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現役面接官が教える面接の心構え

僕は日常的に求職者の支援と、企業の採用を行なっているので、

求職者の支援をする際には、企業の採用担当者視点で支援をしています。


先日、求職者に面接対策をしていた時のお話ですが、

この求職者は50代の女性でWEBデザインの仕事への転職を希望されている方です。

その方に、なぜこの仕事を希望したのかを質問したところ、

「以前からデザインに興味があったから」との回答。

未経験者が新しいことにチャレンジすることはとても素晴らしことで、

僕もその積極性は応援したいところですが、仕事選びのきっかけが好きなことを仕事にすることは、その仕事を長く続けるための一つの要因なので、それ自体は問題無いのですが、上記の回答だと、趣味レベルの回答です。


僕は子供の頃、魚釣りが大好きで、将来は漁師になりたいと思っていたこともありますが、

面接の場で、その仕事を選んだ理由が好きだから、興味があったからでは、採用担当者は心の中では鼻で笑っているはずです。

今時は就活中の学生でも、もっと志望動機を練ってくる学生も多いくらいです。


では、その興味や好きを仕事にするために、どう回答すればいいのでしょうか?


それは、その興味や好きをきっかけに、応募先の企業を通じて、その先の顧客や社会に対してどう貢献するのかを考えなければなりません。

更に、その貢献の先に自分がどうなりたいのかまで考える必要があります。


また、新卒の面接でよくある回答に「役に立つ仕事がしたい」とか「世の中に貢献したい」と、

一見もっともらいい薄っぺらい回答をする学生がいます。


そもそも仕事って誰かの役に立つことが仕事なので、どんな仕事を選んでも、誰かの役に立つはずです。


自分がこれまで学んできたこと、経験してきたことを根拠に、どんな自分になりたいのか、どんな未来を描いているのか、そのなりたい自分や未来が応募先の企業で成し遂げられるのか、それによって企業に利益をもたらすことができるのか、まで考えなければならないのです。


民間企業でも公務員でも、従業員を育てるための機関ではないのです。

従業員を育成するのは、その企業や団体に利益を生み出す人材になってもらいたいからで、

育成が目的ならば、それは学校なのです。


それと、新卒採用と中途採用では、当然ですが採用する目的が異なります。

新卒採用は、応募者を通じて未来への投資です。

新卒で入社した社員が利益を生み出すには数年かかります。

つまり、その数年間は企業にとっては赤字覚悟なのです。

一方、中途採用は即戦力もしくは育成期間の短縮です。

同業や同職種への転職は、まさに即戦力候補なので、面接や職務経歴書では、これまでの実績を具体的に表現し、採用担当者に「うちの会社に利益をもたらしてくれそう」と思わせなければなりません。

また、異業種や未経験の職種へ応募する場合には、これまでの経験の中から、どの能力がこの職種へ活かせそうかを考え、いかに短期間でスキルを習得でき、仕事を覚えることができるかをアピールしなければなりません。

応募する側も、そこを理解して応募・入社する覚悟が必要なのです。


今更ですが、仕事をする・就職をするということは、働いてお金を貰うという行為であることを忘れてはいけません。

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