でも生き残るためには、私たちの身近にあるものの大切さ、日本の今後の食について一人一人がもっと意識をもって行動する必要があると思いました。
また、今回実際に社会の問題を五感で体験して、座って問題を勉強して解決策をイメージしているだけではわからないことが沢山あると感じました。現場を見ないで「やばいね」などと言うだけではなく、現場に行きその問題に立ち向かっている人々に会うことでその問題の具体性を捉えることが出来、自分事として考えられ行動もしやすい。社会問題の現場に行って五感で知ることをこれからも意識していきたいです。