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うちの旦那はリモートワーク19

お彼岸には両親の大好物な大福を買って実家へ行く事が恒例になっている。いつものように実家へ行くと、父が珍しく相談があるというのだ。「いいよ、なに?」と聞いてみたら「ここを売って妹の家に引っ越す事になっているんだが、その事を考えると不安になって夜眠れない」と言うのだ。「え~っ!!聞いてないよ~ぉ!」85歳になって住み慣れた場所を離れるって?!正気の沙汰ではないだろう!「お父さんは行きたいの?」と思わず聞いてしまった私に「行きたいわけないだろう!話が進んじゃって今更取返しつかないんだよ」と言うのだ。父はいつもそうだ、安請け合いをしておいて後で取返しが付かなくなる。私は「う~ん、それはお父さんから話した方がいいよ」と言ったが、その後も電話魔の父から毎日電話がかかってくる「夜眠れないし、昼間もじっとしていられなくて困っているんだ」と、訴えるのだ。こういう時は昔からいつもそうだ・・。仕方なく詳しい話を聞いてみると、半年前、妹が父に「土地が沢山あるから引っ越さないか」と持ち掛けたらしい「私も実家に毎週通うの大変だし、うちに来れば面倒を見てあげる」と・・。

父は今まで、店も家庭もずっと母に任せきりで家にはいつもいなかった。母が認知症になり昔の父を責め始めたのだ。母の文句が始まると父はフラッと外へ行ってしまうが、帰って来るとまた文句が飛んでくる。そこに来て持ち上がった話らしい。いつの間にか遺言書まで整っていて資産は全部妹に渡すことになっていた。父は小学校しか出ていないので文章も得意ではない。年賀状ですら私が代わりに書いていた。遺言書のような高尚な文が書けるわけがないのだが・・・。同居していた叔父達も引っ越すことは知っていた。そう、知らなかったのは私だけだったのだ!!

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