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ジリ貧ポジティブシンキング〜ワクワクさんにジャブ〜

先述の通り大学を卒業し、落語家志望という形で主にフリーターとしてふらふらとしていた私ですが

劇団に所属をしている期間がありました。

というのも高校時代に、M-1甲子園なる高校生の漫才大会で相方として共にただずべりをしてくれた友人(小中高、同級生)が脱サラをして、コメディ劇団を立ち上げるということで

ひいてはその舞台役者として、劇団立ち上げに参加してくれないかという打診を受けたのです。

彼は私とは違ってしっかりと勉強して某国立大に入学し、その後名だたる優良企業からいくつか内定をもらい、その一つのへの就職を決めて頑張っておりましたが、入社から3年後、安定したキャリアを捨てて覚悟を決めての冒険でありました。

彼もまた大学時代はお笑いサークルと、劇団サークルに所属をしていて、人前で笑いをとることの魔力に取り憑かれてしまったのでしょう(笑)

私自身、高校時代の演劇が人前での表現の原風景であったのと、何より表現をして生きていきたいのに、落語家という道に踏ん切りがつかず、かといって他に見当たるものもなかったのでその話に乗る以外の選択肢はなく

まさかの舞台人生がはじまりました。

他の役者さんも、演劇人はもちろん、お笑い芸人、声優、公務員といった感じで様々なバックボーンをもった人が集まっており、わたしは落語こそやってきましたが、舞台経験なぞは高校時代の文化祭の素人芝居であり、果たして金銭を頂くほどの代物は可能なのだろうかとだいぶ心配をしていたのですが

代表であるその友人が、さすが安定したキャリアを捨ててまで立ち上げるほどの自信と覚悟がみられる脚本と演出力だったので

しっかりと人前でも見せられるものでした。(こういった世界では人様からお金を頂いているにも関わらず、みるに耐えないものが世の中には沢山あるものです。)

もちろんその分、稽古は友人だからということで馴れ合いはなく、めちゃくちゃに厳しく、私なんかは怒られてばかりいました。(笑)

落語はお客さんとの間合いはありますが、基本すべては座布団の上でのひとり語りになりますので、舞台の相手がいるなかでの間合い(特にコメディ主体のため、間のひとつで面白いものが面白くなくなる)のとり方に非常に苦労したのですが

それでも公演日に向けて、皆でしっかりと準備しそれをやりきること、また人前で何かを表現し喜んでもらうことの楽しさを改めて感じることができました。

しかし、やはりこういった小劇団の至上命題である、お金の問題が重くのしかかってきます。

立ち上げ間もない劇団の売上は、基本劇場を借りる費用や運営費で消えて、役者に支払われるのは稽古場所への交通費くらいのものです。

加えて、舞台は一人ではなく複数人で行うためそのために稽古日、稽古時間というものを合わせなければならないため、うまく融通が聞く仕事をするべきなのですが、なんだか私はそういったバランスを取るのがあまり得意ではなく、結果稼げるアルバイトもあまり入れられず、ジリ貧状態へと突入をしていきます。

いまだに精神世界にある、ワクワクすることをしてればお金もついてくる、全て思い通りになる、といったポジティブシンキング信仰への違和感もこの時、体現しました(笑)

廻りの役者はそれぞれのバックボーンがありましたが、私自身はここから芸能事務所に所属し、兎にも角にも役者として食べていくという覚悟もなく

そういった経済状況であったため、長期戦になるであろう劇団の活動も引き続きやっていくことに関してはだんだんと良いイメージをもつことができなくなり

舞台はそれなりにやりがいを感じてはいたので、だいぶ悩んだのですが、公演自体は3回を終えたところで私はフェードアウトをさせていただく形になりました。

その後は結局元サヤといいますか、自らの道を決めるという覚悟を持てないまま、ちゅーぶらりんのフリーター生活へと戻ります。

いや戻っちゃうんかいという話ですねw

我ながら業が深すぎます笑

ただこのあたりから自分自身、そして家族の経済状況を踏まえ、これまで見て見ぬ振りをしてきた正社員として企業への就職というものが現実的にちらつきはじめます。。。

当たり前ですが、この人生はワクワク=成功、といえるほど単純な構図ではありません。(いずれ、こちらに関しても掘り下げていくつもりです。)

そんなワクワクさんに少々ジャブを入れつつ、今回はお時間となります。

次回、劇団退会後のお話です。











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